チーム力の差が出た勝利ではあったが、ここ最近と同じく"もっと大差で勝ててたはず"と思う試合でもあった。ゴール運のなさは相変わらずの重症だ。
コペンハーゲンというゲーム開始時点でのD組首位チームと対戦するにあたり、ベストは一気に相手のプランを崩し、気持ちを挫いてしまうことだ。よってバルサはキックオフ直後から、ギアをグイッと上げていく。各ライン間での休む間を与えぬプレッシャー。このところ、序盤に眠っているような試合が続いていたので、この入り方はなかなか良かった。
引きこもり対策として、今回ペップはチームにまたちょっとした修正を加えている。ビジャとメッシを前線に置き、中盤を厚めにした4-4-2的システムの採用。イニエスタを経由してボールはよく動き、4分にはビジャ恒例となったクロスバー弾かれシュートも登場している。11分、マクスウェルの至近距離からの左アウトサイドでのシュートも惜しかった。
そして均衡を破ったのはやはりクラック・メッシだった。メッシは17分、イニエスタ→アルベスとつないだ後のヘディングシュートはGKビラントに防がれはしたものの、その2分後、ならばと今度は強烈なミドルシュートをゴール左角へズドン!!イニエスタにマークが引き付けられたところを見逃さず、鋭く左足を振り抜いてのシュートだった。
比較的早い時間に1-0としたことで、スタジアムにはゴレアーダの予感も漂った。しかしそうはならないのが、現在のバルサさんなのである。23分にはマクスウェルの惜しいシュートがあったし、ビジャもまた32分に目の覚めるようなダイレクトシュートを放っているのだが、ゴールはならず。その直前の31分には一度ネットを揺らしたビジャではあったが、これもオフサイドで無効となった。
バルサはこの試合、その他にも11分と38分にメッシのゴールがオフサイドで無効に。ほんのわずかではあるのだが、追加点が遠いのだ。
後半に入ると、ガス欠になったのだろうか、バルサの運動量は明らかに低下する。パスをもらう動きが乏しく、ボールがつながらない。かといってコペンハーゲンのプレーが輝かしくなったわけではないのだが、バルサの低下に伴い、相対的に彼らがバルサエリアに接近する場面は増えた。コペンハーゲンがもっともゴールに迫ったのは67分、ヌドエのシュートがクロスバーを直撃し、そのこぼれ球をサンティンが無人のゴールへ転がし損なった場面である。この試合ではサンティンがいまひとつ精彩を欠いたことが、バルサにとっては幸運だった。
その後、ゲームはどちらにつくでもなく、ふわふわとオープンな展開となる。72分、局面を打開するべく送り込まれたチャビとペドロも特に劇的な変化を起こすことはできず、なんとなく時間は進行。チャビと交代する直前のビジャの超至近距離弾もGKビラントにより止められ、結局スコアはそのまま動くことなく、ゲーム最終盤を迎えるのである。
待望の追加点は終了間際になってようやく訪れた。88分、アルベスのシュートは左ポストに嫌われはしたものの、92分、ショートコーナーからの一連のプレーによってメッシがこの日の2点目をゲット。メッシ自身のシュートがデフェンサに当たり、こぼれ球を拾ったアビダルによるぼてぼてセンタリング(シュート失敗?)を正面のメッシが押し込んでのゴールだった。最後の時間帯、コペンハーゲンはどうも注意散漫になっていた。
というわけで苦労はしたものの、勝つしかないカサのゲームで勝利を収め、バルサはグループDでの首位の座を奪取した。次節コペンハーゲンでの試合でも3ポイントを加えられれば、1/16ファイナル進出はほぼ決定となる。
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