連戦の疲れで身体は重い。勝点3が、なによりの収穫。
セビージャとの激戦からわずか中2日でのアンダルシア遠征とあり、グアルディオラは先発からビジャ、イニエスタといったレギュラー格を外してきた。代わりにスタメンとなったのは、怪我明け初先発のセスクと、トップチーム初先発のクエンカ!だった。
グラナダは守備に自信があるのだろう。週末のセビージャ戦からもヒントを得たのか、ボールをバルサへと譲り渡し、2本のラインでバルサの攻撃を封じ込める作戦を採用してきた。トップにはスピードのあるダニ・ベニテスを起用。カウンターへと望みを託している。
引いて守るグラナダに対し、バルサは割かし自由にボールを回せた。だがそれも肝心なエリア以外での話。ライン間に決定的なボールを入れることは困難で、守備網を混乱させるには至っていない。セビージャ戦では同様の守りに速いパス回しで対抗したが、この日のボールは流れるように選手間を走らない。いわゆるフレッシュさが、ロス・カルメネスでのバルサにはなかった。
そういうときに、有効になってくるのはセットプレーだ。33分、ゴール正面にて自ら手に入れたフリーキックにて、チャビが右足を一閃。ボールは壁の頭上を越え、ゴール左角へと吸い込まれていった。この手のゴールが増えれば、相手のプランもより難しくなる。チャビはこの試合が392試合目のリーガ出場となり、ミゲリを抜いてクラブ歴代1位に。記念日に自分で花を添えている。
前半のバルサは、その他に数度チャンスを手にしている。13分の鮮やかな個人技からのメッシのシュート、15分のエリアへと切れ込んでのクエンカのシュート、20分のチャビのミドルシュート、22分のアルベスのクロスに頭で合わせたペドロのシュートなど。クエンカは初先発ながら怖気づくことなくプレーをしていたが、実力を存分に発揮したとも言えない。今後に期待だ。
後半も試合のパノラマに変化はなかった。グラナダは引いて守り、バルサがそれを攻める。ペップチームの狙いは出来るだけ早いうちに追加点を奪い取り、勝負を決めてしまうことだ。1点のリードではどんなアクシデントがあるかも判らない。些細な不注意によって、勝点を失う可能性がある。これまでの総得点が2点のグラナダが相手であってもだ。
グラナダは53分、自分で自分の手を縛る。ハイメが2枚目のカードで退場になるのだ(ちなみに1枚目のカードは、チャビがネットを揺らすきっかけとなったファール)。これで数的に優位に立ったバルサだが、ほぼ同時に不運にも見舞われる。ペドロがシケイラとの競り合いで倒れた際、左足首をぐにゃり。カナリア人エストレーモは即座に交代を要求している。
決定的だったのは59分、GKロベルトからの贈り物ゴールキックをビジャが拾い、パスを受けたメッシがその守護神をバセリーナで仕留めた場面だ。無人のゴールへと跳ねていくボール。しかしラインを越えるかと思った瞬間、全力で戻ったマインスがこれをかき出してしまう。嗚呼、またもレオのゴールが直前で阻まれり!今のメッシはとことんツイてないようだ。
バルサはその後もボールを支配し続けた。バルデスはほぼ観客+1状態。しかし試合の行方は定まらない。これが決まっていれば数日間、新聞の花となっていたであろうクエンカのシュートもGK ロベルトに阻まれ、ゲームは0-1のまま終盤に突入していった。
両チームのプレーリズムは最後へと向かうにつれ、がくんと落ちている。メッシは意地になった感じでくり返し突破を試みるも、簡単にグラナダの守備に引っかかった。どうやらレオには休養が必要なようだが、アレクシスに加えてペドロも離脱した今、それも難しそうだ。このように怪我人が多発すると、コンディション調整が難しい。
試合はバルサにとっては幸い、特にアクシデントが発生することなく終了となっている。終盤はムニス・フェルナンデス主審によるカード祭り。追加タイムにはダニ・ベニテスがオフサイド判定への不満をボールにぶつけ、無用な退場をしている。
さてお疲れモードのバルサの次なる試合は、土曜日のカサでのマジョルカ戦だ。バッテリーを充電する時間は少ないが、上手く回復してほしい。
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