厳しいスタジアムできっちり勝利。これで公式戦は7連勝、リーガでのフエラも3連勝と、ようやく波に乗ってきた感がある。
リーガ白旗宣言を行なったバルサが、勝点3を積み重ねている。アビダルが肝移植を受けることになるという衝撃のニュースから2日後。このタイミングでのサンチェス・ピスファン戦は正直難しいものがあったのだが、ペップチームは今回もまた、逆境での強さを証明してくれた。彼らのナニクソ根性は一級品なのだ。
このセビージャ戦の前半は、久々に目にするレベルでの出来栄えだった。目もくらむようなスピードで、快適にピッチを滑っていくボール。選手たちは巧みにセビージャ選手たちの隙間へと入り、鮮やかなるテクニックによって楽々とパスを展開していった。前半の45分はほぼ完全にバルサが支配。GKパロップは次々とピンチを迎えることとなった。
チャビとメッシが連続ゴール
それだけ圧倒したわけだから、先制点もわりとすんなり決まっている。6分のアドリアーノによるミドルシュート、11分のペドリート弾、とチャンスが続いたあとの18分。エリア左角で得たフリーキックを、目力ギラギラのチャビがゴール左角へとずどんと叩き込んだのだ。パロップの予想を上回るコースとスピードの右足弾だった。
バルサの押せ押せ状態はつづく。追加点はわずか6分後、24分のことだ。エリア際でイニエスタからパスを受けたレオ・メッシは、股抜きによってスパヒッチを簡単に攻略。グイッとエリア内へと侵入すると、詰めてきたパロップを十八番のバセリーナで料理している。低調期には外れていたバセリーナが、このところは気持ちいいように決まっている。
スコアはあっさり0-2となり、バルサはさらなる追加点を目指してセビージャ陣内へと攻め入った。ここまでの試合の印象は、"もっとゴールが決まりそう"。事実、27分にはチャビのシュートがパロップを襲い、40分のペドロのカウンターもパロップが阻止。ロスタイムのセスク弾もまた、セビージャ守護神によって弾き返されているのだ。
ホームチームの前半最大のチャンスは33分のことだ。ナバスがほぼ苦し紛れに送り込んだボールに対し、ピケとバルデスがお見合い。両選手ともにクリアできずにいるところを、後ろから走りこんだマヌ・デル・モラルにあわや頭で押し込まれかけたのだ。シュートが外れてくれたことが救いだった。ここからおそよ10分間はセビージャもまたバルサゴールへと迫る、オープンな時間帯だった。
セビージャの反撃
カサでの勝点がほしいセビージャは後半、ギアを上げてゲームに臨んでいる。ハーフタイム前とは異なり、プレーはまずバルサ陣内で展開された。冷や汗ものだったのは49分、エリア右のカヌーテによる連続した2本の際どいセンタリングだ。1本目のボールはニアにいたピケがクリア。つづく2本目のクロスではマヌの侵入を許したものの、バルデスがブロックに成功している。
後半のバルサは前半のようにパスをつなぐことは出来ず、チャンスも作り出せなかった。グアルディオラはそこで試合を落ち着かせるべく、セスクに代えてケイタを送り込んでいる(69分)。
ハーフタイム後のバルサの最初の決定機は、73分のイニエスタだ。メッシがドリブル突破を仕掛け、ここぞのタイミングで前方のイニエスタへとパス。オフサイドの網を破ったドンはパロップと1対1になり、守護神がこらえきれずに倒れた時点で勝負ありかと思えたのだが、シュートはわずかにポスト右を通過。。。シュート以外は100点なのにね、というのも、ある意味ではイニエスタの魅力だ。
82分には怪我から回復したアレクシスがピッチに立ち(チャビがお役御免)、88分には得意の抜け出しによってパロップと1対1の場面を手にしている。しかしながらこのチャンスもポルテーロの好守によってゴールとはならず。そして89分にはメッシがネットを揺らすのだが、オフサイドの判定で無効とされた。際どいタイミングだったのだが、「リプレイが放送されなかった」、と試合後の会見でペップは不満を漏らしている。
ということで、いくつか危なっかしい場面はあったものの、サンチェス・ピスファンでのテストもきっちりと突破したバルサ。マドリーにプレッシャーをかけ続けるという任務を果たすとともに、アビダルへとこの価値ある勝利を捧げている。
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