やるべき仕事をきっちりとこなし、準決勝進出。イダでの5-1は効果抜群。
相手監督のミルセア・ルチェスクが「勝ち抜けなんて不可能」と断言するほどのアドバンテージを持って試合に臨んだバルサだったが、ペップは会見で言ったように、真剣にこのゲームに対してきた。それが勝負を一番安心して終わらせる方法だったからだ。
カンプノウでやられた、スピードあるシャクタール攻撃陣へは、パスの出所への圧力と、マスチェラーノのセントラル起用で対処した。週末のアルメリア戦後半に続いての起用である。
予想されたとおり、シャクタールは序盤から攻撃を仕掛けてきた。カンプノウ戦ほどではなかったが、バルサゴール前へと迫られることも二度三度。しかしそこで立ちはだかったのが、我らがビクトル・バルデスだ。まずは8分、守護神はドグラス・コスタの1対1を気迫でセーブしている。
ウクライナ王者の攻勢をしのぎ、バルサがペースを掴み始めるのが15分過ぎ。最初のシュートを放つのは20分を超えてからで、チャビのミドルシュートだった。だがここからはバルサにチャンスの連続。27分にはメッシの弾丸シュート、29分にはアドリアーノの角度のない位置からのシュート、31分のメッシのバセリーナなどなど。そしてハーフタイムも間近となった43分、クラックはついにGKピアトフの壁をこじ開ける。それもまたしても変態的なプレーによって。
アルベスのパスを受けエリア内へ突撃していくと、ボールが相手デフェンサに触れられたのも構うことなく、それもちょうどいいタッチだとばかりに電撃的シュート!これにはピアトフもどうすることも出来ず、ネットが揺れるのを見るばかり。これによってシャクタールのかすかな希望は、消散することになった。
セミファイナルの夢が事実上絶たれ、シャクタールは後半、名誉の1点を目指していくことになった。しかしさすがにメッシゴールのダメージは大きかったようで、彼らに序盤のような勢いは見られない。バルサはゆとりを持ち、ボールとゲームをコントロールしていった。
この日のメッシは、こちらが心配するくらいに活動的であり、数々の好機をチームにもたらしている。先発フル出場したアフェライも徐々にバルサのスタイルにフィットしてきており、シャフタール戦では何度か惜しいシュートを放つなど、今後に更に期待を持たせてくれた。もっと大胆にやったほうが、むしろいい感じもする。
時間は経過し、ゲームも仕上げの段階へと入っていくと、グアルディオラは次からの激戦に向けて中心選手たちをベンチに下げていく。まずはチャビ、そしてピケ、最後はビジャといった具合だ。レオはいつものように、最後までピッチ上。
バルサとしての不安はセントラルにあり、ピケがピッチを去り、マスチェラーノ&ミリートという試験的コンビが守備の要になったことで、やはりひやりとする場面は訪れた。ガビ元帥は登場直後に危ないファールでカードをもらうなど、未だ不安定。73分にはMkhitaryan(読めない・・・)にフリーでシュートを許しているのだが、ここでエンパテを防いでくれたのが絶好調バルデスの右手だった。
さらにバルサは83分、Mkhitaryanのクロスにニアに飛び込んだモレノにあわやという場面を作られもしたが、最後まで失点を許さず0-1で勝利。ペップ時代初となるチャンピオンズ・トーナメントでのアウェイ戦勝利を飾り、セミファイナル進出を確定させた。次はおそらくユーロクラシコだろうが、トッテナムでも別段困ることはない。
そしてこの2試合を通じてのシャクタールは好感の持てるチームだった。引きこもるのではなく、果敢に攻めて勝機を見出そうとしたのが素晴らしい。彼らはとても強かったし、なにより、どこぞの監督たちのチームと違い、試合前後に不愉快にさせられないのが好い。
|