1/8ファイナルに向けて、ちょっとばかし前進。パッとしないバルサと、地元でやる気満々のコペンハーゲンと。エンパテはまあ妥当な結果。
先週末のセビージャ戦にて、ポストの呪いは快勝されたかと勝手に期待していたのだが、実はそうでないことがあっさりと判明した。バルサはこのゲームで、ポストを3回叩いている。21分のビジャ弾、31分のメッシ弾、そして92分のペドロ弾。このうち、メッシだけがネット側にボールが跳ねるのはご愛嬌だろうか。勢いをそのまま表しているようだ。
コペンハーゲンは序盤から、気合がみなぎっていた。ゲーム開始の笛が鳴るや、いきなりギアをトップに入れてバルサのボールへと圧力をかける。前日会見でのグアルディオラの予言どおり、ゲームは非常にタフなものとなった。1分にプジョルが肘打ちによってノックアウトされたのも、その一例だ。3分にはクラウデミルのミドルシュートがゴール左角のポストを直撃。しんどいゲームになるとの予感は確信になった。
10分、ペナルティエリアから飛び出したバルデスが空中でヌドイエと接触し(膝蹴りを食らわせ)た場面で、なんのお咎めも受けなかったのは幸運といえよう。赤紙が出されていても文句は言えないプレーだった。
コペンハーゲンのプレスに窒息気味だったバルサがようやく相手ゴールに迫ったのは、20分を過ぎてからだった。一つ一つのプレーに精度がなく、ポジションも悪く、アイディアもない。セビージャ戦で取り戻したはずの中盤も機能せず、まあ残念な内容である。最初の決定機は21分、イニエスタからの絶妙なスルーパスを受けたビジャがエリア内に走りこみ、シュート。しかしまたもやボールはポストに弾かれ、「またかいな!」とクレ一同を悶絶させるのだった。27分のブスケツの決定機も、GKビランドの好守に阻まれゴールならず。
だがこのところゴール運がつきまくっているメッシだけは、大きな仕事をしてしまうからすごいもんだ。31分、ケイタからのパスを受けたビジャがエリアに切れ込もうとして失敗するも、そのこぼれ球がちょうどメッシの前に行き、クラックは失敗することなくこれを押し込んで見せるのである。右足のシュートってのも気が利いている。
しかし喜びはそう長くも続かない。一瞬といってもいいだろう。わずか1分後、バルサはグロンケアに左サイドの突破を許し、センタリングをバルデスが弾いたところを、ファーサイドで待ち構えていたクラウデミルにダイレクトで蹴り込まれて1-1。このあまりにも早い同点弾がゲームに及ぼした影響は大きい。
一進一退というか、落ち着きのないゲーム展開は後半になっても続いた。さすがのコペンハーゲンも動きに疲れは見え隠れしていたものの、勝ちたいという気持ちが身体を支えていた。ただ守るだけではなく、ボールを得れば果敢にバルサ陣内へと迫ってくるデンマーク王者。クレが肝を冷やしたのは73分、ヌドイエのヘディングシュートがゴールネットを揺らした瞬間である。だがこれは直前にアビダルへのファールがあったとして、無効とされている。
パッとしなかったバルサはどうにかコペンハーゲンの攻撃に持ち堪え、そして最後に決定的チャンスを手にしている。プレーの主は79分にビジャに代わって途中出場をしていたペドロ。彼のシュートは、決まっていればベストゴールにも数えられるほどに美しかった。だが今季はゴールに見放されているペドロであるゆえ、ボールはまたしてもポストに弾き返される。これはもう笑うしかない。
というわけで、ゲームは1-1で終了。手土産にする予定だった1/8ファイナルへの切符は次以降に持ち越しとなり、バルサは3週間後、クラシコ直前のパナシナイコス戦(INアテネ)で頑張らなければならなくなってしまった。世の中、そう思い通りにはいかない。
|