カンペオンチームの年内最終ゲームは、フットボルらしからぬスコアでのフィエスタとなった。寒空の下カンプノウを訪れたファンには、最高のプレゼント。
いつものカサから、ごく近所の要塞でのこの試合はロスピタレの選手たちにとって、果たして罰ゲームであったか。それとも良き思い出となったか。いずれにせよ、もっと閑古鳥の鳴くと思われていたカンプノウに6万人弱のファンが入り、さらにメッシら南米組はいないにせよスペイン代表がずらりと並んだ本気メンバーとのゲームには、彼らも奮い立ったことだろう。ペップが起用したメンバーは、ガチのガチだった。
しかもそれがポルテーロのピント以外、全員カンテラ産であるのがすばらしい。重鎮のプジー、チャビから、期待のホープ・クエンカまでズラリと10人カンテラーノ。どこかの白いメディアが「カンテラ4人先発!7人出場!」と自慢していたが、そんなもの屁でもないのだ。ガチメンバーでカンテラ祭り。それ以上のことはない。
試合は早々にバルサが支配した。チームを落ち着かせる先制点は11分のことだ。クエンカによる怪しさ爆発の倒れ方だったが、主審はペナルティを宣告。ペドロがきっちりとこれを沈め、本日の第1ゴールとしている。
元々少ない可能性がさらに萎むオスピを、バルサはどんどんと攻め立てた。追加点は18分。チャビがエリア内右のスペースへとパスを送り込み、セスクが中央へ折り返したボールを、フリーのイニエスタが無人のゴールへずどん。これで決着はついたわけだが、気を良くしたバルサはさらにゴレアーダを目指していく。そして22分、チアゴが相手デフェンサからエリア正面でボールをかっさらい、鮮やかなフェイントにてGKクラビオットもかわすと、悠々とシュートをネットへと蹴り込んでいる。オスピにはお気の毒なゴール。マドリーには是非決めたいゴール。
乗ってきたゴールマシーンはもう止まらない・・・のだが、この後、バルセロニスタを心配させるアクシデントが発生している。ボールを追ったイニエスタがGKと接触し、太ももを痛めてしまったのだ。ドンは交代を要求し、代わりにセルジ・ロベルトがピッチに立っている。
この日のセスクは、アシスト専門だった。得点よりも、パスが上手くいく。そんな日もある。チャビによる4点目も、このセスクのパスを受けてのものだ。チャビは一度ファブレガスへとボールを預けると、そのままエリア内へと突入していった。そこへ4番から絶妙のリターンボール。6番はこれをダイレクトにねじ込み、その数分後にはお役御免となってベンチ観戦タイムに入っている。
前半マニータを完成させたのは、このチャビに代わって登場したテージョだ。42分、センターライン付近で最終ライン(ピケ?)からのボールを受けると、そのまま一気にドリブル加速。エリア内まで切れ込むと、マークもかわしてシュートをねじ込んでいる。
ハーフタイム後も、ペップチームはケーキにイチゴを乗せまくった。それがこのグアルディオラ率いるグループの流儀だ。ミスターにアピールしたい若者たちは、どれだけ点差が付いても決して努力を怠らない。後半最初のゴールは、いきなりの47分。テージョがライン際深くまで侵入し、折り返したボールを逆サイドのクエンカがきっちり押し込んだ。
53分にはチアゴがビアレに倒され、PK獲得。今度は怪しくない、しっかりとしたPKだった。そして自分で蹴りたいと申し出たチアゴが、危なげなくこれを決めている。
その後、ロスピタレはアンヘル・サンチェスが惜しい場面を手にするのだが、ピントは集中力を失わずきっちりとセーブ。役割を果たしている。
スコアが7-0となってからの関心は、バルサの点数がどこまで増えるのか、だった。62分の8点目はテージョによるもので、縦への突破を怖れているデフェンサの裏を付くタイミングでのシュートでのゴール。ここまで何度も縦へ行っていたことが、良い種まきとなっていた。そして最後のイチゴは79分のクエンカ。セスクからのスルーパスを受け、思い切りよくシュートをゴールへと突き刺している。
こうして数々のタイトルに彩られたバルサの2011年は、その締めくくりに相応しい大ゴレアーダによって幕を閉じた。試合後の会見で、ペップは選手たちのプレー姿勢を絶賛。こうして試合に臨めているかぎり、2012年もバルサはファンに夢のひと時を提供し続けてくれることだろう。ビスカ、ペップチーム!今年一年ありがとう!また来年もどうぞヨロシク!
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