ペップチームとメッシが得意としているエル・サルディネーロで、危なげない勝利。公式戦での連勝を6試合へと伸ばした。
ジョゼ・モウリーニョに「インテリぶっていても結局、私と同じ」と言われたことに対し、珍しく憤慨したペップはこの試合、勇敢なプランを採用してきた。ピケが出場停止でアビダルが負傷中と、デフェンサが駒不足という状況に対し、ならばと3バックを用いてきたのだ。しかも左サイドにカピタン・プジョルという陣形。中盤には"ボール野郎"たちがずらりと並んだ。
ゲームは徹頭徹尾、バルサが支配している。2日前に新監督が就任したばかりのラシンの狙いはおそらく、0-0だったのだろう。ポゼッションはさっさと諦め、彼らは守備に専念していた。そうなればボール野郎たちがボールを回すことは容易い。あとはいかにしてスペースを見つけ、チャンスを決めるかだ。
セスク→メッシ=ゴール
このチャンスを決めるという点において、バルサは少しばかり手こずった。6分のペドロの右足でまいたシュートはわずかに右ポスト横を素通りし、16分のメッシによるフリーキックはGKマリオが好セーブ。23分のイニエスタ弾もクロスバーによって弾かれ、25分のライン裏へ抜けたセスクの至近弾も再びマリオがコーナーへと逃れた。ここまでは正ポルテーロの出場停止によって出番を得た控えポルテーロが、バルサ戦で狂い咲き、のパターンだった。
しかしポルテーロの活躍も、ファールとラフな当たりでバルサを止めようというラシンのプランニング(退場者があってもおかしくはないレベル)も、バルサの闘志をなんら削ぐものではなかった。先制点は28分だ。チャビがエリア際正面で粘り、右サイドにいたセスクへとパスを供給。この時点でファブレガスはマリオと1対1だったのだが、直前のプレーでシュートをブロックされていた4番はシュートと見せかけてのクロスを選択する。あとは空っぽのゴールへ向け、レオ・メッシがシュートをねじ込むだけだった。
ようやくペナルティゲット
後半に入り、システムを修正することでなんとか活路を見出そうとしてきたホームチームではあったが、ボールと試合を支配していたのは相変わらずバルセロナだった。ボール野郎たちが右へ左へと展開させるパスに、どうすることもできないラシン。彼らはこの試合を通じて、1本しかシュートを放てていない。
ペップチームの追加点はあっさりと55分に訪れた。クエンカのシュートがマリオに弾かれ、こぼれ球をコントロールしようとしたセスクがシスマに倒されたところで審判がペナルティを宣告。マドリメディアからすれば"怪しい"判定となるが、これをメッシがきっちりと右方向へと突き刺し0-2としている。ちなみにこれはバルサにとって、今季ようやく4度目のペナルティ。どこぞの白いところ(10回)とは大違い。
試合はその後もバルサのペースで進んだ。チャンスも幾つも作り出していて、特に決定的だったのは60分のクエンカのポスト直撃弾、64分のメッシによる正面からの強烈な左足弾、85分のペドロによる1対1からのバセリーナなどなど。GKマリオの活躍などによってゴレアーダとはならなかったのは残念ではあるが、今回はそれはさほど重要ではない。前線からのプレスが機能し、フエラで危なげない勝利を手にしたのが一番の収穫だ。チームがリーガをまったく諦めたそぶりを見せていないのも好し。
メッシはこのゲームの2得点によって、今季の通算ゴール数を早くも50の超大台に乗せた(リーガは40得点)。そしてバルサでの歴代ゴレアドールランキングでは、セサールの235ゴールまであとわずかに5ゴール。歴史的瞬間へと着実に接近中だ。
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