機能しまくるチーム、ぼんぼん入るゴール。大ゴレアーダが普通になった感のあるバルサ。マニータもこれで早くも今季5回目である。
先発メンバーは若干、次節のペリコ戦を意識したものと感じられた。カード累積4枚のピケではなくアビダルをセンターに配置し、ピボッテもブスケツではなくマスチェラーノだったからである。バルサのパスワークに重要な役割を担う2人の不在。だがそんなものも、今のこのチームには関係なかった。
バルサは序盤、レアル・ソシエダの勇敢かつ大胆ともいえる戦術に苦労することになる。後の事など気にするか、とばかりに前に出てくるラ・レアル。バルサは思うようにボールを展開させることができなかった。だがそういった苦労も5分にビジャが最初のシュートを放ち、8分にネットを揺らすまでのことだった。チャビからボールを受けたメッシが、一気にスピードを上げるスルーパスをエリア内へと送り込む。ペドロが抜け出し、右から致命的なボールを供給。あとは中央のビジャが難なく合わせるだけだった。
このバルサにリードを奪われながらも、勇敢にプレスをかけようとしたレアル・ソシエダを称えたい。しかし残念ながら、フットボルマシーンと化している今のペップチームを、彼らが止めることは出来なかった。するりとマークを外し、しれっとパスを通し、ここはと思えばドリブルを仕掛け、中央からもサイドからもがんがんエリア内を脅かすバルサ。今の彼らに、決定機をひとつ逃すことなど大した問題ではない。次はすぐ後にやってくるのだ。
追加点は32分だった。ボールをこれでもかとつなぎまくった結果、最後はアルベス、イニエスタ、ペドロときて再びイニエスタ!勝負どころと見るや、ズバッとエリア内へ突入するドン・アンドレスもさすがなら、ヒールで美しく落とすペドロもさすが。もちろん、ニアに突き刺した最後のシュートもお見事だ。
だがこのゲームでは、さらに強烈なゴールが用意されていた。ハーフタイム直後の46分。右からこのプレーを開始したメッシが、アルベスと実に4度もの壁パス交換を行い、するりするりとレアル・ソシエダの防御網を突破。ピン・ポン・パン!でシュートを沈めてしまうのである。たった2人で網を破られては、もうどうしようもあるまい。
3-0となり、勝負はもはや完全に決した。前半に走ったことで体力を消耗していたことに加え、後半いきなりゴラッソをぶち込まれては、若いラ・レアルに反撃を仕掛ける元気はない。バルサは気を抜くではなくギアを落とし、ボールをコントロールしつつも、隙あれば追加点を入れますよモードへとシフトしていた。この試合、レアル・ソシエダのシュートは前後半それぞれに1本ずつ。チャンスと呼べるものは、1つとして作り出していない。
77分にポスト直撃弾でスタジアムを沸かせたメッシが、尻すぼみになっていたゲームに活気をもたらしたのが86分である。ゲームは終盤、これといった見所もなくなり、観客はタムードへのブーイングに精を出している状況だった。そこへきてレオが、実にレオ的なゴールを叩き込む。エリア右からドリブルを開始したメッシはそのまま、ラ・レアルのデフェンサを引きずりながら左へと移動していき、最後は頃合いを見計らって右ポスト脇へズバッとゴーーール。なんなんでしょう、この人は。本当に。
だが、フィエスタはこれでは終わらなかった。ケーキに最後のイチゴを乗っけたのは、途中出場でゴールに燃えるボージャンだ。相手陣内でボールをカットすると、そのまま勢いよくドリブル開始。最初に放ったシュートはGKブラボに弾かれるのだが、こぼれ球を拾った9番が2度目をしくじることはなかった。思い切り良く放たれたシュートが、実に清々しいゴールだった。
ということで、レアル・マドリー戦に続いてレアル・ソシエダ戦も、カンプノウはマニータ達成に沸くことになった。次はコルネージャで7戦全勝と"恐怖"のエスパニョール戦だが、この調子での気持ちよい勝利を期待したい。
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