必要とされる勝点3を確保しただけでなく、ゴレアーダというのがナイス。メッシがどうやら復調のハットトリック。
コパクラシコの間にサンドイッチされた、ラ・ロサレダでの一戦。今季はフエラでポイントを落としているだけに、ここ最近は不調のマラガが相手とはいえ、決して楽観視できない試合だった。必勝が義務付けられたこのゲームに、グアルディオラはローテーションを採用する。プジョル、チャビ、セスクらをベンチに座らせる思い切った采配。チアゴが約2ヶ月ぶり(ヘタフェ戦以来)の先発となり、左エストレーモにはアドリアーノが起用された。
チアゴのセンタリングに頭で合わせたアレクシス(7分)、続くメッシのミドルシュート(9分)と、最初にそれなりのチャンスを作ったのはバルサだった。しかしこれぞ決定機というものをまず手にしたのは、ペジェグリーニ率いるマラガだ。15分、イスコ(弱冠19歳)のゴール右角を狙ったミドルシュートがバルデスを襲うと(ジャンプ一番コーナーへとクリア)、それによって得たコーナーから至近距離シュートを2発。ビクトルの連続パラドンがなければ、ゲームは確実にややこしいことになっていただろう。
しかしこのマラガの好機に刺激を受けたバルサは、ここから徐々にリズムを掴んでいく。攻撃の核となっていたのが、ここ数試合ではいまひとつの出来栄えだったレオ・メッシだ。28分のアビダルへのアシストパス(数日前のベルナベウ決勝弾の如し)はGKカバジェロの好判断によって成功とはならなかったが、32分には自ら決定力を発揮。イニエスタのパスを受けたアドリアーノの左からのクロスを、バルサの10番は滞空時間の長いヘディングシュートで決めている。得点後に繰り返した咆哮から、彼の気合と喜びが窺えよう。
ゲームはそのまま0-1でハーフタイムを迎える。しかしマラガに気落ちした様子はなく、後半も簡単にはいかなさそうだな、という印象をバルセロニスタに対し与えての前半終了だった。
しかし後半が始まるや否や、バルサは怒涛の攻勢であっという間に十分なリードを手にしてしまう。ハーフタイム中にグアルディオラによって鼓舞されたのだろう。おそらくは虚を突かれたであろうマラガに対し、ペップチームは次々とカバジェロの守るゴールへと迫っていく。追加点は47分。チアゴのミドルシュートをカバジェロが弾き、こぼれ球をアドリアーノが折り返したところを再びチアゴの今度は至近距離弾!これもマラガGKがどうにかブロックするのだが、詰めていたアレクシスが悠々と押し込んで0-2としている。
さらにその2分後には、メッシお得意のプレーが決まる。チアゴと協力して高い位置でボールを奪い取ると、アルゼンチンクラックは一気に悪魔スラロームを開始。エリア内まで切れ込み、ゴール左端へとシュートを流し込んでいる。いかにもメッシらしいゴールで、本来の感覚を取り戻していると感じられるプレーだった。
3点のリードを奪ったバルサは、その後はゲームをコントロールしていく。グアルディオラは水曜のコパでの活躍が期待されるアレクシス、足が攣ってしまったアドリアーノ、そしてイニエスタがベンチへと退かせ、クエンカ、ジョナタン、そしてペドロ(怪我から復帰)をピッチに送り込んでいった。
この日のメッシショーには、まだ続きがあった。74分にはフリーキックから、クロスバー直撃シュートを一発。圧巻だったのは80分、ハットトリック達成となるゴールだ。ハーフライン付近でボールを受けると、カウンター発動。高速ドリブルで一気に突進し、左を併走するペドロをいつ使うのか?と思わせておいてそのままエリア内へと侵入。最後は立ちはだかるカバジェロをあざ笑うかのように、天使のような(実は鬼の)シュートをゴール右端へと転がしている。レオのハットトリックは、今季これがなんと5度目だ。
バルサとしては、出来ることならばそのまま無失点で試合を終えたかったところだが、84分にはマラガの努力が実り、ロンドンが名誉の1ゴールをゲット。共に途中出場となったセバスチャン・フェルナンデスとロンドンは、なかなかに好プレーを見せていた。
ということで、フエラでは(ベルナベウを除いて)苦戦続きだったバルサが、ようやく敵地で余裕をもっての勝利。水曜にはコパでのカンプノウクラシコが、来週末にはエル・マドリガルでの試合が待っているという状況下で、勢いの付く結果を手にしている。
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