コルネジャはなんか苦手のバルサ。またも貴重な勝点2を失い、痛い。マドリーとの勝点差が5に拡大。
マドリーダービーはほぼ100%結果の知れたダービーだが、バルセロナのそれは(残念ながら)そういうわけにもいかない。とりわけペリコがいつも以上に張り切ってくる、厄介な試合がこのコルネジャでのダービーだ。
ペップ・グアルディオラはこの重要な一戦に、ベルナベウクラシコと同じ面子を送り込んでいる。つまりは現状でのベストメンバーということだ。この顔ぶれと4日前のオサスナ戦(コパ)の内容なら、まず問題ないと思ったクレは多かっただろう。だがポチェッティーノは、勇敢なバルサ対策を用意していた。前日にペップが警戒したように、ペリコは前線から激しいハイプレスを仕掛け、ボールを奪えばすかさず速攻。7分にはベルドゥが至近距離から決定的連続シュートを放っており、バルデスとピケがゴールライン上からボールをかき出すことで、なんとかこのピンチを脱している。
動きの冴えないバルサに対し、エスパニョールは執拗にプレッシングを続けた。ペップチームはパスが上手くつなげられず、普段は見られないようなボールの失い方もしばしば。ただ、それでもなんとかチャンスを作ってしまうのは流石といえる。11分にはチャビからの絶妙パスが通るも、アレクシスが上手くトラップできず。13分にはGKクリスティアン・アルバレスからメッシがボールを奪い、セスクがネットを揺らすのだが、メッシのプレーにハンドがあったとしてトゥリエンソ・アルバレス主審は無効の判定。さらにドタバタするペリコは14分にもバックパス失敗からアレクシスにボールを贈呈しているが、バルサの9番は1対1の局面を上手く活用することが出来なかった。
しかし15分、ペップチームはようやく、この自らに傾いていた流れをモノにする。ダニ・アルベスの右からのクロスに、エリア後方から侵入してきたセスクが頭で合わせ、ついに待望の先制点をゲットするのだ。
ここでいつものパターンと異なっていたのは、バルサにリードを許そうともエスパニョールがまったく怯むことなくプレスをかけ続けた点だった。そして不安定なバルサからボールを奪い取ると、次々にエリア前へと急襲。ティエビ、セルヒオ・ガルシア、ベルドゥらがゴールチャンスを作り出したのだが、彼らのフィニッシュがいまひとつだったことと、ピケ、プジョル、アビダル、バルデスらの好守によって、試合は0-1のままハーフタイムを迎えている。前半のシュート数9対4というのが、バルサのイマイチさを物語っていよう。
そして後半。エスパニョールには前半ほどの勢いはなくなっていたのだが、バルサにもこれといった決め手はなかった。試合後の選手たちの言葉を借りれば、彼らがゲームをコントロールしていたということらしい。とはいえバルサの中盤にいつものパスワークは見られない。必殺のプレスも機能しているとは言えず、本当に支配しているという印象は感じられなかった。あるいは逆に、1点差のまま時間をやり過ごすというペリコの策にハマッていたのかもしれない。
もやもやしたプレーによってエスパニョールにトドメをさせられないまま、時計の針は過ぎていった。78分にはアレクシスに代わって登場したペドロの突破からメッシがチャンスを掴むも、シュートはポストに弾かれ追加点とはならず。この日のメッシはどうにも動きが重く、風邪で体調を崩しているように見えた。誤審もあったとはいえ、オフサイドの網に引っかかることも数度。とにかく、本来のメッシとは程遠い出来栄えだった。
そして85分、グアルディオラはセスクに代えてケイタを投入する。そのまま0-1で行こう、という考えがその采配からは窺えた。だがミスターのプランは、今回は功を奏さなかった。ラウール・ロドリゲスがオーバーラップし、右サイドからセンタリングを供給。ニアポストのティエビが頭でそらし、正面のアルバロが頭でこれをねじ込んで見せたのだ。沸き返るコルネジャ・エル・プラット。呆然と立ち尽くす、バルサ選手たち。
厳しい時間帯での喫した同点弾。とはいえ、バルサにはまだ勝利をもぎ取るための時間が残されていた。反撃を開始するバルセロナ。そして彼らが超本気になれば、1つのビッグチャンスは作り出せてしまうものだ。だがこの日は、いかんせん運にも恵まれてはいなかった。92分、メッシからのパスを受けたピケのシュートはポストに嫌われ、そのこぼれ球を拾ったゴール正面ペドロのシュートはラウール・ロドリゲスがハンドでクリア。マドリ系メディアも100%ペナルティと認めるファールだったがアルバレス主審はこれを目撃しておらず(当然バルサ選手の主張も認められることなく)、そのまま1-1で試合終了となっている。
試合後、ペップはこう述べている。「自分たちのコントロールできること、上手くやれんかったことを見なければならない。審判は私たちにはコントロールできへんのや。上手くやれんかったことを改善することに、私たちは集中する必要がある」。審判に試合を盗まれたといいたくもなるが、それまでに勝負を終わらせておかなかったのが、そもそもの失敗。本来のプレーが出来なかったのが、エンパテの一番の理由。ペップチームならこれを、今後の糧にしてくれることだろう。厳しさを増したリーガだが、戦いが終わったわけではないのだ。
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