難地サンチェス・ピスファンで勝利は収めたものの、1/4ファイナルへ進出するためにはあと1ゴールが足らず。ペップチームがタイトル争いから脱落するのは、これは初の出来事となる。
バルサにとってタイトルに優劣などない。ペップが送り出したスタメンは、それを物語っていた。ポルテーロのみバルデスではなくピントだったが、その他のメンバーは現時点でのベストメンバー。難しいゲームだからといって捨てることなく、豪華な布陣で試合に臨んでいる。
ゲームはまず、セビージャの攻勢で始まった。彼らの激しいプレスにより、バルサは満足にボールを扱うことも出来ない。フエラといえども、バルサが支配率で相手に負けることはそうないが、今回はその数少ない一例となっていた。試合前に降った激しい雨によって重くなったピッチも、セビージャにとって有利だったようだ。
最初の決定機も、セビージャだった。3分と5分、セビージャは2本のヘッドによってピントを脅かしている。どうにか事なきを得たが、バルセロニスタにとっては肝を冷やす瞬間だった。さらに19分、ナバス(?)のゴールが、その直前にピントに対するネグレドのファールがあったとして無効に。第1戦に続き、審判の微妙な判定が今回も飛び出している。
時間の経過と共に、序盤に飛ばしたセビージャの勢いは静まっていった。それと同時に、バルサは少しずつペースを掴むようになっていく。20分をすぎる頃からは、バルサがGKパロップに次々と襲い掛かった。しかし最後の瞬間での精度不足、あるいはパロップの好守により、セビージャのネットは揺らすことは出来ない。27分のイブラヒモビッチのチャンスは、決定的だったのだが。
後半はさらにバルサの攻めが続いた。セビージャは自陣で守りを固めていたので、ゲームはバルサ一色といってもいいほどだ。しかしそんなバルサに、立ちはだかったのはパロップである。51分のイブラのバックヘッドも59分のメッシの突破も、ことごとく止めてみせるアンダルシアの守護神。ようやくその壁を破ったのは、63分のチャビのミドルシュートだった。イニエスタのパスを受けたチャビが、エリア際からネットを揺らしてみせたのだ。
さらにその4分後には、メッシがパロップと1対1となってもいるし、69分にもメッシはバー直撃弾を放っている。嗚呼、このあたりがひとつでも決まっていれば。
後半のセビージャのチャンスは、76分のカウンター一発のみだった。ここで気合を見せたのが、偉大なるカピタンプジョルである。カペルからネグレドにキラーパスが渡る直前に、それをずばっとカット。さすがとしか言いようがない。
そしてバルサは追加点を上げることができないまま、時間は経過していった。ペップは終盤間際にボージャンとペドロを送り込むのだが(イブラ、アルベスと交代)、ついにその努力も実らなかった。85分にはまたも、メッシのシュートをパロップがパラドン。スタンフォード・ブリッジやアブダビでの奇跡は今度は起こることなく、審判は試合終了を宣言した。
こうしてチームペップは初めて、タイトル争いから脱落した。ひとつのタイトルを失った今、やるべきことは何が失敗だったのかを分析し、今後に生かすこととなる。教訓を得、同じ過ちを犯さないようにするだけだ。
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