過密スケジュールとなっている1月の、バロンデオロ授与式から2日後の、セグンダに所属するベティスをカンプノウに迎えてのコパ1/4ファイナル。アプローチの仕方は幾つかあるが、グアルディオラのとった決断はここで一気に勝負を決める、というものだった。
よってミスターはこの試合の先発に、フルメンバーを送り込んでいる。いかにもコパだね、というのはポルテーロのピントのみだった。
ゲームは序盤より、激しいテンポで進んでいる。前日にペップが指摘していたとおり、ベティスはセグンダでプレーしているものの、実力はプリメーラクラス。しかもかなりの強敵だった。彼らは試合を捨てることなく、がっちり守って一発のチャンスに託すことなく、バルサ相手に堂々と渡り合ってきたのである。結果、前半は両チームともにチャンスのある、出入りの激しい展開となった。
バルサにとって厄介だったのは、この日はベティコの守護神カストが特に前半、乗っていたことである。24分にはメッシが、29分にはビジャが、それぞれカストのパラドンによってゴールを阻止された。一方でバルサの守護神も負けてはおらず、37分にモリーナのヘッドをばっちり弾き出している。
オープンな展開となったこの試合で、先制点を決めたのはやはりというかメッシだった。前半も終了しようかという44分、カウンターからイニエスタのパスを受け、カストが前に出ているのを見極めたうえで、その頭上を越してみせるバセリーナ。ボールがネットに吸い込まれるまでの、あのスタジアムの歓声が耳に心地よい。
ハーフタイム直前、ルベン・カストロのシュートがクロスバーを叩くというドッキリもあったが、バルサは1点のリードをもって後半を迎えた。セカンドハーフ、まず輝きを放ったのはピントだった。48分と60分、守護神は好守によってルベン・カストロのシュートを防いでいる。
そして62分、決定力の違いを見せつけたのがレオ・メッシだ。ビジャからの縦パスを受けてエリア内に突入し、1本目のシュートはカストによって止められたものの、そのこぼれ球をすかさず拾ってゴール右隅に流し込んだクラック。これだけでは飽きたりない彼は、72分にも同様の流れから3点目を叩き込んでいる。今度はチャビのスルーパスによってライン裏へ抜け出し、カストとの1対1に勝利しての得点だった。
3-0となったことで、さすがのベティスも勝負への気合を失った。その落胆を見逃さず、しっかりと大フィエスタへともっていくのが今季のバルサだ。メッシがハットトリックを達成したわずか2分後、今度はペドロがネットを揺らして4点目。アルベスがエリア内で粘り、後ろへ戻したボールを思い切り叩いてのゴールだった。
さらに82分には、イニエスタがゴールライン上からホイッと浮かせたセンタリングを、ゴール前で待ち構えていたケイタが悠々と頭で押し込んで5-0。今季7回目(!)のマニータとなった。
この圧勝により、バルサはグアルディオラの目論見どおり(それ以上?)に第1戦で勝負を決着させることに成功した。準決勝への切符は、半分以上はバルサのものに。バロンデオロを祝う、良い勝利だった。
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