いつも苦しいアルフォンソ・ペレスで、快勝といえる好プレー。特に前半はヘタフェを圧倒していた。
3日前にこの同じ舞台でシュツットガルトに0-3と完敗を喫したヘタフェは、心身のダメージが癒えてないのか、元気のない様子だった。最初の数分こそ青シャツの頑張りも見られたが、その後は一方的にマンゴー色バルサのペース。この日はビジャの動きがよく、4分にはイニエスタのスルーパスを受け、決定機を手にしている(シュートは高く枠の外)。
時の経過にしたがってバルサは伸び伸びとプレーできるようになり、右サイドのアルベスとペドロ、そしてメッシの関係性も良好だった。先制点は23分。メッシを起点としたボールがアルベスを経由してエリア内中央のビジャに送られ、ビジャは粘ってディフェンスの注意を自らに引き付ける。そして絶妙のタイミングで右に走りこんだメッシへと、これまた絶妙なパスが送られ、クラックは事もなくこれを右ポスト横にねじ込むのである。
リードを奪い、ゲームは俄然バルサのペースとなった。28分にはGKコディーナの右足パラドンが炸裂したものの、メッシからのパスをもらったビジャによる決定的シュートがあり、32分にはオフサイドで無効となったものの、ペドロとメッシでネットも揺らした。そして34分、今度は本当にバルサに追加点が訪れる。1点目と役割を交換した、今度はメッシの絶妙スルーを受けてのビジャのゴールだった。
さらに前半終了間際、メッシが追加点のチャンスを手にするのだが、スコアは動かず0-2でハーフタイムを迎えている。
後半に入り、ヘタフェは思い切って前へと出てくるのだが、ゲームは変わらずグアルディオラのチームが支配していた。ちなみにヘタフェのこの試合最初の枠内シュートは、52分のマヌによるものである。
バルサは2点のリードで安心することなく、3点目のゴールを目指していた。すると64分、おそらくはコディーナへとバックパスを送ろうとしたであろうカタ・ディアスからメッシがボールをカットし、横に少し流れたボールを詰めてきたペドロが拾ってゴチソウサマ。スコアは0-3となり、ゲームは事実上決着した。
しかしゲームでは何が起こるか分からないもので、68分にエリア内でボールをクリアしようとしたピケがハンドを犯したとして、2枚目の黄紙で退場に。息を吹き返したヘタフェの前に、数的に不利なバルサは一時押し込まれるようになり、ゲームはドタバタした展開となった。この数分間は、両チーム共にゴールチャンスあり。バルサ最大のピンチは78分、アリスメンディのヘッド弾だ。しかしこれはなんとマクスウェルがほぼライン上から頭でクリアし、事なきを得ている。
ヘタフェのイケイケタイムは、およそ10分にて閉幕した。80分、今度はボアテングが2枚目のイエローカードを受けて退場に。その後はメッシに何度かチャンスはあったのだが、コディーナを攻略するには至らず、試合はそのまま1-3で終了している。王者バルサの順当なる勝利。ビジャ、マスチェラーノら新顔選手たちが着実にチームに同化している、と感じられたゲームでもあった。
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