全員が怪我なく帰宅することが一番の手続き試合で、ふたりの負傷者が出たのが痛い。ポジティブだったのは、難関スタジアムで逆転勝利できたことだ。
イダが4-0だったことで、トーナメント的には特に意味のなかったこの試合。オサスナにしても、是が非でも勝利を、という戦いではなかっただろう。日曜日のリーガに向け、メンディリバル監督が複数選手を温存していることからもそれは窺い知れる。ペップもまた、クラック級選手たちはまとめてベンチスタート。マニアック度の強いスタメンを送り出している。
両チームにとってモチベーションの置き所の難しいゲーム。オサスナもバルサも、序盤はどう試合に入ればいいのか、よく分からないようだった。手を抜いているわけではないのだけれど、双方スムーズに行かないといった感じの序盤。そこで悲劇の主人公となったのが、よおし出番だ!と張り切っていたであろうアンドレウ・フォンタスだ。11分、ボールを競り合った際の着地で右ヒザにダメージ。若きセントラルは両手で顔を覆いながら、担架でピッチを去っている。称えたいのは彼がまず、痛みを感じながらも気合でボールをクリアしてから地面に倒れこんだ点だ。天晴れ、アンドレウ。
最初に決定機を掴んだのはオサスナだった。17分、いきなり出番となったアビダルとピントとの連係が上手くいかず、セフードがエリア内でボールを奪取。幸いにもレキッチのシュートはゴールライン上でピケが、続くプニャルのシュートはピントがなんとかクリアしている。その他にも、23分のセフード、37分のレキッチのボレーなど、前半の見せ場はオサスナ中心だった。
そして先制点もオサスナだ。40分、バルサとの契約延長問題で頭がいっぱいというわけではないだろうが、アビダルの2度のクリアが上手くいかず、セルジ・ロベルトがボールに追いつこうとしたところでロエがタックル一発。そして目前に転がってきたボールを、レキッチが思い切りよくネットに突き刺している。タオパイパイ、今季コパでの初失点。
前半の1-0は、バルサに一矢報いようとゴールを目指してきたオサスナへの妥当な報酬といえる。この日はマスチェラーノもパッとせず。4点のリードは、やはりメンタル面で難しいのだ。
だがロッカールームでペップから喝を入れられたのだろう。後半に入るとバルサのプレーは変わり、早々に同点として見せた。49分、アドリアーノが左サイドで勝負を仕掛け、送り込んだセンタリングをファーポストのアレクシスが頭で押し込んで1-1!このゴールによって、オサスナの一縷の望みもほぼ完全に断たれたといえる。その後のナバーラチームは、これといった見せ場を作ることは出来なかった。
意外だったのはペップが思いのほか早くメッシをピッチに送り出したことだ。58分、アレクシスと交代でプレーを開始したバロンデオロ男。レイノ・デ・ナバーラの観客たちは「この嘘つき腹痛ヤロウめ!」と、激しい口笛をレオに浴びせていた。この日のメッシの出来は、特にどうということもないといったところ。それでも72分、セルジ・ロベルトの決勝ゴールを絶妙スルーパスでお膳立てしてしまうから流石といえる。
そのロベルトのゴールの前には、もう一つの不運な出来事があった。ペドロが左太もも裏に手を当て、交代を要求したのだ。細かい怪我を繰り返し、継続して試合に出れない今シーズンのペドロ。これに対しペップはデランテロではなくブスケツを出場させ、それによってセルジ・ロベルトが偽9番に入っていた。そして前述のゴールが生まれたというわけだ。
ゲームはその後動くことなく、1-2で終了している。ポジティブなのは、今季カサでまだ負けのなかったオサスナに逆転で勝利したこと。しかし大きな怪我人が出た試合後はいつもそうであるように、今回もまた気分は晴れない。ANIMS FONTAS!一日も早く、ピッチに戻ってこれますよう。
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