ブラボ、アドリアーノ、ベルマーレン、ラフィーニャ、メッシが負傷欠場。マシップ、ドグラス、バルトラ、ムニール、アルバ、セルジ･ロベルト、グンバウがベンチスタート。アルダとアレイシは出場できない。

メッシ不在で注目された布陣はいつもの4-3-3だった。右ラテラルにリーガ戦を温存されたアルベス。左ラテラルは怪我明けのアルバではなくマテュー。右エストレーモにはいつものムニールではなく、サンドロが抜擢された。前半はレバークーゼンの鬼プレスに為す術なく、ポジショニングもいまひとつ。

最初の交代は太ももを痛めたイニエスタに代えてジョルディ･アルバ。ブスケツがインテリオールとなって、ピボーテはマスチェラーノ、セントラルにマテューとポジション移動。二人めはサンドロからムニール。最後はラキティッチに代えてセルジ･ロベルト。マスチェがセントラルの間に入り、両ラテラルが高い位置取りとなっていた。

FCバルセロナが非常に苦しみながらも、カンプノウにてレバークーゼンから逆転勝利（2-1）。前半はドイツチームの圧迫プレッシングによって全くゲームを作れず、CKによって呆気なく失点する悪い流れだったが、相手に疲れの見えた後半は徐々に押し返し、イニエスタの負傷にも挫けることなく王者の誇りで2点を返して見せた。殊勲のゴール主はセルジ･ロベルトとルイス･スアレス。ムニールを含む若手が活躍し、9番がさすがの実力を示したことが、この苦しかった試合の収穫となった。

プレッシングで窒息＆防げた失点

大エースのレオ･メッシを欠くバルセロナが、どのようにしてその逆境にリアクションするのかが注目されたこのレバークーゼン戦。前半はバルセロニスタにとって苦痛といえる45分になった。立ち上がりこそカピタン･イニエスタとネイマールがいくつかの良いプレーを見せたもバルサだったが、すぐさまバイエルの鬼プレスが機能しはじめると防戦一方。前線からの速いプレッシングによってブスケツが潰され、中盤で圧倒されたことでバルセロナは有効なパスをほとんどつなげない。両ラテラルの出来も悪かった。ルイス･エンリケが前日会見で目標と語っていたパスコースは作れず、次々にボールをカットされては速攻でピンチを迎えた。

状況が悪化したのは22分のことだ。チャルハノールの蹴ったCKにニアポスト前のパパドプーロスが頭で合わせてあっさりと0-1に。GKテル･ステーゲンがボールをキャッチに出ようにもマテューが居り、しかもマテューはジャンプもせずという失態による失点だった。確実に対処していれば、防げたであろう失点だけに勿体ない。テル･ステーゲンは36分、ピケを楽々料理（涙）したベッララビの強力なシュートをブロックするなど、その後は特に危なげはなかった。

ドイツチームのプレッシングと（ショート）カウンターに苦しむバルサの出来は散々だった。しかしハーフタイム前になると飛ばしまくったレバークーゼンに疲れの色が見え始め、カタランチームが徐々に反撃。39分にはネイマール（気持ちが空回り気味）のシュートが右ポストを叩き、そのバウンドを押し込もうとしたサンドロのシュートもパパドプーロスがぎりぎりでブロックしている。これが決まっていればだいぶ違っていたのだが。

イニエスタ負傷･･･

後半のバルサもまず、チャンスより先にピンチに遭遇した。49分、マテューのエラー（前へ出て簡単にボールを奪われる）を利用したベッララビに自陣深くへの侵入を許し、そのセンタリングをチチャリートが仕留め損なった場面だ。ただバイエルの前線からのプレッシングが弱まり、ラインもやや低くなったことで、後半のバルセロナには幾分余裕が生まれていた。前を向いてボールを持てる回数が増え、パスもつながる。しかしこれから逆襲へ、という矢先、新たなアクシデントがバルセロナを襲った。アンドレス･イニエスタの負傷交代だ。

ドン･イニエスタは攻撃の際に太ももに痛みを感じ、自ら交代を要求（60分）。筋肉系の負傷なのは明らかで、数週間の離脱となるだろう。レオに続いてイニエスタまで。泣きっ面に蜂。難癖をつけてアルダ･トゥランを登録させないFIFAとかいう人々はさっさと（以下省略）。

反撃開始

幸いだったのは、この試合ではルイス･エンリケが送り出した途中交代の選手たちの活躍がチームを救ったことだ。イニエスタと交代でジョルディ･アルバが入ったことで左サイドが安定し（マテューはセントラルへ）、結果を出せなかったサンドロに代わったムニールが右サイドのアクセントに。さらにラキティッチと交代でインテリオールを務めたセルジ･ロベルトも良い具合にボールを展開させただけでなく、同点ゴールをねじ込んでくれたのだから堪らない。アルバとロベルトの相性はとても良いようだった。

興奮の逆転ショーが始まったのは80分のことだ。セルジ･ロベルトが左へと送ったボールをジョルディ･アルバがセンタリング、ムニールのシュートはGKレノに弾かれたものの、こぼれ球をロベルトが押し込んで1-1！これでカンプノウの雰囲気は一変した。

圧巻のスアレス弾はその2分後に生まれた。アルベスからボールを受けたムニールが3人のDFを相手に頑張ってエリア内へと侵入し、スアレスへとパス。ウルグアイの点取り屋はそのチャンスにダイレクト左足シュートを放つと、ボールは獰猛な勢いでゴール右角へと突き刺さったのだった。なんていうゴラッソ！すばらしすぎる。

もしここで敗北なんてことになれば、グループステージ敗退の危険すらあったこの試合。そこで王者の誇りを示すことで逆転勝利し、グループEの首位に立てたのは大きな意味がある。次のサンチェス･ピスファンも厳しい戦いになると予想されるが、どうにかこうにか勝点3を！