コパ敗退直後の、そのコパで悔しい目に遭わされたセビージャを迎えてのリーガでの一戦。バルサは圧倒的なプレーでアンダルシアチームを下し、溜飲を下げた。
直前の試合で、マドリーがサン・マメスにて散っていた。バルサにとって、追手との差を広げる絶好のチャンスの到来である。相手はこの10日間で3度目の対戦となるセビージャ。前の二度の対決では悔しい思いをさせられたこともあり、なにがなんでも必勝!がバルセロニスタの合言葉だった。
試合は前二回とは異なり、バルサペースで進んでいく。その哲学に則り、いつものスタイルで攻撃的に仕掛けるバルサ。ボールは完全に支配下に置き、セビージャに攻め入る隙を与えなかった。セビージャはどうやら来週のコパを優先したらしいメンバー構成でもあったし、そんなことでは気合のフルメンバーバルサに対抗しうるはずもない。
ハーフタイムまで彼らが0-0で持ちこたえられたのは、コパでの対戦と同じく、“聖パロップ”の活躍があったからに他ならない。たしかにセビージャの守りは堅かったが、最後の壁としてパロップがまたも立ちはだかったことが、早期のゴレアーダを回避できた大要因。12分のアンリに対する飛び出し、29分や32分のプジョルヘッド、35分のメッシ弾、と前半だけでもパロップは三度以上チームを救っている。
35分には、元バルサカンテラのマルク・バリエンテによる、メッシに対するラグビー級シャツ引っ張りファールあり。20mほど引っ張り続け、最後に倒したのに黄紙だけとは幸運である。
そうして前半をどうにかやり過ごしたセビージャではあったが、それをさらに45分間続けるとなると、さすがに無理がある。アンダルシア防波堤が決壊するのも、時間の問題。その時は49分、少々意外な形で訪れることとなる。エスクデがピケの当たり損ねシュートをクリアしようとして、オウンゴールとしてしまうのである。右からセンタリングを上げたのは、マルケスだった。
序盤6分にイブラヒモビッチ(この日はいまいちの出来)のシュート失敗に始まり、“聖パロップ”の活躍。バルセロニスタの脳裏にほんの少し過ぎっていた嫌な予感も、このゴールによって吹き飛ばされた。あとはイケイケどんどん、とどめを刺すための追加点を狙うだけとなる。
しかし、二点目は思ったよりも後の出来事となった。またまた“聖パロップ”が気合を見せ、50分と67分のメッシ、53分のアンリとバルサの決定機を封じ込めるのだ。このバルサとの三試合で、彼は一体どれだけのシュートを弾き返したのか。敵ながら、あっぱれ。
そんなセビージャの守護神をさくっと攻略したのが、ゴールハンター・ペドロだった。63分にアンリに替わって登場すると、70分にはゴールを決めてしまうのだから、彼の得点感覚はおそろしい。チャビの鬼スルーパスに抜け出し、詰めて来たパロップを見てのバセリーナ。クラックのゴールだった。
2点のリードを手にし、バルサの勝利は決定的となった。あとはギガクラックであるレオ・メッシが、その足によってゲームを締めくくるだけだった。そこで1点ではなく、2点決めてしまうところがメッシのほかとは違うところといえよう。まずは84分、アルベスからのクロスをエリア中央で受け、ためらうことなくズバッとゴール右端へ。続いて91分、アビダル(本日のMVP!)からのスルーパスを受けてドリブル単独突破、パロップも攻略してのシュートを再びゴール右端に流し込んだ。メッシはこれでバルサ通算101ゴール。最年少での100ゴール到達となる。
ゲームはこうして4-0で終了した。久々のカンプノウでのフィエスタだ。マドリーのつまづきをきっちり活用し、これで彼らとの差は5ポイントに拡大。バルサらしく勝利し、少し萎んでいた雰囲気も一気に回復した。コパの失敗などなんのその。これが王者のフットボルだ!
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