敵地での第1戦を逆転勝利していたバルサだったが、ペップはこの試合、油断禁物と警告したとおりベストメンバーを送り込んでいる。
注目は初先発となったイブラヒモビッチだったが、この試合でさっそく彼はエトーとのタイプの違いを示すことになった。エリア内で自ら仕事をやりたいエトーに対し、イブラはチームメイトにスペースを残し、驚異のキープ力によって攻め上がりを促進するタイプ。連携が磨かれていけば、チャビやケイタの得点が伸びることになりそうだ。メッシやアンリの得点数も同じく。
前半は明らかにバルサのペースだった。ズラタンを中心に、いつでもゴールを狙いますよといった展開。デランテロたちのチャンスはもちろん、トゥレ・ヤヤが右サイドをえぐってメッシ的上がりを見せたり、ピケの惜しいシュートがあったり。イブラのキープ力は脅威となりそうだ。
前半最大級の好機も、イブラヒモビッチだった。やや深い位置からのメッシによるロングボールに反応、エリア内で胸トラップをすると、そのまま右足ダイレクトボレーを披露したのだ。残念ながら、GKゴルカがこの至近距離シュートを気合で弾き、コーナーへ逃げてゴールならず。カンプノウは大いに沸いた。
すでに第1戦を落としているアスレチックは、どうも次のユーロリーグが気になっているようだった。ゴールを奪うよりも、ハードなチェックによってバルサに点をやらないことに専念し、前半はそれに成功している。
しかし幸運も、そうは続くもんじゃない。50分、高い位置でチャビがボールをカットすると、前線のイブラヒモビッチにすばやく送り込む。イブラはそれをダイレクトで右にはたき、メッシへパス。エリア内に切れ込んだ10番は縦への動きでマークを抜き去り、そのままボールを放り込むのだった。しかも右足で。今季も我らがメッシはやってくれる。
このゴールで、スーペルコパはほぼバルサのものとなった。あとは勝利をより揺るぎないものとし、ファンも自分たちも楽しむことである。この後も一方的に、バルサがアスレチックゴールに襲い掛かった。怒涛の攻めだった。だが圧倒的にゲームを支配しながらも、プジョルの猛烈ヘッドがクロスバーを直撃するなど、多少ツイてない。追加点は68分まで待つ必要があった。
それはペナルティによるものだった。エリア内の混戦にてアルベスが倒されるのだが、ウスタリスのタックルはボールに行ってるといえなくもない。当然ビルバオ側は抗議をするが覆らず、メッシが落ち着いてこれを決めて2-0とした。
ここでペップはイブラヒモビッチをお役御免とする。初先発、お疲れ。そしてピッチに登場したボージャンが、電光石火の早業でゴールを決めてしまうのだ。72分、最初のドリブル突破はカットされるのだが、GKへのバックパスが短かったのを見逃さず、さっと奪い取ってゴルカもかわし、無人のゴールへと流し込むカンテラーノ。エトー的なゴールだった。
レギュラークラスの選手を揃えたバルサには、半端な気持ちではボコボコにやられることがよく分かったゲームだった。イブラヒモビッチの加入も、非常に期待を持てるものとなっている。秋口に熟成が進めば、えげつないことになっていそうで楽しみだ。モナコでのUEFAスーペルコパも、この調子でいただいてしまおう。
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