サン・ジョルディの日の、ふわっとしたムードのオサスナ戦。下手をすると落としかねない試合で、結果を手に入れたことが第一の収穫だった。
120分の激闘となったコパクラシコから3日後、そしてベルナベウユーロクラシコの4日前。さすがに疲労した選手をこれ以上に酷使することは出来ず、グアルディオラは大胆なローテーションを採用してくる。普段使いではない選手たちが数多く先発となり、主力メンバーはベンチ、あるいはスタンドから試合を見つめた。ピケは堂々とシャキーラと並んで観戦だ。
慣れない面子ながら、バルサの出足は悪くなかった。この日の活躍を期待されるビジャが早くも2分に、アフェライもまた5分に可能性を感じさせるシュートを放っている。
だがメンディリバル率いるオサスナも残留のためには勝点を必要としており、楽にはやらせてくれない。ものすごく強力なプレスをかけてきたわけではないのだが、ピリッとしないブスケツ、元気のないチアゴ、そしてスーパーではないケイタの中盤はゲームを作ることが出来ず、バルサは締りのないプレーを続けることになった。
しかしこの日は、一発のチャンスをものにする幸運に恵まれていた。アフェライから送られたボールを左のジェフレンが折り返し、ファーポスト前へと走り込んだビジャが気持ちで押し込んで1-0。11試合にも及んだ連続無得点を、グアッヘはついに終わらせた。これで次の決戦に、彼はより落ち着いて臨めることだろう。そう願う。
その後も基本的にボールはバルサが支配したが、パス回しにキレはなかった。そして前半の終わりはオサスナの時間帯。彼らはギアを一段上げたようにバルサゴールへと迫り、左サイドからのボールをダミアーにフリーで合わされた時には、ほぼ全てのバルセロニスタが「やられた」と思ったことだろう。だがこの至近距離弾もまた聖バルデスが気迫のセーブ。ありがたや、ありがたや。
1点をリードしていたものの、前半のバルサの出来は褒められたものではなかった。このままではどう試合が転ぶかは読めず、グアルディオラはベンチに置いていたクラックたちの力を借りることとする。まずハーフタイム明けから登場したのは、イニエスタだった。
しかし後半もまたパッとしないゲームは続き、バルサはいっこうにシュートにまで至れない。そこで監督は58分、さらなる起爆剤を投入。一仕事をしたビジャに代え、メッシをピッチへと送り込んだ。けれどもこの必殺のカードもすぐに効果を発揮することはなく、退屈な試合は退屈なまま進んでいった。
すると65分、ミリートがふくらはぎにダメージを負って負傷交代。ペップはここでフォンタスではなくチャビを選択する。そしてブスケツがセントラルへと移動。バルサらしい交代ではある。これでバロンデオロの最終候補者たち3人がピッチに登場したわけだが、バルサの後半の最初のシュートが75分頃だったことからも、その内容の寂しさは推し量れよう。
バルサとしてありがたかったのは、オサスナがさほど野心的ではなく、パッとしないバルサにそれなりにお付き合いしてくれたことだ。悪いことは重なるもので、試合終盤には今度はマクスウェルにフィジカルトラブルが発生するのだが、すでに交代枠はすべて使用済み。マックスは負担の少ない前に張らせ、3バック気味にしてケイタが最終ラインに入り、急場を凌いだ。もしマックスがダメな場合、水曜日のベルナベウではマスチェが左ラテラルになったり・・・?あるいはケイタ・・・?プジョル・・・?
クレにとって待望の追加点が訪れたのは87分。アルベスが中央へボールを持ち込み、右に向かい斜めに走りこむメッシへとパス。これを我らが10番は直接右足で流し込み、勝利を決める2点目としたのだった。これにてレオはシーズン通算50ゴール。ありがたや、ありがたや。
こうしてバルサはイマイチな内容ながらもサン・ジョルディの日の地元試合を勝利で締めくくり、フィエスタの体裁をなした。チャンピオンズ1/2ファイナルに向けてノリノリにするには物足りない試合だったが、リーガ3連覇へとまた前進するには十分な3ポイントを確保。さあ次はいよいよ、ベルナベウ決戦だ。チーム事情は正直厳しいが、頑張っていこう。
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