これまでと変わらぬ強さでラシンを下したバルサは、リーガ後半戦も白星発進。水曜日のコパでの敗北の影響など一切見られず、翌日に試合のあるマドリーにしっかりと圧力をかけた。
お得意様としているラシン・サンタンデールが相手とはいえども、ペップ・グアルディオラは先発にガチンコメンバーを起用してきた。気を緩めることなく、全力でプレーせよ。その指揮官のメッセージは選手たちに伝わり、バルサは開始わずか1分半、相手ゴールネットを揺らすことに成功する。
密集地帯をビジャとの壁パスで突破したメッシが、エリア内左から浮き球のセンタリングを供給、無人のゴールにペドロが胸で押し込んだのである。
先制ゴールを奪ってしまえば、あとはもうバルサのペースで事は運ぶ。16分、ブスケツがロングボールをクリアし損ねたところをローセンボリに利用されピンチを招きはしたものの、ヒヤッとしたシュートはバルデスがきっちりセーブして事なきを得ると、バルサは追加点を得るべく襲撃開始。ラシンが大ゴレアーダを免れたのは、GKトーニョによるところが大きい。
ラシンの守護神は27分、怒涛の波状攻撃によるメッシとプジョルの2本の決定的シュートを止めると、さらには30分のアドリアーノとの1対1、41分のメッシの際どいフリーキックも鋭い反応でセーブ。試合が前半で壊れてしまうのを防いでいる。
だがそんなトーニョでも、さすがにペナルティを止めるのは難しかった。35分、エリア内左でビジャが突破を仕掛けたところを、バルサからレンタル修行中のエンリケが思わず足をかけてファール。主審はペナルティスポットを指差し、メッシがこれを落ち着いて決めた。レオはこのゴールを、翌日が誕生日という母へと捧げている。
前半の最後はラシンへと流れが傾き、44分にはアドリアンが至近距離からフリーで強いヘディングシュートを放つという場面もあったのだが、これもまた我らが門番ビクトルがばしっと右手一本でセーブ。サモーラ賞男の実力を見せている。
後半になるとバルサはギアを数段落とし、"基本はロンド、でも隙あればシュートを狙っていきますよ戦術"へとシフトする。そこで勝負を決着させたのが、いよいよ次のステージへと昇格しようとしているドン・イニエスタである。ビジャが左から中央へと送った横パスをペドロがオシャレ極まりないヒールパスで落とし、待ち構えていたイニエスタが左足を一閃。シュートはデフェンサに当たりながらも、上手くコースを変え右ポスト横へと吸い込まれていった(3-0、55分)。
3点差が付いてしまえば、もうあとは楽しくいくだけだ。カンプノウのスタンドは素晴らしい才能を見せるイニエスタや、ゴールライン際まで全力でボールを追って走ったペドロ、惜しいシュートを放ったメッシのプレーに対し、名前の合唱やウェーブによって応えた。2011年に入っても、バルサフィエスタは継続中なり。
ゲームはそのまま、ラシンには特に見せ場を作らせることもなく、危なげないプレーでバルサが勝利。2005/06シーズンにライカーのチームが樹立していたリーガ14連勝に並び、マドリーが1960年に打ち立てた、リーガ記録の15連勝までもあと1つと迫った。ここまできたら、やるっきゃないでしょ。どこまでも突き進め、2011ペップバルサ!
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