バルサの勢いはリアソールをもってしても止められない。ローテーションを採用しても、さすがの強さでしっかり勝って、リーガ前半戦フエラ全勝。
国王杯で生き残るかぎり、1月はバルサにとって非常に過密な日程となる。試合前日に「全員にチャンスがある」と明言したとおり、グアルディオラはこのデポルティボ戦にアルベス、チャビ、ブスケツといった主力級を休ませてきた。ケイタ、マスチェラーノの出番である。
ゲームはいつもと同じく、バルサがボールを支配し始まっている。デポルはドン引きではないにせよ、守ってカウンターの機会を窺う戦術。バルサは8割に迫る支配率で、ボールを回した。しかしシュートの場面はなかなかに訪れず、最初のまともなシュートは26分のビジャの先制ゴールだった(はずだ)。
それまでラストパスに精度を欠いていたバルサだったが、この瞬間のメッシのアシストは完璧だった。ビジャの抜け出しも完璧で、最後の角度のない位置からのニアへのGKアランスビアの股抜きシュートも完璧。お見事というしかない、ビジャにとってのプリメーラ通算150ゴールだった。
最も困難な先制点を手に入れたことで、バルサは落ち着きを得た。37分には、幻のアビダル弾も登場。先日のサン・マメスでのゴールと同様、実に美しい得点だったのだが、その攻め上がりがあまりにも怒涛だったため、オフサイドとなったのが残念だ。アビ、まだまだ絶好調なり。
前半は1度しか決定機を作り出せなかったバルサだったが、後半はこれ以上ない形でスタートを切っている。51分にメッシの追加点が決まり、勝敗が事実上決したのだ。きっかけはメッシによる前線でのボールカットだった。一気にドリブル突破を仕掛けるクラックをルベン・ペレスがカード覚悟で引っ張り倒し、手にしたフリーキックをメッシ本人が叩き込んだのだ。若干距離のある位置からのシュートだったが、ボールは壁を巻き、完全なカーブ軌道でゴール左にずどん。アランスビアはボールが外れると思ったのだろう。ほぼ動くことなく、シュートを見送っている。
このバルサを相手に0-2となっては、奇跡以外にポイントを獲る手立てはない。リアソールの観客たちはデポルティボに声援を送りつつも、メッシやイニエスタのスーパープレーに拍手を送っていた。実際、デポルはバルサから1点をもぎ取るための、果敢な攻めは見せていない。
バルサのボール支配はさらに強固なものとなり、終盤のフィエスタへと向かっていく。2つの追加点が入ったのは、デポルが若干ながら前に出た残り10分あたりだ。まずは79分、デランテロのごとく前線でボールをキープしたピケから右にいたイニエスタへとボールが展開され、ドンはそのままメッシのごとく、中央へ切れ込んで左足を一閃。左ポスト横へとシュートを突き刺している。
さらにその1分後、今度はカウンターからメッシが突破を仕掛け、彼は待ち受けたセントラルの体当たりによって止められるのだが、そのこぼれ球を併走していたペドロが冷静にバセリーナで放り込んで0-4。実はここまで、バルサの枠内シュートは4本だった。それで4得点。素晴らしき効率性の良さである。
この試合、アランスビアが最初のセーブを行ったのは88分、メッシのシュートを弾いた場面だったらしい。バルサにとって5本目の枠内シュートだった。そして試合終了直前のロスタイム、今度はバルデスがアドリアンの1対1からのシュートをパラドン。この場面で集中を失うことなく、難しいシュートを防いだ守護神に乾杯だ。
こうしてバルサの新たなるリサイタルは0-4で終了。困難と思われるミッションでも、次々とクリアしてしまうこのチームはどこまでいってしまうのだろうか。リズムを落としてこれだから、恐ろしい。
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