問題なくパナシナイコスを下し、目標であった1/8ファイナルへの切符を確保。クラシコに向けても弾みをつけた。
グループリーグ突破自体は、2時間前にキックオフとなっていたルビン対コペンハーゲンの結果(1-0)から、バルサがピッチへと出る前に決まっていた。しかし自分で勝たねば、1位の座は確定しない。ペップチームの目指すもの、それは勝利以外にはなかった。
前日の宣言どおり、グアルディオラは先発にベストメンバーを起用している。マスチェラーノが週末のリーガに続いて先発となり、アドリアーノが左ラテラルに入ったことだけがサプライズだった。だがしかし、このふたりは実に良いパフォーマンスで監督の信頼に応えている。特に好印象だったのが、バルサではこれがヨーロッパ戦初出場となるアドリアーノだ。卒なく守備をこなすだけでなく積極的に攻撃にも参加し、25分、52分、68分と強烈なシュートを披露。これらはGKツォルバスの好守に阻まれたが、メッシの0-2アシストはばっちり決めている。
ゲームは序盤からバルサが主導権を握っていたが、最初に決定機を手にしたのはパナシナイコスだった。最終ラインの背後を取られ、シセとバルデスが1対1に。半分は失点を覚悟しなければならないこの局面で、我らが守護神は"神の手"によってシュートを弾き出してみせた。ネットを揺らされていれば、試合は非常にややこしくなっていたこと間違いなし。バルデスがまず、チームを救った。
するとその6分後、バルサは先制に成功する。シセのシュートがバルサに気合を注入したともいえるだろう。右コーナーからのボールは一度デフェンサに弾かれるのだが、これを拾ったアルベスがペドロとの絶妙なパス交換から、これまた絶妙なスルーパスを供給。走り込んだペドロが、ズバッとクロスシュートを突き刺すのである。お見事なり、の1点だった。
43分、45分と変態的なドリブル突破によってスタジアムを沸かせていたメッシだが、前半の彼にゴールは生まれなかった。しかし好調クラックが大人しくゲームを終えるはずもなく、62分、彼はまたもシュートを沈めてしまうのである。
それは、「これぞバルサだ!」という流麗なるパス展開から生まれた、実に美しい得点だった。メッシが起点となり、アルベス、チャビ、イニエスタとめまぐるしく展開していくボール。そして最後は左から侵入したアドリアーノが完璧なるパスを中央に送り、メッシがこれを仕上げたのだ。
前半に0-1となってからも、統率の取れた守備によってバルサの攻撃を耐え忍んでいたパナシナイコスだったが、0-2とされたことのダメージは大きいようだった。そしてそこを見逃さず、止めを刺しにいくバルサ。3点目が訪れたのは69分のことだ。
今度はショートコーナーをきっかけとし、左コーナー付近のイニエスタと後方のアルベスが非常に大きなパス交換を行う。アルベスからの浮き球スルーパスにドン・アンドレスが走りこみ、ライン際から詰めてきたペドロへと絶妙の落とし。あとはもう、障害物なきゴールに向け、ペドロは思い切りよくシュートを蹴り込むだけだった。
0-3となり、勝負の行方は決まった。直後、グアルディオラはチャビとピケをベンチへと下げ、ケイタとアビダルでゲームを締めにかかる。75分には久々の出場で脚にきていたアドリアーノを休ませ、マクスウェルを送り込んだ。その後、乱入者があったり、ロケット花火が打ち込まれたりというアクシデントはあったが、ゲーム自体にサプライズはなく終了。さあいよいよ、次はマドリー戦だ。
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