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みんなの観戦記

 

フットボールとともに生きる街、バルセロナ!
えあぐるーぶさん
2005年3月12日、リーガ第28節、アスレティック戦

地下鉄3号線マリア・クリスティーナ駅を降り、まず目に飛び込んできたのは「El Corte Ingles」というデパートと広々とした幹線道路だった(管理人注:Diagonal)。

日産スタジアムや埼玉スタジアムは、どこかだだっ広い空き地の中に大きく建てられて>いるのであるが、カンプ・ノウは都会の近代的なビル郡の中に鎮座しているのかという 衝撃をまず感じた。またカンプ・ノウのある一帯は大学都市ということもあり、 緑も多く、自然と融合している感も強かった。近代の都市と大学の文化が融合する土地柄に築かれたカンプ・ノウという印象であった。

今回私は旅行会社にチケットの手配を頼んで観戦することができたが、どちらかといえば当日券や前売り券をカンプ・ノウで購入されたほうが良い席を 確保できるのでは?と感じた。後日、バルセロナ市内でお会いした日本人の方々からはライカールト監督をほぼ真後ろで見られる席で見られたとか、ほぼ最前列で観戦できたとかという方々がいらっしゃった。旅行会社でチケット手配を依頼すると、旅行会社専用シートなのだろうか、特定のブロックに偏る傾向にあるように思える。より良い席での観戦は望めないのかもしれない。

最前列とかメインスタンドど真ん中といった「特等席」で観戦を希望するのなら、我慢しつつもカンプ・ノウ前にある前売り券売り場に並ぶことのほうが良いかもしれない。しかし、席がどこであろうともカンプ・ノウはさすがUEFAから5つ星のスタジアムの称号を与えられたからか、どの席からも見やすいことは確か。席が3階席だよ…と思っても、悔やむことなく楽しくバルサの試合を見る事ができるのではないのだろうか。

さて試合。私はコーナー寄りの1階席の中段辺りで試合を見たが、2階席の屋根が 邪魔していたか、ビジョンの映像を見ることが出来なかったのが悔やまれたが、バルサの楽しいサッカーが、私のくだらない悔しさを帳消しにしてくれた。

ロナウジーニョの個人技を駆使しての中央突破、デコとチャビの冷静なプレー、「魂のカピタン」プジョルのアグレッシブかつダイナミックな守備、エトーの俊敏さ、バルデスのファインセーブ。翌日の「Mundo Deportivo」「SPORT」紙では辛口の評価をする記事がいくつかあったものの、私にとってはそんなのは無関係だった。どの選手もさすが選びぬかれたバルサの選手だなぁと90分の時間いっぱい感じることができた。もちろんデコとジュリの2つのゴールを目の前で見ることができ、幸せ〜♪デコのゴールはDFに当たったとはいえ、まぁいいでしょう!許してあげましょう!

後半途中、マドリー協会所属のアルビトロがビルバオ有利、このファウルでタルヘタ・アマリージャ出すの?という「不可解なジャッジ」を何度も見せると、カンプ・ノウのお客さんは白いハンカチを振りつつ「Fuera〜Fuera〜」の大合唱!指笛もあいまって自分の心が揺り動かされた。カンプ・ノウのお客さんは90分トータルで温かい目で試合を見つつ、ときには立ち上がって怒り出すなど、自分だけの楽しみ&応援スタイルを きっちり持ってバルサの試合を見てた印象がある。

Jリーグや日本代表の試合みたいに細かく歌詞が決められた数多いサポーターズソングを90分間たっぷり歌いまくる応援スタイルも良いかもしれない。けど、試合をじっくり見て、バルサの選手の活躍に対しては きっちり拍手し、「気に入らない」ものがあれば指笛使ってブーイングを送る応援スタイルのほうが初めてカンプ・ノウに来たお客さんも馴染みやすいし、応援もしやすいのではないかと思った。「Fuera」の意味を知らなくても、自然と「Fuera」と声出してた日本からの観光客の方もいらしたようだ。

バルサの選手のスペクタクルなプレーとそれを後押しするバルセロニスタたちの熱い応援。それが合致し、素晴らしい「作品」をカンプ・ノウで作り上げているのだろうと実感した。

バルサのサッカー=主旋律、カンプ・ノウのバルセロニスタたちの声援=低音パートに例えるのなら、まるでカンプ・ノウ全体がオーケストラ、いや ジャズバンドと例えればいいだろうか?バルサのサッカーは即興、アドリブっぽいし 「Swing(スウィング)」しているよう。選手とお客さんが作る「SWING GIRLS」ならぬ 「SWING バルサ」ってな感じでしょうか(生「うぃ!」、良かったでっす!)。

バルセロナの街は本当に活気あり、当然素晴らしい街だった。そしてFutbolがきっちり根付いている街であったと旅行の期間中ずっと思った。

市内の某所には小さなスタジアムがあり、そこでは少年サッカーの 練習に試合が行われていたし、日曜はミニ・エスタディでバルサBの試合あり、カンプ・ノウ脇にある2つの土のグラウンドでは小学生、高校生の地域リーグなのだろうか、「ブラウグラナ」基調のユニを来た「未来のバルサの選手たち」の試合も行われており、通りがかりの方々が熱く見守っていた、など。Futbolと共に生きる街=バルセロナという思いを強くし、日本に帰国してきた。バルサBの試合は必見です。

ミニ・エスタディはこじんまりとしつつ どこか西が丘球技場みたいなスタジアムでした(私が見た試合はグラマネ相手に 0‐0のエンパテ…メッシーは早かった!)。バルセロナを愛するものなら、一度はカンプ・ノウという「聖地巡礼」を果たすべきです。あなたのバルセロニスタ人生を変える出来事になること でしょう