2年ぶりとなる決勝進出は、ほぼ手中に収めた。どうにも止められないメッシ、ビジャ、ペドロの最強トリデンテ。マニータはもはやカンプノウでの恒例行事だ。
どれだけバルセロニスタに夢を与えてくれるチームだろうか。当事者たちは謙虚さを貫いているものの、他のチームでは到底及ばないほどの圧倒的パフォーマンスを、次から次から連発してくれるチームグアルディオラ。これはもう驚嘆に値する。
クラブ史上初となるコパの準決勝を、カンプノウで戦えるとあり、アルメリアはこの試合に勇敢なるアプローチで臨んできた。ここまで彼らはレアル・ソシエダ、マジョルカ、デポルとの6試合に全勝しており、どういう結果になろうとも、自分たちのやり方でいきたいとの思いもあったのだろう。結論として、これはバルサに有利に働く。マドリーとは引き分けられても(1-1)、バルサにはそうはいかない。
勇気を持ってラインを高く上げ、前線からプレスを仕掛けようとするアルメリアに対し、バルサは30分で4-0という離れ業をやってのけた。先制点は9分、メッシによるものだった。右サイドをえぐったペドロからのマイナスのボールをゴール正面で受け、エリア際まで持ち込んだメッシが左足を振りぬくと、ボールはGKエステバンの手を弾きながらもネットへと吸い込まれていく。メッシのシュートは、ゴールになるものなのだ。
アルメリアが事態を整理するヒマもなく、追加点は訪れる。11分、今度は速攻からだ。チャビがボールを持って中央を駆け上がり、左斜め前方のスペースへとボールを流し込む。これを受けたビジャは冷静にデフェンサとポルテーロの位置を見極め、正確かつ鋭いシュートをポスト右へと突き刺した。
さらにバルサは畳み掛ける。15分、再びカウンターから、またもやメッシ。イニエスタから送り込まれたパスを、最初のタッチで完璧なポイントへと置いてしまう卓越した技術。シュートへと持ち込む距離感覚、タイミング、そしてシュートコースのお見事さ・・・要するに、「すごすぎる」のである(3-0)。
メッシ、ビジャとくれば、残るトリデンテの一角、昇竜ペドロだって黙ってはいない。しかもペドロのしては珍しく、セットプレーからの1点だ。30分、エリア右からチャビが送り込んだボールにジャンプ一番、身体をひねりながらも頭で合わせたペドロ。ボールは美しい曲線を描きながら、ゴール左角へと吸い込まれていった。バルサ通算100試合出場を自ら祝うゴールだった。
開始30分にして4-0となったゲームはその後、両チームのポルテーロに見せ場が訪れつつも後半へと入っていく。ハーフタイムを明けても、バルサのゲーム支配に変化はなかった。アクセルをいくぶん緩めたことで、ゲームのリズムは低下するが、バルサはそれでも決定機を数度作り出している。ゴールがなかなか訪れなかったのは、アドリアーノ、マスチェラーノ、ペドロのシュートがエステバンの気合のセーブによって阻まれ、マクスウェルのシュートがポストに弾かれたことによる。
そんななか、ゲームにアクセントを与えたのは66分にビジャと代わってピッチに立ったアフェライと、試合終了直前のゴールによってマニータを完成させ、ケーキにイチゴを乗っけたケイタだった。これがまた綺麗なゴールで、お膳立てをしたのがスーパーメッシだ。ひらりとアルメリア選手をかわすと、彼に意識を奪われることでぽっかりと空いた右のスペースへと、レオはポンと浮き球を放り込む。そこへケイタが猛然と突入し、勢いに乗ったままエステバンとの1対1を制してみせたのだった。
今季、マニータはこれで8度目だというからえぐい。ベティス戦のこともあり、油断はできないものの、これでほぼ決勝進出は間違いないだろう。クラシコ決勝も実現しそうな状況であり、今からもうその4月20日が待ちきれない。白組を下してのタイトル獲得は、さぞ格別の味わいだろう。
|