代表戦?そういえばそんなのもありましたなぁ、といった感じの試合。ベストの出来ではないにせよ、文句なくサラゴサを一蹴している。
ペップ・グアルディオラはこの試合に、コンディションを考慮に入れたメンバー構成で臨んでいる。つまりマスチェラーノやイニエスタ、ビジャら重鎮たちを先発から外し(ブスケツはスタンド観戦)、チームにもっと適応させたいクエンカやアレクシスを両サイドに置いているのだ。メッシは休みたがらないし、状態も良いとの説明なので当然先発。
チーム力で大きな格差のあるバルサを止めるためにはこれしかない、と守備を固めてくるアギーレ・サラゴサに対し、バルサは序盤から圧倒的にボールを支配した。若干の動きの鈍さは感じられたものの、ライバルの圧力がさほどではないので、それも問題とはならない。メッシ、チャビ、セスクらはパスを回しつつ、常にライン裏のスペースを狙っていた。
アレクシスやプジョルがわずかにシュートをヒットさせられなかったことで無失点を保っていたサラゴサだったが、その抵抗もそう長くは続かない。17分、エリア左で得たフリーキックからチャビがコース・速度共に絶妙すぎるボールを蹴り込み、後方から忍び入ったピケが頭でこれをぶち込んで先制。数日前に小説を初出版した父ちゃんも嬉しかったことだろう。
この後はしばらく、GKロベルトの活躍が続く。サラゴサのデフェンサたちにとっては、おそらくは責め苦だったであろうバルサの猛攻が行われ、それらのシュートをポルテーロがどうにかこうにか防ぎきったのだ。29分の連続メッシ、31分のメッシ、セスク、アレクシスによる波状シュートなどなど。このあたりでは、「今日はレオの日ではないのか・・・」という考えもよぎった。しかしそうはさせないのが別次元クラックの偉大さだ。
サラゴサに1-0で前半を終えるという光明が指してきた42分、セスクからのパスを受けてエリア内でフリーとなったメッシが(オフサイドトラップを見事に突破)、デフェンサとロベルトを落ち着いてかわして2-0。この追加点はバルサにとって大きく、試合は事実上これで決着している。
勝点を持ち帰るには動くしかないアギーレ監督は後半開始と共に、2人の選手交代を行っている。そして登場したラフィタとミカエルが序盤にそれぞれチャンスを作り出すのだが、バルサ守備陣はきっちりとこのサラゴサの攻勢をかわした。
その後はバルサのゲーム支配が続いた。アギーレチームの奇跡の種を完全に摘んだのは、53分のプジョル弾だ。セスクからのロングボールをエリア内へと抜け出したケイタが頭で落とし、併走していたプジーがシュート。ボールは一度はロベルトによって止められたものの、カピタンは倒れながらも執念でこぼれ球をゴールへとねじ込み、3点目としたのだった。そして普段はあまりお目にかかれない、爽やかな笑顔を見せている。
迫力に欠けるサラゴサに3点差をつけたことで、グアルディオラはチャビ、アレクシス、イニエスタらをベンチへと下げた。水曜にはサンシーロでのミラン戦が控えているのだ。
途中出場となった選手たちは、それぞれに良い仕事をしている。イニエスタはメッシのパスを受けてあと一歩でゴールという見せ場を作り出し、ビジャは実際に嬉しいゴールを決めた。74分、グアッヘの得点をお膳立てしたのは若きクエンカだ。最初のうちは遠慮をしているような風でもあったエストレーモだが、徐々に存在感を発揮。この場面では果敢にサラゴサ陣内深く切れ込むと、センタリングを供給。これはデフェンサに当たってコースが少し変わるのだが、ビジャにはちょうど良いボールとなり、ダイビングヘッドでこれを突き刺している。
ということで、試合はバルサが4-0で快勝。水曜日のミラン戦に向けて、良い弾みとなった。これにて今シーズン、カンプノウでのリーガ7試合の合計スコアは30対0。実にえげつない数字だ。
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