ペップ語る。
監督からのメッセージに、選手たちがどうリアクションするか期待。
さてバレンシアとのコパ準決勝イダです。今週前半はマドリーとの7ポイント差にまつわる話題や審判問題が主役となっていましたが、そういった事柄は隅っこへと押しやり、眼前の試合に周囲も集中しなければなりません。バレンシアは決勝進出を目指し、このバルサ戦に非常に気合が入っている。試合以外のテーマに気を取られていては、好ましい結果は訪れないのです。クレはペップチームを信じています。選手たちはきっと、メスタージャでリアクションを見せる。良い手土産を持って、彼らが帰宅できますように。
◇「全てのタイトルを獲りにいく」
試合前後の記者会見ではなにかとファンを唸らせてくれるペップ・グアルディオラ。今回のバレンシア遠征を翌日に控えた会見もまた、なかなかのものとなりました。話題に事欠かないチーム状況だけに注目を集めていたこの会見だったのですが、我らのミスターは期待を裏切らないというか。45分もの間、メディアを前に語り続けたことで、グアルディオラがいかにこの瞬間が重要だと捉えているかが伝わってきます。ペップはバルセロニスタに対し、明確なメッセージを送りました。
「全てのタイトルを勝ち取るために私たちがあらゆる努力を行っていくと、ファンには知ってほしいんや。バルサは戦い続けていかなあかんし、それが最も重要なことでもある。今一番大事なのは、明日のコパ。私たちがどのコンペティションを優先しているかなど、訊ねないでほしい。ファンは私たちが試合に勝つことを望んでいるし、それが私たちの義務なんや」
グアルディオラは、チームの選手たちをとことん称えます。「こんなチームはもう二度と率いることはないやろう。私に出来るのはただ、彼らに誠実であることだけ。すべてを為したあと、この選手たちがどこからパワーを引き出してくるのか私には分からへんよ。彼らはここまで、信じられないほどのメンタルの強さを証明してきた。たしかに今シーズン、私たちは1試合に敗れ、あまりに多く引き分けてはいるけれど、引き分けた試合で私たちより良いプレーをしたチームはなかったんや。リーガはまだ18試合が残されている。5試合やなくてね。リーガを落としたと考えている人たちがたくさんいるのは知っているし、私が彼らを確信させられないことも分かっている。しかし彼らもまた、私を確信させることはないんや。なぜなら、私はここの子(選手)たちをよく知っているからね。喜びを取り戻さなあかんし、それは幾つかの良い結果によって得られるやろう。私たちがまた勝てると、私に思わせてほしい。もしそうしなければ、私たちはライバルを祝うことになるやろう」
◇ライバルが上をいった
リーガでの7ポイント差については、ペップはこう考えを述べています。「私たちはとても良いシーズン前半戦を送ったけれども、最優秀とまではいかんかった。8.5か9点の出来やったけれど、9.5か10点満点のチームが別にあったんや。ここから私たちは、再び尊敬を勝ち取らなければならない。過去の功績で尊敬されることを望んではないんや。私たちを批判する人たちを、私が咎めることはない。私たちが望むのは再び勝利することで、そういった意見を変えることなんや」
「レアル・マドリーが勝っているのは、彼らがとても良いからに他ならない。もし彼らが勝利するなら、私たちは彼らを称えるよ。それがスポーツなんや。ナダルはジョコビッチと6時間プレーをし、あとほんのわずかで勝利を逃した。そして試合が終わるとライバルを祝福し、彼はすごいヤツだと言っている。それがスポーツというものや」
「スポーツでは、頂点につかないのと同じように、底をつくこともない。そやけどビジャレアルではチームはかつてないほどに走っていたし、相手チームの枠内シュートは1本やった。私たちが底をついていたわけやないんや。ファンは逆転を夢見ていると私は信じている。そしてそれは私たちのファンの伝統的メンタリティの変化を意味すると期待しているんや。でもそれは負けがもっと込んでから分かることやろう。多くを勝っている今は、ファンが信頼しているのが普通や。物事が上手くいかんようになったとき、ファンやクラブがプレースタイルを信じ続けられるかを見ていく必要がある」
◇審判について
この会見で最初のテーマとなったのは、しつこく審判についてでした。この日はサンドロ・ロセイ会長が、"今年はジャッジがバルサに好いようにいってないね"というふうにコメントしていて、マドリ系メディアなどはヤンヤと大きく取り上げているのですが、グアルディオラはいつものように、この件については口を突っ込もうとはしていません。「監督となってからの4年間、私たちは審判について不満を述べてはこなかったと思っている。それは優先事項ではなかったし、私たちのやり方でもなかったからね。適切な行動があったかどうかを意見するのは、また別のこと。審判も選手も監督も、間違いを犯す権利を持っているんや。私は審判は存在しないと考えるようにしている。彼らの仕事はとても難しいし、私たちには彼らと助けあえへんと思う」
「審判が間違ったときには腹は立つけれど、彼らが間違うのと同じように私も間違うんや。私は審判に圧力をかけるつもりはない。私を偽善者と考える人もいるやろうけど、私には良心に恥じるところはないよ。私は組織を代表して話をしているんや。明日は私たちに有利な間違いがあるかもしれへんしね。この4年間、私たちは模範的であったと思う。500万人の失業者がいるときに、どう審判に不満を言えばええんやろう?」
◇マーケットよりカンテラ
怪我人多発のチーム状況についての質問も、もちろんありました。ペップは言います。「マーケットのことも少しは考えはしたんやけれど、そこに私たちを満足させるだけのものはなかったよ。私はフィリアルの選手たちに賭けたいと思う」。プレーへの適応を考えれば、カンテラの若者たちに託すほうが、結局はプラスになる。いつもの答えです。またペップは今回、(シティから破格オファーのウワサの出た)チアゴ・アルカンタラについても特別にコメントしています。「私はあらゆる意味でチアゴに惚れているし、彼がなにを与えられるかも知っている。彼は長年にわたってクラブに多くをもたらしてくれる選手なんや」
ちなみにミスターは怪我によってチームを離脱中の選手たちのことを、こんなふうに言っています。「彼らにいてほしかったよ。それによって私にはより多くの可能性を手にするからね。でもそれは起こり得ることやし、この状況と共存していくしかないんや」
時折はベンチに入るものの、まだ闘病中のティト・ビラノバについては、グアルディオラはこう語りました。「状態が良くなれば、ティトは私たちのところへ来るよ。そうでなければ、私たちにとって大きな欠場者となる。彼は今、病と闘っている。彼は称賛に値する人物やし、彼が友人であり、近くにいてくれることは誇りや。ティトが自宅にいる時は、ハーフタイムなどに電話をかけるようにしている。彼はフットボルに関して、特別な嗅覚を持っているからね」
◇契約更新は二の次
そろそろ自身の契約延長についてもなにかコメントがあるのではないか・・・と期待されたこの会見でしたが、案の定というか、ペップはその話題はさっさと脇へ押しやっています。「毎日私を支えてくれる会長や理事会には感謝してるよ。それに決断を下した場合は、まず第一に会長とスビサレッタに伝えるやろう。でも今はまだ決断はしてないんや。私は自分にテストを課さなあかん。選手もファンも、この件について気にする必要はないよ。私は今、自分の仕事に集中しているんや。私たちは勝つべきやった試合に勝ててへんし、私は選手たちに彼らが最高のチームであると確信させようとしている。今重要なのは、バレンシアに私たちのユニフォームを守りにいくこと。メスタージャでこの4年間のように戦うことが重要であって、私の契約更新ではない」
ペップの言葉をすべて拾えたわけではないのですが、長かった会見でのおおよそのところはこんな感じです。ミスターはその言葉通り、今夜のメスタージャ決戦にばりばりの面子を送り込んでくることでしょう。SPORT紙の予想スタメンは、ピント、アルベス、プジョル、マスチェラーノ、アビダル、ブスケツ、チャビ、チアゴ、セスク、メッシ、そしてアレクシス。晴れて昨日、トップ契約を手にしたクエンカ(憧れのマイケル・ジョーダンの背番号23をゲット)を先発とみるメディアもあり、どちらであっても期待です。出番があるなら、テージョも楽しみ。でも一番の楽しみはやはり、ここ2試合での勝ちナシ+ペップメッセージで気合の入っているであろう選手たちのリアクション。好いプレー頼みます!そしてせっかくなので良い結果も!バモス!
|