結局のところ、いつもと同じ結果。チームとして優れたものが勝つ、ということが再び証明された。
アイドルたちの来日を待つ極東島国クレにとって、実に清々しい朝となった。調子に乗りまくっている白い人々に、現実をレクチャーすることの心地よさ。ペップチームはどれだけバルセロニスタを幸せにしてくれるのだろうか。
これまで数々の実績を残してきたグアルディオラのバルサではあるが、立ち上がりには硬さも見られた。キックオフと同時にボールは後ろ、後ろへと戻され、バルデスの蹴ったボールはディ・マリアへのパスとなる痛恨の大チョンボ。ボールはブスケツが2度弾きながらもベンゼマの元へと渡り、バルサはわずか24秒にして1-0とされている。なんでも、クラシコ史上最速ゴールだそうだ。
ベルナベウでこういう不幸に見舞われたなら、並みのチームであれば萎えてしまったかもしれない。だがペップと選手たちはそうではなかった。彼らは即座にナニクソ根性を発動させ、6分にはセルヒオ・ラモスのエラーからメッシが決定的シュートを一発。決まったと思った場面だったが、カシージャスの手が辛うじてコーナーへと逃している。
目下公式戦15連勝中と好調のマドリーは、今度こそは!と前線からのハイプレスを仕掛けてきた。序盤のバルサはボールは支配しながらも、プレーに流麗さはなく、パスは次々とモウチームにカットされていた。そして白組は得意のホワイトカウンター。24分にはクリスティアノに2点目とされても仕方のない場面を許してもいるのだが、クラシコでのCR7はやはり猫だったので助かっている。
バルサは15分を過ぎるあたりから、こっそりシステムをいじっていた。アルベスが中盤に位置取る3バックとなっていたのだ。そういった勇気ある挑戦が報われたのは29分のことだ。グラウンド中央からメッシがドリブルで仕掛け、マドリーのセントラルが引き出されたギャップにアレクシスが侵入。すると糸を引くようなパスがそこへと送られ、"ニーニョ・マラビージャ"のシュートは左ポスト横へと吸い込まれていったのだった。
雲行きが怪しくなると、プレーがラフになるのがモウチームのイケナイところだ。今回は特にアレクシスが標的となっていた。それらのファールに対しては主審はもっとカードを出して然るべきだが、実際に警告を受けたのは抗議したアレクシスとメッシ。マドリーはもっと審判に感謝せよ。
後半に入ると、試合はますますバルサ側へと傾いていった。ペップは再びフォーメーションを修正し、アルベスは明らかにエストレーモという位置へ。ボールはリズム良く選手間を転がっていった。一方、モウリーニョチームのプレーは精彩を失っていく。自由にボールを展開させることはままならず、バルサ陣内に侵入したとしてもプジョルの気迫の前には為す術なし。勢力を増すバルサの前に、勝てる気はしなくなっていたことだろう。
バルサの追加点は52分だ。エリア内での攻防からの不十分なクリアボールを、待ってましたとばかりにチャビがダイレクトのミドルシュート。マルセロの足に当たってコースが変わったボールは、右ポストに弾かれながらもネットへと吸い込まれるのだった。静まり返るベルナベウ。快感。
俺たちはやはりバルサには勝てないのか・・・・試合前の威勢はどこへやら、元気のなくなるマドリーの人々。消えうせる覇気。彼らにはもう、カンペオンを押し返す気力はなかった。いや、実際には64分にシャビ・アロンソに「やられたかも!」というセンタリングを上げられているのだが、子猫状態であるクリスティアノのヘッド弾はポスト左横をスルー。すぐ背後のベンゼマじゃなくて、ああよかった。
ピンチの後にはチャンスあり。バルサは直後の65分、マドリーの心を挫く3点目を叩き込んでいる。メッシがドリブルで攻め上がり、デフェンサの注意を引きつけた後で右のアルベスへとパス。完全フリーだったダニからはファーポストへと完璧なクロスが送り込まれ、コエントランのチェックを振り切ったセスクのダイビングヘッドが、文字どおりネットへ突き刺さっている。9番と4番、夏の補強選手が2人して大活躍!
全世界へと無力さを配信するマドリーには、ハードなタックルでバルサを止めるしか方法はなかった。例によって退場者も出るかという雰囲気だったのだが、主審の提示したのは黄紙どまり。まあ毎度言い訳の材料にされるのもしゃくなので、今回はよしとしておこう。
その後もゲームはバルサのペースで進んだ。4点目とするチャンスもあったのだが、アレクシスに代わって登場したビジャには決めてほしかったところでもあるのだが、追加点がなかったことで試合の大勢に影響なかった。ペップチームは粛々とプレーを進め、きっちりと勝点3をポッケに収めている。
ほくほくの勝利を手に、バルサはすぐさま日本へ飛び立った。さあ、次は世界チャンピオンだ!
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