サラゴサ戦には何故だか強いケイタが、今年も英雄になった試合。チームとしての出来はそこそこながら、しっかりと勝点3を確保したことが大きい。
椎間板ヘルニアによって入院生活を送っているペップだが、この日は病院から出勤してチームの指揮を執った。ボスのこの頑張りには、選手たちも心強かったことだろう。
さてそのペップ、アーセナル戦直前の今回は、分かりやすくローテーションを導入している。アビダル、ブスケツ、イニエスタ(今季リーガでは初の先発外)、ビジャらをベンチに置き、ミリート、ケイタ、ボージャンらに久々の先発機会を与えたのだ。
だからというわけでもないのだが、ゲームはバルサにとって難しい展開となった。選手たちが無気力フットボルをやったわけではなく、サラゴサの引きこもり戦術、ならびにGKドブラスの狂い咲きによって、ことごとくシュートを跳ね返されたのがその主たる理由である。たまに出くわすことになる、控えポルテーロが大当たりしてしまうゲームだ。ドブラスの活躍がなければ、普通にマニータになっていてもおかしくはなかった。
バルサは8分にベルトロに危ない場面を作られはしたものの(ミリートが抜かれ、ピケが際どくカバー)、その後はほぼゲームを支配していた。ただし最初の決定機は19分のペドロのミドルシュートで、その後ボージャンが2度、メッシが1度、そして36分と40分には、マスチェとチャビによるミドルシュートでドブラスを脅かしている。再三のピンチを、好セーブによって凌いでいたサラゴサの守護神。そして0-0でハーフタイム入りかとも思われたところへ、現れたのがケイタである。
ケイタは29分にも、得意のヘディングでネットを揺らしていた。だが主審はこれをオフサイドだと考え、無効の判定。マドリ系メディアも疑惑のジャッジとするほど、際どいタイミングだった。しかしケイタは43分、ならばこれでどうだ、とばかりに今度こそ先制のゴールを決める。メッシがドリブルで右サイドを切り裂き、中央へ送り込んだボールを、右足でずばっと蹴り込んだのである。本当にこの人、サラゴサキラーである。昨年はハットトリックを決め、今年もオフサイドを含めれば2発だ。
後半の流れも、前半とよく似たものとなった。序盤のうちにサラゴサがバルサゴールへと迫り、クレをちょっとばかりヒヤッとさせるのだ。50分、カウンターからベルトロがピケをかわし、あわやのシュートはわずかにポスト右。バルサとしては、これは助かった。
その後は、バルサが再びボール支配を取り戻す。だが、ここで立ちはだかるのがまたもドブラスだ。56分のピケのヘディング弾、63分のボージャンのクロスシュート、70分のビジャ(直前に途中出場)の抜け出しからのシュートなど、いずれもゴール性のシュートをことごとくセーブ。この試合でのドブラスのシュートストップは、10本を超えている。
一方、我らの守護神もまた、チームを救っているのを忘れてはならない。バルサは61分、1本のロングボールからシナマ・ポンゴレにライン裏へと抜け出され、絶体絶命の場面を作られる。だが完璧なタイミングで飛び出したバルデスが、スライディング一閃でこれをクリア!さすがである。これがバルサのビクトル・バルデスだ。
これらを除けば、バルサはサラゴサにオプションを与えることなく、きっちりと試合をまとめている。快勝とはいかなかったが、3ポイントをポケットに収めたことの意味は大きい。アーセナルは同日、カサでの格下戦をスコアレスドローとし、怪しい雲行き。火曜日にはばっちりの体勢となったバルサが、昨年のごとく撃沈してくれることは間違いないだろう。バモス!!!ペップの腰も早く良くなれ!!!
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