展開次第では引き分けても満足すべきか・・・と心配していた試合で、きっちり勝利。おまけにマドリーが勝手に負けてくれたおかげで、勝点差は8へと広がった。分からないもんだ。
プジョル、マクスウェル、ペドロが怪我、アビダルが病気、チャビがカード制裁で欠場。おまけにメッシとボージャンがコンディション不良によるベンチスタートという苦しい状況にあって、チャンスを掴んだのはチアゴ、そしてアフェライらフレッシュな面々だった。およそ予想どおりとはいえ、監督の苦労がうかがえる先発メンバーだ。
ビジャレアルがやや引き気味にプレーを行ってきたため、急場の選手起用とは言えども、バルサがボールを支配する形でゲームは進んでいる。ただしそのコントロールは完全とはいえず、攻撃面ではアイディアとリズムが不足、守備面でもプレスが不完全。あっさりとライン裏へボールを送り込まれ、立て続けにピンチを招いた。しかし6分と12分、ロッシの決定機をことごとく阻止したのが、我らがバルデスだ。聖バルデスの降臨が、この試合の一つのカギとなった。
主力をごっそりと欠き、いまひとつちぐはぐなバルサの攻撃をリードしたのが、これが今季リーガ初スタメンのチアゴだった。まだ遠慮が垣間見えるとはいえ、いくつかの光るプレーを見せたカンテラーノなので、今後の活躍には大いに期待が持てる。なによりこの決戦での先発起用、ペップの信頼度が分かるではないか。
序盤こそビジャレアルに決定機を許したものの、バルサはその後とりあえずはボールを支配。こう着状態のまま、ゲームはハーフタイムを迎えている。
後半はほぼバルサのものとなった。立ち上がりからイニエスタ、ビジャが積極的にゴールを狙っていったのもあるが、決定的にゲームを変えたのがレオ・メッシの投入だ。0-0で終わっても悪くはないが、出来れば勝ってリーガに決定打を与えたい。ペップは53分、切り札としてメッシを送り込んだ。
このメッシ登場によって、バルサのプレーは明らかにダイナミズムを増した。一方でビジャレアルはニウマールを投入。ゲームは行き来の激しい展開となり、ボールは慌しく両陣営間を飛び交った。ただしバルサの守備は急所を押さえていたため(マスチェラーノはさすが!)、ヒヤッとするような局面は許していない。逆にディエゴ・ロペスは、仕事に追われる時間帯が増加していた。
そうして、バルサ待望のゴールは生まれる。66分、右からのコーナーキックをブスケツが頭で逸らし、ピケが胸トラップの後、そのままボレーで一発。ビジャレアルはハンドを主張したが、合法的ゴールで問題ないだろう。
先制点を許したことで、ビジャレアルは大きなダメージを受けたようだった。ここからはほぼ一方的にバルサのペース。落ち着いた選手たちは、より余裕を持ってゲームをコントロールしていった。しかし70分のアルベス、83分のメッシと惜しい場面を作りながらも追加点を決めることはできず、0-1のまま迎えた86分、再びエル・マドリガルに聖バルデスが降臨する。至近距離からのカソルラのボレーシュートを、ひざで弾き返してみせた守護神。あんたはすごすぎる!ありがとう、ビクトル!
その後はバルデスとブスケツが遅延行為で強引にカードをもらう(両者はこれでカード累積5枚。クラシコに向け、次節を欠場する)以外は、特に目立ったプレーが起こることもなく、試合終了。試練を乗り越え、難所マドリガルで今季のフエラ13勝目を手したペップチームにとって、マドリーへの8ポイント差はその頑張りへのご褒美だ。バルサBもビジャレアルBに逆転勝利し、チアゴ曰く、「完璧な一日」の完成。再び白旗ムードの首都系メディアが、実に心地いい。
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