イニエスタ、ウンティティ、マティエウが負傷欠場。アルダは風邪。マシップ、アレイシが監督判断で招集外。デニス、ラフィーニャ、シレセン、アルカセル、ディニェ、アレニャ、マルロンがベンチスタート。

水曜日のセルティック戦と同じ11人が先発。足首が万全ではないというピケも名を連ねた。左インテリオールは引き続きアンドレ・ゴメスを起用。

交代は1人のみで、ラキティッチを休ませてデニス・スアレスに出番。試合途中にアルバとピケがそれぞれダメージを受け、一時は負傷かと心配されたが、結局交代はなかった。

バルセロナがここ6年間で1分5敗と恐ろしく苦手としているアノエタにおいて、再び残念すぎるフットボルを披露し1-1のエンパテ。流石のレオ・メッシのゴールによって勝点1はどうにか確保したものの、引き分けられたこと自体が幸運といえる部類で、内容ではエウセビオチームの完勝だった。バルサは得点機だけでなくパス本数、ボール支配率でもラ・レアルに引けを取り、どちらがバルサかと悲しくなるほど。これによって首位マドリーとの勝点差は6へと拡大し、クラシコを6日後に控えたチームはかなり心配な状態となっている。

さっぱりだった前半

試合は終始、レアル・ソシエダが支配した。2節前のサンチェス・ピスファンと同じように、序盤のバルセロナは、激しくプレッシャーをかけ小気味よくボールをつなぐ相手への対応に追われるばかり。GKルジの守るゴールへ近付くことはおろか、敵陣へと入ることすらままならず、ただ防戦一方の時間帯が続いた。なにせバルサはアイデンティティであるパスをつなぐにも四苦八苦し、最初のシュートに40分を要したのだ。

元バルサB監督エウセビオ・サクリスタン率いるレアル・ソシエダは、その好調さをこの夜も存分に示していた。彼らに足りなかったのは、作り出したゴールチャンスを得点に変えることだけ。シャビ・プリエトの頭弾（18分）、ベラ（19分）やオヤルサバル（36分）、ウイリアン・ジョセ（39分）のシュートなど、先制点となっておかしくない場面は幾つもあった。ルーチョチームの前半の収穫は、無失点で終えられたことくらいだ。

前半にはまた、ジョルディ・アルバとジェラール・ピケが痛む場面もそれぞれあった。どちらもアクシデントの瞬間は負傷かと思われたが、幸い怪我はなく、両選手ともにフル出場している（ただしピケは先週ダメージを受けていた足首の痛みに耐えながらのプレーのようだった）。

バルサに初の得点機、しかしラ・レアル先制

このダメなフットボルを軌道修正するべく、ルイス・エンリケはハーフタイムでラキティッチをベンチに下げ、デニス・スアレスをピッチへと送り出した。ロッカールームでの指示が効いたか、後半のバルセロナからは少なくとも、自分たちらしいフットボルをしようとの意思は窺えた。その成果として50分、カタランチームは相手エリア付近でのフリーキックを獲得。ネイマールの左ポスト横を襲う鋭いシュートを、GKルジが横っ飛びでコーナーへと逃れている。

しかしバルサが試合をコントロールし始めたかと思えた矢先、レアル・ソシエダのゴールが生まれるから分からない。それは53分、ラ・レアル選手が痛み、しばし中断されていた試合が再開された際のプレーだった。一瞬の隙が生じたか。

ルジによるロングキックをスルトゥサが頭で落とし、バルサのセントラルたちの間を巧みに抜けたベラがエリア内からシュート。これは辛うじてテル・ステーゲンがブロックしたが、こぼれ球をウイリアン・ジョセに頭で押しこまれ、バスクチームが先制に成功している。ポスト前でピケがクリアを試みるも、彼の蹴ったボールは残念ながら天井に突き刺さった（1-0）。

メッシのリアクション

毎回苦しみ、良い結果も出ていないアノエタで、レアル・ソシエダに先手を取られた。この事実はバルセロニスタの気持ちを沈めるに十分だったが、こういった苦しい瞬間にチームを支えるのがレオ・メッシという男だ。ネイマールの巧みなドリブル突破によるアシストを受け、立ち塞がるDFたちも物ともせず右ポスト横にボールを叩き込んだクラック怒りの同点弾は、先制点から6分後のリアクションだっただけに尚のこと価値があった（59分、1-1）。

ここから試合はオープンな展開となる。より多くの決定機を作り出したのはラ・レアルではあったが、バルセロナにも若干ながら得点の可能性があった。中盤がぐずぐずになっていたルーチョチームのなかで存在感を出していたのは、途中出場のデニス・スアレス。80分にはルジを抜いたデニスのゴールへ向かうシュートが、ライン手前でイジャラメンディにクリアされている。

一方でレアル・ソシエダは76分、ベラのシュートがクロスバーに弾かれ、そのリバウンドを押し込んだファンミの得点がオフサイドとの判定で無効となる（実際はオンサイド）。そして83分にはベラのシュートがポストを直撃。審判のジャッジやゴール枠に救われたこの夜のバルサだった。

そんなこんなで、バルセロナはまたもアノエタで勝ちを逃した。しかし今回は負けを免れたというのが正しく、時節に控えたカンプノウクラシコを前に、楽観的にはなれない空気がバルセロニズモを包んでいる。