内容はいまひとつながら、クラックの個人技で結果をもぎ取った試合。もちろん、チーム全体の努力があってこそだが。プレシーズンとはいえど、そこはクラシコ。見所のたくさんある試合となった。
バルサとマドリー、両チームの事情はそのまま先発イレブンに表れていた。レギュラー格も複数いるものの、まだまだ鉄板とはいえないメンバーでスタートしたバルサと、新戦力は含ませず、昨年のガチメンバーを送り込んできたマドリーと。キックオフ直後から両者の身体の動き具合の差は一目瞭然で、のそのそとプレーするペップチームに対し、モウチームはここぞとばかりの攻勢を仕掛けている。バルサは序盤からピンチの連続。バルデスの活躍でどうにか耐えていたのだが、13分、ベンゼマに左を破られると、中央のオジルにシュートを押し込まれてしまった。
体力で勝るマドリーは前線からプレスをかけ、バルサのパス出しを封じ込めた。舵取りを任されたチアゴもまだまだといった様子で、思うようなプレーをすることはできない。四苦八苦するバルサをマドリーはお馴染みのラフプレー(アビダルの顔に蹴りを入れたケディラ!しかもカードなし)で止めると、得意の速い攻めで一気にバルデスのゴール前へ迫った。いつ追加点をぶちこまれても不思議ではない展開。しかしフットボルって、分からないものである。
35分になってバルサはようやく、この試合で初めてのシュートを放つことに成功する。しかしこれが驚愕のファインシュートとなり、マドリーゴールの右角へと突き刺さってしまうから堪らない。エリア左際から放たれたビジャのシュートは、漫画のような軌道を描きながら、カシージャスのどうすることもできないコースへと一直線。もう笑うしかないゴラッソの誕生となった。
呆気にとられるマドリディスタへの追い討ちとなったのは、ハーフタイム直前のメッシのプレーだ。45分、それまではほぼ完全に眠っていたレオが、ここへきて突然覚醒。ぺぺを倒しながらエリア内へと強引に侵入すると、カシージャスの脇下を抜けるシュートを爽快にねじ込んでしまうのである。ベルナベウの観客たちは戦慄したことだろう。今年もまた、あいつにやられてしまうのかと。。。
試合全体を通して、アレクシス・サンチェスの出来は上々だった。右も左も、なんなら中央でも存在感を発揮し、これがバルサでの初ゲームかと思えないほどのフィットぶり。試合をこなせば、相当なる武器となりそうだ。物怖じしない大胆さが、ベリーグー。
ハーフタイム中、バルセロニスタがこの週末に待ち望んだ知らせが届けられる。セスク移籍でアーセナルとバルサが合意!それにしても、なんという発表タイミングですか^^
このニュースに気を良くしたわけではないだろうが、後半のバルサのプレーには、いくらかの改善が見られていた。ボール回しにリズムが感じられるようになり、上手くすれば3点目もあるかもね、との雰囲気も漂っていたのである。
しかし次にネットを揺らしたのは、そのバルサではなくマドリーだったから、こちらも分からない。78分、コーナーキックからのこぼれ球をぺぺが後ろへ落としたところを、待ってましたのシャビ・アロンソ弾一発。シュートに勢いがあり、かつゴール前にバルサ選手がたくさんいた隙間をボールが抜けたことで、さすがのバルデスもどうすることも出来なかった。
これでスコアは2-2となったが、バルサにとっては悲観すべきことではない。コンディションの問題もあり、そのまま上手くやり過ごす方向で選手たちはゲームを進めていった。途中出場のチャビは、もう流石の一言である。一方でマドリーは、相も変らぬラフファイトの連続。ペペ、アロンソ、そして新加入のコエントラン、カジェホンが次々とゲームを中断させ、面白みはみるみる失われていった。所詮そのあたりが、モウチームの限界というところだ。昨年同様に序盤の攻勢を凌げば、彼らにファール&速攻以外の打つ手はなさそうだ。
そしてゲームはそのままのスコアで終了。内容では負けてはいたが、本気マドリーが慣らし運転バルサを打ち破ることが出来なかったというのは、それはそれで気持ちの好いものだ。ペップバルサはまたも、ベルナベウで負けず。試合後の会見をポルケーニョがまたもカランカに投げたことが、白組さんの落胆を表していよう。
スーペルコパ獲得のためには、マドリーには勝利しか選択肢のなくなったブエルタは3日後の17日23時キックオフ。セスク・ファブレガスに果たして、出番はあるだろうか。楽しみなり!!
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