サイアクの後味となったマドリー戦のお口直しとなる、フットボルのお祭り。うっ憤を爆発させるようにバルサのプレーが輝き、シーズン一発目のマニータとなった。主役はなんといっても、セスク・ファブレガスだ。
前日に予定されていたリーガ開幕戦がストライキによって延期となったため、突如存在感を増した今年のガンペル杯。ファンへの新チームプレゼンとなるこの試合で、セスクをより長く楽しめたのはとりあえずは良かったとしておこう。アレクシスが怪我をしていたのは残念だった。
バルサ夏祭りはまず、ナポリのチャンスから始まっている。7分にマッジオが最初のチャンスを手にしたのに続き、10分にはカバーニが美しいオーバーヘッドボレーをピントの守るゴールへと突き刺したのだ。しかしながら審判はこれを、オフサイドの判定で無効にしている。そしてこの後は、エンジンのかかったバルサがナポリを攻め立てていくことになる。
その攻撃をリードしたのは、いつものメッシのポジションである"偽9番"を務めることになったセスクだ。9分に最初のシュートを放つと、18分にはイニエスタのパスを受け決定的シュートを一発。そして三度目の正直で25分、イニのパスを受け左サイドからエリア深くへと切れ込んだアドリアーノの完璧なクロスに、ゴール正面で合わせて先制点をゲットしている。ペップが評価するように、エリアへの飛び出しが非常に上手いファブレガス。
イニエスタの絶好調ぶりも健在だ。31分、ナポリエリア前でボールを回している隙を突いてするりとケイタが抜け出すのを見逃さず、ゴール前のスペースへと浮き球のボールを送り込んだドン・アンドレス。完全にフリーとなったマリの英雄は、これにちょこんと頭で合わせ追加点としている。ケイタの特性を上手く利用した、見事な崩しだった。
残念だったのは、この夜はビジャに当たりがなかったことだ。38分にはアドリアーノからのお膳立て(セスクの先制点と瓜二つ)からシュートを放つもGKデ・サンクティスに阻まれ、45分のセスクのスルーパスを受けてからのバセリーナも、寸でのところで今度はアロニカによってクリアされた。動きはいいのに、不運。整髪料を忘れた(?)のが悪かったか。
後半になってもバルサの攻勢は続いた。見せ場を作ったのは、ハーフタイム後に登場したペドロだ。カナリアの若頭は47分と49分、立て続けにポスト直撃弾を披露。バルセロニスタをのけぞらせ、ペップの口をあんぐりとさせている。49分のこのペドロのシュートはクエンカのシュートがクロスバーを叩いたこぼれ球だったし、62分についにペドロがゴールを決める場面でも、メッシのフリーキックがクロスバーに弾かれるなど、この後半はゴールバー直撃祭りだった。
ペドロがこぼれ球を頭で押し込んで3-0とする少し前、57分には交代でセスクがベンチへと下がり、メッシがピッチへと登場している。ということで、この試合での両クラックの共演はお預け。
すでにスコアが3-0となった親善試合でも、貪欲にゴールを狙っていくのがレオ・メッシという選手である。そこにはいつもブレはない。このナポリ戦においても彼は、最後の2点をマーク。65分の4点目は相手エリア前でパスを回した最後に、左のペドロからのボールを押し込んだもので、77分はアビダルからの縦パスを受けて単騎突破、強いシュートをゴール右端へと蹴り込んでいる。まったくもって、なんという点取屋か。
ということでメッシの2ゴールによってケーキの上にイチゴが乗り、マニータ祭りは完成。7万8000人のファンは幸せな気分で、家路(ホテル路)についたのでしたとさ。
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