"白旗宣言"以降、勝ち続けるペップバルサ。これにて公式戦での連勝は8となり、レオ・メッシはクラブの伝説セサルを超えた。
週末のサンチェス・ピスファンから中2日。ペップ・グアルディオラはセビージャ戦後のコメントどおり、このグラナダ戦の先発メンバーを半分ほど入れ替えてきた。ブスケツはお休みとなってビジャと楽しくスタンド観戦(おじさん挿んでアフェライ)。セスクやイニエスタはベンチで、怪我明けのチアゴとアレクシスが先発に復帰している。
一気に2点
クラブとしてカンプノウで一度も勝ったことのないグラナダ(しかも昇格組で久々訪問)は、正直どうしたら好いか分かりません、といった様子だった。この日のバルセロナは雨と強い風に見舞われていたが、バルサは元気いっぱいといった感じ。キックオフの笛が鳴ってからわずか4分後、最近はゴール運がつきまくっているチャビがネットを揺らしている。
クエンカが左サイドから上げたボールを右のメッシが頭で落とし、2列目から走りこんだチャビが真ん中でボレー。どんぴしゃの当たりではなかったものの、いいバウンドになって入ってしまうのが勢いというものだ。テラッサの総指揮者はこれで今季リーガ10得点、総計14得点。32歳にして自己ベスト更新。
早々に1-0となって気分を良くしたバルサは、さらにアクセルを踏み込んだ。精神的に余裕モードとなったせいか、パス精度はいまひとつのところもあったのだが、チームとしての実力差ゆえに問題とはならない。16分には再びクエンカが左サイドを瞬間加速で突破し、クロスを供給。ボールは途中わずかにデフェンサの頭に当たってコースが変わっていたが、我らがメッシにそんなのはどうってことなかった。左足のボレーシュートを一閃させると、ボールは左ポストに弾かれながらもネットに突き刺さった(2-0)。これにてメッシ、セサルの得点記録に並ぶ(前日にクラブはセサルの公式ゴール数は235ではなく232だったと訂正)。
まさかの同点
両チームのプレー内容からして、この2-0で勝負はあったと思われた。グラナダに2点が奪えようとは、どうにも考えられなかったのだ。ペップチームはここから、省エネモードへと切り替える。3日前に試合をしたし、雨も降ってるし、あんまりガンガンいくこともないだろう、といったところだ。2ゴールからハーフタイムまでで一番印象深かったのは、22分に起こったスタンドによるアビダルコールだった。
前半を無難にまとめたバルサは、後半へも同じようなスタンスで入っていった。グラナダも気合を入れなおしたわけでなく、前半と特に違いは見られなかった。ただ異なっていたのは、55分のグラナダパンチがあっさり決まったことだ。しかも2発も。
1発目は寝ぼけまなこへのビンタだ。エリア左横で手にしたフリーキックにマインスが頭で合わすと、ボールはすぱっとゴールの中へ。これだけでも信じられないくらいなのだが、さらに予期せぬ出来事が60分に発生する。ダニ・ベニテスがスピードあるカウンターで突破を仕掛け、追走していたダニ・アルベスがファールで強引にこれをストップ。ホーム視点でいけばぎりぎりエリア外という位置だったが、アントニオ・テイシェイラ・ビティエネス主審はこれがエリア内だと判定。ペナルティとなり、シケイラが2-2のシュートを決めている。
メッシ、テージョ、メッシ!
まさかの事態に、カンプノウはしばし騒然となる。やや強さを増していた雨も、おいおい感を高めるのに一役買っていた。だがそんなスタジアムのざわつきを一気にお祭りモードへと変換したのが、我らの異次元クラックだった。アルベスからの浮き球スルーパスにドンピシャのタイミングで飛び出すと、1対1となったGKジュリオ・セザルも必殺のバセリーナで楽々調理した10番。セサルの記録を抜きバルサ歴代最多得点者となるに相応しい、メッシ印のゴラッソだった(3-2、66分)。
エースのゴールによって再び笑顔となったカンプノウを、さらに笑顔にさせたのがテージョだった。72分にアレクシスと交代でピッチに立っていた若き弾丸が、ミスターと観客の期待に応えてみせたのは81分のことだ。こちらも直前にチアゴに代わって登場していたイニエスタからエリア内へとスルーパスが送り込まれ、光のスピードでメッシがこれに反応。角度のないシュートはジュリオ・セザルによって弾かれたものの、こぼれ球を叩いたテージョ弾が気持ちよくネットを揺らしている。
さらに85分には、三たびメッシが登場する。ダニ・アルベスのスルーパスを受けてエリア内へと抜け出すと、ジュリオ・セザルを抜き去り、無人のゴールへとシュートを押し込んでハットトリック達成。えげつないゴールを、難なく決めている。
試合は最後にもひと盛り上がり(?)あった。ダニ・ベニテスのセンタリングを腕で止めてしまったことで、アルベスが2枚目のカードで退場となり(ついでに抗議のマスチェラーノもカードで累積5枚、次節出場停止)、ペナルティとなったのだ。マドリーならきっと見逃されていたハンドだろう・・・という皮肉はさておき、シケイラがこの日2本目のペナルティをパレンカで決めて5-3としている。アドリアーノも負傷しているので、次節マジョルカ戦はまたもやデフェンサクライシス(涙)。
まあ十分なリードがあったので、この3点目が"メッシが伝説を達成した日"のエピソードで終わったのが幸いだ。これによってマドリーとの勝点差は暫定5ポイントに。モウチームがプレッシャーにやられ、エル・マドリガルでこけることを期待しよう。
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