苦しい展開になったものの、逆転できっちり勝利。マドリー戦への宿題だった、勝点差8のキープに成功した。
バルデスとブスケツが出場停止。足首捻挫のピントはどうにか間に合ったものの、その他欠場者やクラシコ直前試合の難しさもあり、ペップは今回も悩ましい選手起用を強いられている。ビジャとペドロはひとまずベンチへ置き、ボージャンとチアゴを先発に持ってきたグアルディオラ。ピケとのコンビはミリートとなり、結果として前半は、残念な出来になってしまうのであった。
いくらミスターがこの試合の重要性を強調し、頭ではそれを分かっていたとしても、やはりクラシコ直前の最下位チームとの対戦は気合の入れ方が難しい。バルサはチームとしてゲームの入り方に失敗し、序盤は過去3戦での大敗への雪辱を狙うアルメリアがプランに沿って試合を進めた。バルサのゲームではよくあることだが、最下位チームが最下位らしからぬプレーをするのだ。
16分、ガビからのロングボールを受けたボージャンが巧みに右サイドを突破し、チアゴのシュートが大空を目指したあたりからバルサはペースを取り戻していくのだが、前半はなにかと不幸の連続。18分には速攻を止めようとしたマスチェラーノが累積5枚目を意味するイエローをもらい次節マドリー戦を出場停止になると、28分頃にはボージャンが相手選手と接触し左ヒザを負傷。ビジャに後を託し、ロッカールームへと下がっている。いい働きを見せていただけに、不運が際立つ。
兎にも角にも、さっさと忘れてしまいたいような前半であった。
ただ、アルメリアの抵抗も時間の問題と思われたので、ハーフタイムにペップに渇を入れられたであろう後半、選手たちはさっさと勝負を決めてくれるだろうとファンは期待していた。実際、48分のビジャ弾がポストではなくネットを叩いていれば、そういうことになっていたのだろう。シーズン序盤のごとく、またもバルサでのゴール運に見放されているグアッヘ。
しかしその直後の49分、アルメリアはバルサのゆるい守備からあっさりと先制点を奪ってしまう。一発のカウンターからピアッティがバルサゴールへと突進し、最後はコロナが悠々とボールを流し込んで0-1。よよよ、プジョルとアビダル不在がとても大きく感じられるバルサ守備陣よ。シャクタール戦といい、なんとカウンターに脆いことか。
カンプノウは一瞬イヤなムードに包まれるが、チームのリアクションを信じるファンはここで大きな声援を選手たちに送った。そしてそれに奮起したチームは、わずか4分後に同点としてみせるのだ。ミリートからのロングパスを受けたビジャがエリア内に切り込んでいき、これを止めようと勢いあまったGKジエゴ・アルベスが思いっきりファール。アイサ・ガメス主審は迷わずペナルティを宣告し、我らがメッシがこれを確実にものにした(53分)。
プレー再開と同時に、ペップはミリートに代えてペドロを投入。マスチェラーノをセントラルに置くという勝負に出た。そしてペドロはさっそく見せ場を作る。56分、ビジャのシュートがGKアルベスに弾かれたところ拾い、思い切り良くシュート。ボールは惜しくも、サイドネットを揺らしている。
追加点はバルサにしては珍しく、またもセットプレーからだった。63分、メッシの左コーナーを、チアゴが頭で押し込んで2-1、逆転に成功!これにてまずはひと安心とはいえ、まだ1点差では油断はならない。68分にアカシエテのオウンゴールが決まっていれば助かったのだが、残念ながらそういうわけにもいかず、ダメ押し点のないままに時間は経過していった。
勝負を決める3点目が訪れたのは、試合終了も目前というロスタイムだ。ひとりボールに圧力をかけたメッシがマルセロ・シルバのエラーを誘いボールを奪取、きっちりゴールを陥れて3-1とした。ピチーチ争いでクリスティアノを引き離すと共に、昨年の年間ゴール数(47)にここで早くも並んでみせたクラック。
問題の幾つも発生したゲームだったが、やるべき仕事はきっちり果たして今季リーガ27勝目をゲットしたペップチーム。守備面に不安を抱えつつ、ビジャ、ペドロの復活を期待して次はいよいよベルナベウ決戦だ。おっとその前に、シャクタール戦を忘れてはならない。
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