先週のビッグマッチふたつに比べると、見るからにテンションの低めの試合。とはいえ不調デポルをこれでもかと圧倒し、余裕をもって勝点3を積み上げた。
クラシコから4日後、そして3日後にペリコとのダービーが控えるバルサ。ペップはセントラルコンビ(プジョル&ミリート)を休ませている。エストレーモにはジェフレンが起用された。その他、ペドロにメッシにボージャン。前線の4人はすべてカンテラ産の素晴らしさだ。
試合は序盤から、カンプノウでよくある光景が繰り広げられた。バルサがボールを支配し、相手チームが引いて守る光景だ。だが、デポルティボの調子の悪さは、守り方にも表れていた。頑張ってはいるが、プレスが甘い。チャビとトゥレはさほど圧力を受けることなくボールを展開し、相手エリアを取り囲んだバルサはGKアランスビアにシュートの雨を降らせている。
最初の決定機は9分、アルベスのクロスをピケが胸で落とし、そのボールを後ろからさらったペドロのクロスバー直撃弾。これはまあご挨拶のようなものである。先制点もほどなく訪れた。15分のことだった。チャビからのエリア内スペースへのパスを受けたボージャンが、前に出るアランスビアも落ち着いてかわしてのシュート。ボージャンらしい小技の利いたゴールだった。
その後も、バルサのボール支配は続いている。圧倒的といって良いほどに。前半のある時点では、その割合は80%にも到達しようとしていた。デポルはひたすらに穴にこもって耐え忍ぶ。前半、バルサのシュート数は10を超え、チャンスも少なくとも7度。コーナーキックも10回手にしている。対するガジェゴはシュート1、コーナー2。よくもこれで前半が1-0で済んだものだ。それもひとえに、バルサが本気モードではなかったから。仕上げの場面でも、どうしても少し余裕があったのだろう。
アルベスのチレーナであったり、メッシへのダイレクトヒールパスであったり、メッシのバセリーナであったり、ジェフレンの1対1シュートであったり、一度だけのメッシの本気ドリブルであったり、観客席をどよめかせるプレーは多数あった。ただゴールに結びつかないのが残念、そんな前半だった。
後半になるとバルサは、前半に楽しみすぎて疲れたか、少しギアを落としてくる。それによってデポルティボは幾分元気を取り戻した。自エリアに押し込まれていたのから解放され、バルサ陣内にボールを持ち込めるようになったのだ。とはいえ、チームロティーナがバルデスを脅かしたかといえば、そんなことはまったくない。彼らの唯一のチャンスは61分、至近距離からリキが左足を振りぬいた場面だったのだが、頼みのシュートは枠の外。その他3本ほどのシュートはビクトルが難なく処理している。
ただ、1点差ではいつ何が起きても不思議ではない。ゲームを落ち着かせるためには、バルサには追加点が必要だった。60分、そして64分にマルケスとペドロのシュートがセルヒオとアランスビアによって弾かれると、バルセロニスタはどことなくそわそわとした雰囲気になっていた。
そんな68分、待望の2点目が生まれた。ゴールの主はペドロ。バルデスからの素早いゴールキックが最前線に放り込まれ、アルベスがそれを追いかける。そのピンチはアランスビアがエリア外に出て蹴り返すことで防いだのだが、こぼれ球を拾ったペドロが技ありの超ロングシュートを放ち、美しい放物線を描いたボールが無人のゴールに吸い込まれていったのだった。あんなキレイな放物線、そうはお目にかかれない!ゴラッソ!
この追加点で、デポルティボの気持ちは折れた。エンパテの可能性もほぼ消滅し、あとはゴレアーダを回避すること、次に少しでもいいイメージを残すことが彼らの目的となった。
流れが少し変われば、ゴールは簡単に生まれる。72分の得点はまさにそんな感じだった。チャビの左コーナーキックを中央のケイタが競り合い、こぼれたところをファーのトゥレ・ヤヤが豪快にぶち込んだのだ。ストレスも吹き飛ぶような、強烈なシュートだった。
これにてゲームは決まった。あとは上手にデポルティボをいなしながら、ボールをホイホイと展開し、チャンスがあれば相手エリアへと攻め込む。そうして試合終了の笛はなり、ペップチームは危なげなくクラシコ後の大事な試合をモノにした。これでまたひとつ、残り試合をクリア。タイトルに一歩前進だ。
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