ミッション・コンプリート!6年前と同じスタジアム、同じスコアでリーガ3連覇達成!レバンテとバルサの、不思議な縁。
この優勝確定試合に、ペップ・グアルディオラは少々の修正を加えながらも、安心と信頼のメンバーを送り込んできた。驚きだったのは、エリック・アビダルが早くも先発に戻ってきたこと。3分、21分、62分と、確実にアビさんはプレー時間を増やしている。ペドロと、この日が27歳の誕生日であるイニエスタはベンチから試合を見守った。
対するレバンテは、プリメーラでの残留がほぼ手に入っている状況。主たる狙いは引き分けにあり、運よく勝てればOKというプランでバルサ戦に臨んでいる。つまりはボールはバルサに譲り、連係した守りで失点を許さないという戦い方。これがけっこう、上手く機能することになるのだ。
レバンテにスペースを消されたバルサは、相手陣内で効果的なボール回しを行うことができず、得点機どころか、シュートを放つところまでもたどり着かなかった。チャビもメッシもビジャもこの日はいまひとつ。ボールは回すものの、ただ回すだけという時間が長々と続いた。
序盤のシュートシーンは、レバンテばかりという珍しい事象がこのゲームでは発生している。肝を冷やすとまではいかないものの、それなりのゴールチャンスは手にしているレバンテ。前線でターゲットとなるカイセドが、存在感を発揮していた。
なんとか状況を打開したいバルサ。ここでそのなんとかをやってくれたのが、さすがのチャビ・エルナンデスだった。27分、ケイタが前方へとダッシュを開始しているのを見逃さず、エリア内へとロングボールを供給。これをケイタがジャンプ一番得意の頭で合わせ、ボールはゴール左隅へと吸い込まれていくのである。
スコアが0-1となった後も、試合模様に特に変化は見られなかった。バルサがさほど怖くないパスを回し、レバンテは引いてカウンターのチャンスをうかがい続けた。そして彼らが待っていたバルサのエラーが、前半終了前に発生するのだ。41分、イボーラから前線のカイセドへ向けなんてことのないボールが送り込まれ、これに対応しようとしたピケとバルデスがエリア際でお見合い。カイセドがボールをまんまと奪い取り、無人のゴールへとシュートを流し込んだ。
そして後半、もしもの事故を回避するため、バルサは勝ち越し点を狙い攻めていく。前半同様、ボールは軽快に回ることはなかったものの、それでもチャンスはいくつか作り出したペップチーム。アフェライのミドルシュートも惜しかったのだが(52分)、もっと惜しかったのは57分のメッシのシュートだ。ゴール正面で縦パスを受けると、ひらりひらりとレバンテ選手をかわし、単騎エリア内に侵入してのシュート!嗚呼しかし、ボールは意地悪なポストに弾かれてしまうのである。
62分になると、ペップはアビダルに替え、フォンタスをピッチに送り出した。アビさんはこのシウタ・デ・バレンシアのスタンドから、大きな拍手を受けつつベンチへと下がっている。
ゲームはその後、72分に再びメッシが変態的な個人技から際どいシュートを放っているのだが、特にこれといった盛り上がりもなく時計の針を進めている。そして時間が経過するにつれ、一致していく両チームの利害。バルサは1ポイントあれば優勝が決まり、レバンテもまた、残留に向け引き分けは悪い結果ではなかった。バルサは主に自陣でボールを展開し、レバンテはそれを頑張って追おうとはしない。後はもう、試合終了の笛をただ待つだけだった。
こうしてペップチームは、待望だったリーガ優勝を確定。スタンド観戦していた選手たち、コーチ陣もみんなでピッチへと出て行き、大きな輪を作って喜びを爆発させた。その嬉しそうな表情から、彼らがこの瞬間をどれだけ心待ちにしていたのかが察せられる。
これにて2010/11シーズンのリーガ優勝争いは閉幕。あとはバルセロナで凱旋パレードを行い、ちょっとひと息を付いたら、いよいよウェンブリーへの準備開始だ。おめでとう、選手たち!本当によくやった、ペップチーム!ムーチャス・グラシアス!
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