コンディション不十分のスペイン代表選手たちを、ごっそりと欠いた試合。後半に体力は底をつき、セビージャに逆転を喫した。
先発メンバーは、非常に厳しい顔ぶれとなっている。トップチーム選手は8人を数えたものの、要所となるポジションを任されたのはそれぞれにBチームの選手たち。ポルテーロ、セントラル、ピボッテ、インテリオールのそれぞれをミーニョ、セルジ・ゴメス、ロメウ、ジョナタン・ドスサントスらが務めることになったのだ。
それでも“ベイビーバルサ”はゲームをコントロールすべく、セビージャに挑んでいった。序盤の流れは、両チームを行ったり来たり。ただ、ゴールチャンスには双方とも至っていない。この試合最初のビッグチャンスは16分。イブラヒモビッチからのスルーパスに反応したボージャンが、あわやのシュートを放っているのだ。だがこれはパロップの守りによって弾かれた。その直後、今度はミーニョがナバスのシュートを跳ね返している。
先制点はバルサだった。20分、カウンターによる攻撃。マクスウェルからのスペースへの絶妙のボールに、イブラヒモビッチが滑り込むようにして合わせての得点だった。
このゴールによって、若い選手たちは落ち着きを得た。33分にはジョナタンが上手くボールを奪い、即座にマクスウェルへとパスを送り込んでいるのだが、マックスのシュートは惜しくも枠を捉えなかった。その後ハーフタイムまで、疲れの見え始めたバルサはスローダウンしながらも、どうにか時間をやり過ごした。
そして後半、主導権を握ったのはセビージャだった。52分にはメッシを登場させたバルサではあったが、まず仕事を余儀なくされたのがミーニョだ。若きポルテーロは53分、レナトの決定的といえるヘディングシュートをパラドンしてみせるのだが、その抵抗も長くは続かない。時計の針が進むにつれ、セビージャの勢いは増していった。同点は時間の問題、皆がそう感じていた。
サンチェス・ピスファンが最初の歓喜の声をあげたのは62分だ。途中出場のシガリーニからの絶妙のパスを受けたルイス・ファビアーノが、守備ラインを突破しての同点弾。増す一方のセビージャの勢いをバルサに止める術はなく、さらなる猛攻にペップチームはさらされていくことになる。
バルサはすでにガス欠状態だった。中盤にチアゴを送り込むも、ボールを取り戻す助けとはならず。対するセビージャ・アルバレス監督はここでカヌーテ、ネグレドといった恐ろしい選手たちを登場させ、支配をさらに強固なものとしていった。この采配は見事的中。73分には右サイドを突破したネグレドのクロスに、カヌーテが合わせて逆転(2-1)。カヌーテは82分にも余裕しゃくしゃくのヘディングにより、バルサにとって重たい3点目をぶちこんでいる。
グアルディオラが行った3人目の交代も、やや不可解なもので(ミリート→アドリアーノ。アビダルがセンターへ)、バルサからはどうにか1点を返そうという気持ちは見えたのだが、身体がそれについていかなかった。かくして敵地での第1戦を3-1で落とし、ペップバルサは1週間後、カンプノウでの第2戦に逆転優勝への望みをかける。補強論議にも、花を咲かせるであろう敗戦だった。
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