リーガ制覇に王手をかけるチャンスを、ちょっと逃しちゃいましたね、という試合。
ここで勝てれば大きいけれど、絶対必須というわけでもないラ・レアル戦。グアルディオラはバルデス、アルベス、ブスケツ、ビジャ、マスチェラーノら重鎮たちをベンチに置き、とりわけ最終ラインは両ラテラルにモントーヤとフォンタスを起用するなど、ある意味で楽しみなメンバーを送り込んでいた。
チームの要としてはチャビ、メッシらが出場していたものの、そのプレーは明らかに節電モード。残留が懸かり、カンプノウでの5-0の雪辱を狙い、ついでに自らが持つリーガでの連続無敗記録を更新させないというモチベーションを持つレアル・ソシエダに、なにかやれたとして不思議はない。
序盤はバルサがアフェライの強烈ミドル、ラ・レアルがタムードの抜け出しによってチャンスを作りあう。ペップにとって誤算だったのは12分、タムードとの競り合いでモントーヤが鎖骨を折り、アウベスを送り込まざるを得なくなったことだ。使えるカードも、これで1枚減った。
前半のバルサは抑え目にボールを展開させ、淡々とゴール機会をうかがっていた。そうして28分、チャビから繰り出されたスルーパスをメッシがトラップし損ねるのだが、これが背後から上がるチアゴへの絶妙ボールとなり、最後はGKブラボの突進を寸前でかわすバセリーナ。技ありのゴールにて、バルサが先制に成功する。
ゲームはそのまま地味に0-1でハーフタイムを迎え、まあ大丈夫だろう、という雰囲気がバルセロニスタには漂っていた。
レアル・ソシエダは後半、リズムを強めてきた。1点差であれば、いっちょバルサに泡を吹かせることを諦める理由はどこにもない。47分のアランブルのボレー、60分のタムードとソシエダは好機を演出し、隙あらばいったるぞ、との警告を発している。
バルサは67分にメッシが中盤でボールを奪い取り、怒涛のカウンターを仕掛けるのだが、ジェフレンが最後に仕上げ損ない追加点とはならず。そしてこの直後にラサルテ監督の行った交代が、ズバッと的中することになるのだ。69分、ラ・レアルはタムードとリバスを下げ、イフランとスルトゥサを投入している。バルサは62分、ピケを休ませマスチェラーノが登場。
同点となったのは71分。ソシエダの攻撃をクリアしきれずにエリア前で混戦状態になっているところでイフランにライン裏を取られ、きっちりシュートも沈められて1-1。残り時間20分で、この同点は厳しい。
バルセロナにとって不運だったのは77分、フリーキックからの見事なミリートのヘッド弾がオフサイドで無効となっただけでなく、その際のプレーでミリートが負傷してしまったこと。代わりにはブスケツが入り、攻撃的な駒を出すことなく交代枠は使い果たされた。
そして81分、マスチェラーノがエリア内でスルトゥサに足を引っ掛けてペナルティを献上。シャビ・プリエトのシュートは失敗臭かったがネットを揺らし、ラ・レアルが逆転に成功した。こうして彼らは今シーズン初めて、バルサに地元で勝利したチームとなった。
リーガを終わらせる絶好の機会だっただけにもったいない黒星ではあるが、チュリ・ウルディンたちの歓喜の姿は、なんとなく祝福してしまえる。まあこの苦味を、火曜日の試合で思いっきり晴らせば問題なし!白組がベルナベウで勝手に散ったおかげで、負けたけれどもリーガ制覇にまた一歩前進!優勝までのマジック、あと勝点4なり。
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