どんな試合でも、全力プレーで好結果。リーガ前半戦を締めくくるマラガ戦も、いつもと変わらぬスペクタクルなバルサがカンプノウを魅了した。
ゲームはまず、しぶとく2位を追っていたレアル・マドリーが19位のアルメリア相手に引き分ける(1-1)という素敵なニュースと共に始まっている。この時点で冬のカンペオンは確定。あとはしっかりと彼らとの差を広げることが、ペップチームの任務となった。
数年前であれば、ここでお付き合いをするのがバルサだったりもしたのだが、グアルディオラに率いられたチームにそんなエラーはない。相手が伝統的に苦手とするペジェグリーニ率いるチームであろうとも、きっちりと踏み潰す。いや、謎の大投資によってデミチェリス、バティスタ、マレスカ、カマーチョらを補強したとはいえ、急ごしらえチームではバルサに敵うはずもないのだ。
モウリーニョがどういう言い訳をしようかと思案し、審判のせいにしようと思い立ったであろう時、バルサ選手たちはまたも美しいフットボルを展開し、早々に先制点を奪ってみせた。アルベスが右サイドでためを作り、中央エリア際へとボールを送り込んだところを、待ち構えていたイニエスタがダイレクトに右足でズドン!ポストをかすめながらネットに突き刺さる、実に心地よいゴールだった(7分)。
先制したバルサはもう、そこらのチームでは手がつけられない。恐るべきスピードで展開していくパスをマラガはただ追いかけるしか出来ず、バルサは圧倒的に試合を支配した。16分にはチャビのクロスバー直撃弾があり、直後の17分にはビジャの追加点。ブスケツが相手エリア前でボールをカットし、チャビがこぼれ球をはたくと、異次元メッシが斜めスルーパスを供給し、GKアセンホと1対1となったビジャが、股を抜くシュートで仕上げたのである。
バルサはその後、25分のアルベスの負傷交代によって一時的にリズムを落とすのだが、それが長引くことはなく、35分には3点目を決めてトドメをさす。アシスト仕事人を化したメッシから美しく完璧なスルーパスが繰り出され、抜け出したイニエスタの1対1シュートはアセンホに弾かれたものの、点取屋の嗅覚で詰めていたペドロが、これをきっちり流し込んだのだ。
前半終了間際、メッシは自らも2度のゴールチャンスを手にしたのだが、この日の彼はゴール運には恵まれていなかった。しかしゴールがなければ、アシストがある。プレーに幅を手にしたメッシは、確実に一つレベルアップを果たしている。
このところの試合としては珍しく、このマラガ戦ではバルサは3-0となったことで、後半に少々ギアを落としている。マラガもしばらくはこれに付き合っていたのだが、ペジェグリーニがエリセウとロンドンの二人のデランテロを投入したことで、彼らはいくらかの反撃を開始。68分にはエリア正面で手に入れたフリーキックを、ドゥダが直接ゴール右に放り込んでいる。
しかしマラガの意地と名誉のゴールによって、バルサもまた目を覚ました。ゴールのお返しをしたのは、失点のフリーキックでジャンプをせず、頭上をゴールに越されたビジャだった。74分、チャビからの裏へのパスへと抜け出し、アセンホをドリブルでかわしてシュートを流し込んだグアッヘ。お見事でありました(4-1)。
勝負はこれで決まったので、あとはカンプノウのファン向けのお楽しみタイムである。このところのお約束のごとく、イブラヒム・アフェライの時間の到来だ。少しずつ、チームに馴染んでいっているようでなによりのイビ。同じく81分に出番となったボージャンにも見せ場が訪れたが、決めきれないのが彼の迷いを表しているようだ。
ゲームはそのまま4-1で終了する。これにてバルサは史上空前の勝点52を獲得し、リーガ前半戦を終了。リーガでの連勝も13に伸ばし、公式戦での連続無敗もクラブ記録を1つ更新し28とした。もうどうにも止まらないバルサ。どこまで突っ走るのか、本当にどえらいチームだ。
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