あとわずか1ポイントが足りず、カサ・デルビーでの優勝決定とならなかったのが残念。
前日にサンチェス・ピスファンでマドリーがずっこけていれば、バルサにとって最高のシナリオだったのだが、弱っているチーム相手にはめっぽう強いのが白組。それを象徴するCR7の爆発(4ゴール)もあり、この週末でのバルサのリーガ優勝は、次節以降に持ち越しとなっていた。
とはいえ、このデルビーにおけるバルサのミッションは、ただひとつだ。3ポイントを獲得し、リーガ優勝に王手をかけること。注目はクラシコ連戦を終え、心身ともに消耗したチームが、どのようなリアクションを示すかにあった。
結論から言えば、さすがはグアルディオラのチームといったパフォーマンスを選手たちは見せた。コルネージャでのようなゴレアーダとはならなかったものの、ゲームは終始バルサが支配。がちんこメンバーで挑んだペップチームがエスパニョールに個々のレベルの違いを示し、さほど苦しむことなく勝利を手にすることになるのである。
試合は予め予想されたほど、フィジカルがつがつの展開とはならなかった。エスパニョールのプレーは激しかったものの、いつぞのようにライバルを削りまくることではなく、高いライン設定と中盤への人員投入でバルサを止めようとしていた。あとは前線のオスバルドに望みを託す作戦。適度なハードさは、見る者にとっても親切だ。
エリア前に密集陣形を敷くエスパニョールの守りを破壊したのは、イニエスタの突破力だった。20分に巧みなフェイントから決定機を演出したドン・アンドレスは、今度は29分、ペリコのクリアミスを見逃さずにヌルヌルドリブルでエリア内に侵入。正確無比なシュートを、ニアポスト横へと突き刺している。
バルサは37分にも、ワンタッチのパス回しからビジャがライン裏へと抜け出し、GKカメニと1対1の場面を手にしているのだが、悩めるグアッヘはここでも枠内にシュートを飛ばせない。また、39分のペドロのシュートは、カメニの好セーブによって防ぎ止められた。
そして後半。そのまま1-0でずるずるいくことを避けたいバルサだったが、後半早々にあっさりとゴールが決まり、スコアを2-0に出来たことで気持ちはぐんと楽になった。チャビが蹴った左からのコーナー。ビジャが空けたニアのスペースにピケが入り込み、ヘディングシュートをねじ込んで見せたのである。勝負は事実上、このゴールによって決着したといえる。
となると、ファンとしてはCR7からピチーチを奪還するメッシの姿を見たいところなのだが、どうやらレオは個人タイトルにはそこまで執心していない様子。無理やりにゴールを奪いに行こうとはせず、シュートへ持ち込めそうな局面であっても、パスを選択していた10番だった。
ゲーム後半で分かったことは、オスバルドのデランテロとしての資質の高さと、アビダルの回復力のすごさだ。火曜日のマドリー戦で最後に登場したアビさん、この試合では残り20分間を普通にプレー。ただ守るだけではなく、攻撃参加も見せていたから素晴らしい。
リーガ優勝の確定こそ次以降に持ち越しとなったが、デルビー勝利で事実上チャンピオンはポケットに収まった。この日のカンプノウは終始フィエスタムードに包まれており、危なげなく勝点3を獲得したチームに向かい、9万人近くで埋まったスタンドは温かい拍手を送っている。幸せムードのカンプノウってのは、何度見てもいいものだ。
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