決勝進出への、手続き完了!気持ち悪いくらい、好循環の流れにチームは入っている。
シーズン終盤の戦いも見据え、ジョゼップ・グアルディオラはこのセミファイナル第2戦に、気持ち良いくらいの控え組を先発起用している。過去の傾向からして、もう少し手堅くいくのでは、との推測もあったが、ふたを開ければ、ふだんよく見る顔は軒並みベンチ観戦。新鮮な面子がピッチに立った。ポジティブなのは、その"代役"たちがみな、良い活躍を見せた点にある。
試合自体になにかの懸かった切迫感はなかったものの、このアルメリア戦にはクレとして十分に楽しめる見所が幾つもあった。まずはこれまでとは異なり、"偽りのセントロ"となったアフェライがノリート、ボージャンと織り成す攻撃プレー。あるいはチャビに代わってタクトを振るったチアゴの才能。仕事人マスチェの掃除っぷり、両ブラジル人ラテラルの攻撃参加、そしてブスケツのセントラル起用なども楽しめるポイントだ。
ゲーム序盤、バルサは真剣にプレーに臨みながらも、そのリズムは決して速いというわけではなかった。そのあたりはさすがに、慣れない面子による手続き試合という影響があったのだろう。だが26分、この試合最初の決定機をアルメリアに作られ、フェグリの強烈な右足が右ポストを叩いてからは、バルサははたと目を覚ました。
バルサ最初のチャンスは29分、カウンターからアフェライがアルメリアゴールを脅かすも、これはGKエステバンの好守に阻まれ得点ならず。しかしその気になったゴールマシーンの前に抵抗するのは困難な作業であり、34分にはこの日最初のゴールが生まれている。決めたのは、アドリアーノ。しかもスピードに乗ったドリブルから、デフェンサをひらりひらりと2人抜いてのゴラッソなんだから驚きだ。さすがはブラジル人、というテクニック。
一矢報いたい、というアルメリアの気持ちもこのゴールでポキリと折れた。彼らは43分、ゴール前の混乱から1点を返すチャンスを得ているのだが、こういう時にはそれも入らないものである。
後半はバルサが悠々とクルージングを行っている。追加点は56分。エリア前でボールを受けたチアゴが右前方のスペースへとボールを送り込み、アルベスが上げたボールをペナルティスポット付近から再びチアゴが上手にヘディング。第1レグでのペドロの得点とよく似た、美しい軌道でのゴールだった(0-2)。
そして3つめのゴールは、お待たせしましたのアフェライだ。試合に出るたびに存在感を増してきているオランダのきらきら星はこの試合でも、フィジカルの強さ、スピード、そしてシュートと持ち味を存分に発揮。66分の得点シーンでは、ゴールライン際からケイタの戻したボールをエリア内右で受けると、思い切り良くその右足を振り抜いた。そしてボールはゴール左端へと一直線。期待の新人のバルサ初ゴールに、ベンチの"重鎮"たちも嬉しそうに拍手を送っていた。
さらにアフェライは72分にも決定機を手にしているのだが、こちらは惜しくもあとわずかというところでシュートが脇に逸れた。ボージャンはこの日もゴール運に恵まれず、76分、83分とまたもやシュートに失敗。彼が入ってしまったトンネルは、どうにも出口が見当たらない。
ゲームは0-3で終了し、合計スコアを8-0としたバルサが文句なく決勝進出を決めた。もう1つの準決勝では、マドリーがどうにかセビージャに勝利。4月20日、21年ぶりのコパ決勝クラシコが現実のものとなった。
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