久々に、本当に爽快なバルサのプレーが戻ってきた。このフォームを持続できれるなら、タイトルも期待できそうだ。
近年、カンプノウではセビージャに勝ちまくっているバルサ。そういう相性の良さと、ミッドウィークの主力温存&フィジカル鍛錬が功を奏したのだろう。充電ばっちりとなったバルサが、哀れなチーム・マンサーノを木っ端微塵に打ち砕いた。ポルテーロがパロップであろうとなかろうと、セビージャはバルサ、メッシ、ビジャにとってのお得意様である。
グアルディオラはこの試合、ビジャを右方面で起用することで見るものをまず驚かせている。ビジャとメッシが中央へ寄った時は、空いたスペースにアルベスが上がってくるという寸法だ。
バルサはキックオフ直後からギアをトップに入れ、アクセルをグッと踏み込んでセビージャ陣内に押し寄せている。1分と経たないうちにチャビのミドルにて警告を発すると、4分には波状攻撃の仕上げとして、ゴール前密集地帯のメッシがねじ込んで先制に成功。まず守備を意識するセビージャの出鼻を挫いた。
リードをしたことでギアを落とすのがバルサの悪い癖だったが、この試合ではそれもなし。ペップチームはむしろ勢いを強めてセビージャを攻め立てた。チャビとイニエスタが中盤で自在にボールを操り、アウベスとペドロがサイドでアクセントを作る。セビージャの危険人物ペロッティは封印され、ルイス・ファビアーノは前線で孤立した。
そして23分、ついにはビジャの呪いが解ける瞬間が訪れた。メッシからのパスを受けて右へと流れ、そこからエリア内へと切れ込んでの左足でのシュート!ボールは完全なるコースを描き、ファー側のサイドネットに突き刺さったのだった。代役GKハビ・バラス、どうすることもできず。
2-0となったことで、セビージャの心は折れる。バルサのゲーム支配は揺るぎないものとなり、バルデスがその手でボールを掴む機会は1度しか訪れなかった。勝負が事実上、決着したのはハーフタイム直前の45分、2枚目の黄紙によってコンコが退場となった瞬間だ。
後半も前半と同様、バルサの一方的支配は続いた。ハーフタイムを機にがたっと調子を落とし、相手に反撃を許すこともなし。過去の教訓は活かされている。
セビージャはペロッティとファビアーノを下げ、守備的選手を送り込むことで、さらなる悲劇を防ごうとしたのだが、その願いも52分のアルベスのゴールによって無残に砕かれる。ロマリックがGKへと軽率に送り込んだヘディング浮き球バックパスを見逃さず、フライングダッチマンのごとくジャンピングシュートを決めたアルベス・・・なんてゴールを入れるんだろうか、このラテラルは。元セビージャ選手として、ダニはこの得点を祝おうとはしなかった。
3点差をつけても、バルサは攻勢を緩めない。4点目は63分、グラウンドのほぼ中央で相手を弾き飛ばすようにボールを奪ったメッシがそのままドリブルを仕掛け、エリア際正面まできた瞬間、シュートコースが開いたところへボールを流し込んだのだ。えげつないクラックである。
お祭りのフィナーレはビジャだった。79分、メッシからのスルーパスを受けた後のシュートはポスト横にいたダボによってクリアされた彼だったが、90分のチャンスは逃さなかった。デフェンサたち3人を引き連れながらも、ゴール正面から右ポスト際へとズバッと一発決めたビジャ。最後の瞬間までゴールを貪欲に狙うその姿勢は素晴らしいの一言だ。
ペップが試合後の会見で言っているように、このセビージャ戦でバルサは見失っていたものの多くを再び見つけ出し、取り戻すことができた。いよいよ最高のバルサが甦ったか。次のコペンハーゲン戦にも期待したい。
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