二回目の訪問にして、コルネージャ初勝利。しかもどえらい結果で。ペリコのカサでバルサが5点を挙げたのは、これが史上初らしい。
カサで最強のチームと、フエラで最強チームの激突となった今回のデルビー・バルセロネス。接戦が予想されたが、ふたを開けてみると最強のフエラ矛がエスパニョールの盾を木っ端微塵んこに砕いてしまった。このバルサ、どこまでファンの期待を上回っていくのか。
コルネージャのファンに後押しされたエスパニョールは、バルサのフットボルを抑えるべく前向きな方法論できた。ラインを高く上げ、前線からのプレスによってバルサを圧殺する作戦。これにバルサは、しばしボールを回せずにいた。しかしバルサの圧力とパス回しをかいくぐれるチームはそうは存在しない。ペップチームは徐々に、ペリコの網をくぐり抜けていった。
ラインを高く保ったエスパニョールだが、後方でのパスには危なっかしさがあった。甘いパスを狙い、奪っては決定機を作るメッシとアルベス。そして18分、カウンターから先制ゴールが生まれる。ブスケツからのロングパスがペドロへと送られ、1度メッシに落としてから絶妙のスルーパス返し。ペドロが抜け出し、カメニとの1対1にきっちりと勝利した(0-1)。
早い時間帯にリードを得たことで、バルサは自信をもってパスを展開していく。そして相手の反撃の芽を潰すため、更なるゴールを狙った。ハーフタイムまでに相手を消沈させる。その目標が達成されたのは30分だ。1点目と同じくカウンターによるゴールだが、こちらは合計で5人の選手が絡んでいてバルサ的。最後は角度のない位置からチャビがダイレクトに叩き込んだ(0-2)。
試合のポイントになったのは、35分のバルデスのパラドンだ。速攻からカジェホンが抜け出し、バルデスと1対1の場面を作り出す。大方失点を覚悟するパターンだが、守護神の右手はそのシュートを弾き出した。素晴らしき哉、我らが門番。
後半もゲームはバルサが主導権を握って進行していく。前半よりはやや抑え目に、前に出てこざるを得ないエスパニョールの裏を狙う作戦をバルサは採っていた。3点目が訪れたのは60分のことだ。メッシがドリブルで持ち上がり、中央へ切れ込む得意の形から地を這うミドルシュート。これをカメニが弾き、しっかりと詰めていたペドロが押し込んだ(0-3)。
勝負は決まったかに思えたが、ここで盛り上がりタイムが訪れる。62分、好調オスバルドにライン裏へと抜け出され、プジョルの猛追も及ばず、ついにネットを揺らされてしまうのである。1-3。バルサ優位の図式に変わりはなかったが、少々バルサ選手たちはこれに影響を受けた。若干ながら、ドタバタとしたゲームになるのである。このあたり、ペリコにも追加点のチャンスはあった。
しかしその後、ピケの豪快な天井シュートなども挿みつつ、ビジャのフィエスタ締めくくりタイムがやってくる。75分、84分と、よく似た形でビジャがネットを揺らすのだ。いずれもエスパニョールの最終ライン後ろの広大なスペースがターゲット。ここへビジャがするっと抜け出し、最初はメッシ、続いてはイニエスタからのスルーパスを受けてシュートを沈めるという図式だ。ビジャはこの手のシュートが本当に決まるようになった。ポストを毎回叩いていたあの頃は、もう遠い昔だ。
これにてまたまた、マニータ完成。マドリー、レアル・ソシエダ、そしてエスパニョール。3週間で3度もマニータとは、なんとも豪勢な話である。さらなる大量点(6点目は通称"セット")も十分に実現していたところだったが、今回は"惜しくも5点どまり"。いや〜、こんなに毎週末ファンを楽しませ、驚かせてくれるとは、なんて素晴らしいチームだろうか。強すぎるのが怖い、なんて言ったらよそから怒られそうだ。
16試合で43ポイント獲得、リーガ10連勝、フエラ開幕8連勝・・・えぐいです。えぐすぎます皆さん。どこまで伸びていくのか、この連勝街道。止まる要素が見つからない、とすら思えてくる今日この頃。
また、この試合の86分、イニエスタの交代時のスタンディングオベーション&イニエスタコールは素晴らしかった。ペリコからこんな扱いを受けるバルサ選手は、後にも先にもドンくらいだろう。人柄もクラックである彼への最大級の賛辞だ。
|