話題はペップ。
誰もが尋ねられる、ペップ・グアルディオラの契約延長。
バレンシア戦にスカッと快勝し、久々に楽しい週始めとなっているバルセロニスタ。チームも火曜日までは休日となっていて、選手たちはここぞと各種スポンサーイベントに登場しています。ちょっとしたリラックスムードも漂うカンプノウ周辺なのですが、しかしながら呑気全開でもいられないのは、ペップ・グアルディオラの契約延長がなかなか行なわれないからです。報道陣のマイクがあれば、選手たちが必ず訊ねられるのがミスターの契約について。待つしかないとはいえ、やきもきする状況であります。
◇ピケ、「ペップは契約延長すべき」
まずはWAKA旦那のジェラール・ピケですが、彼はこの月曜、スペインを代表するファッションブランドMANGO のプロモーションイベントに出席しています。世界各国にショップを展開してまして、お手頃価格で日本でも人気だとか。調べてみると、原宿や池袋、大阪阿倍野、埼玉などに店舗あり。MANGOのウェブサイトにいけば、モデルピケの男前写真を見ることが可能です。
このところなにかと話題のピケなので、彼にはあれこれと質問が飛んでいるのですが、ミスターの契約延長についてはこんなふうにコメントをしています。「ペップはこれからの人生の楽しみのためにも、延長すべきやね。ロッカールームの全員がペップの続投を望んでいるし、僕だってそうなんや。彼が迷っている理由が、選手によるものやとは思わへん。なにか他に、考えるところがあるんやろう」
レバークーゼンでスタンド観戦をさせられたことで、ペップとピケの関係が悪化した、というイジワルなメディアも存在する今日この頃。それについてはピケはばっさりと否定しています。「あれは技術的な決定やったんや。ミスターは選手とすごく会話をする監督。なにか問題点やらがあったなら、僕たちはいつも話し合ってるよ。僕とペップとはいい関係にあるし、話すべきことがあるなら、直接意見を交換している。彼は僕に多くを与えてくれた人物。彼の決定に僕が口を出すことは絶対にないよ」
ちなみにこの日のジェラールにはシャキーラにプロポーズしたのか?という質問もありまして、彼の答えは「今のところ結婚の予定はなし」。彼女との交際がプレーに影響しているのでは?という問いに対しては、「昨シーズンもシャキーラとは付き合っていたけど、僕らはリーガとチャンピオンズを獲っている」と返しています。
◇チャビ、「グアルディオラは契約延長するやろう」
一方、バルセロナを代表する銀行La Caixa(ラ・カイシャ)のプロモーションイベントに参加したのはチャビ・エルナンデスです。こちらでもリーガでの現状に加え、グアルディオラに関する質問は定番。バルサの6番は報道陣の期待に応えるように、こう考えを言いました。「ミスターは僕らに大きな自信を与えてくれたんや。彼はこのチームのカギとなる人物やし、僕らは彼に契約を延長してほしいと思ってるよ。僕らは彼とすごく上手くやれているからね。僕らは彼の決断を待つしかないけど、最終的にはペップは契約を延長するやろう」
その他、リーガに関しては「僕らは絶対に諦めない。だからファンもタオルを投げないで」とメッセージを送ったチャビ。気になるふくらはぎの状態については、「だいぶ良くなってるから、日曜(のビセンテ・カルデロン)では100%になってるとええね」ということなので、まずはひと安心です。
またこの会見では、先日バルデスに投げかけられたのと同じく、"カンプノウでマドリーにパシージョ(花道)をすることになったら?"というイジワルな質問もありました。これに対してチャビは、トラップに落ちることなくこう答えています。「僕たちは何年か前にベルナベウでパシージョをやっているし、それが僕らの体面を傷つけることはなかった。僕らは負け方を知っているんや。バスケットチーム(コパ決勝でマドリーに敗れた)がそうやったようにね」
◇どんな状況?
ペップ・グアルディオラの契約延長に関しては、バルセロニズモ全体が以前からやきもきしていたのですが、バレンシア戦の前日会見で「まだ決断は出ていない。バルサ監督を続けていけるという確信をまだ得られていない」と告白したことで、この話題はいっそう盛んになりました。正直にそう言ってしまうところがペップらしさであり、クラブの大恩人である彼がもう少し時間が欲しいというのであれば、クレはただ彼の決断をじっと待つしかありません。実際のところは、そろそろ真剣に気になって仕方がなくなっているのですが。
ただ、我々よりもずっと多くの情報を手にしているクラブの関係者たちは、概ね楽観的な見解で一致しています。ジョゼップ・マリア・バルトメウ副会長もスビサレッタSDも、グアルディオラの新契約書へのサインは時間の問題だろうとしてまして、こちらとしてはそれを信じたいところ。ペップが来季のチームプランニングやバルサB選手たちの昇格決定にこれまでどおりに参加しているというのが、続投希望派の拠り所としたいミスターの行動です。そこにはペップが仕事を辞めようという気配は、微塵も感じられないからです。ちなみにバルトメウ副会長が認めたところでは、ペップとスビは先週、この件に関して話し合いを行なっています。
しかしペップ本人による言葉がなければ、結局のところは憶測の域をでません。昨年はチームの周囲が騒がしくなるのを避けるため、彼は1月にさっさと契約延長予定を発表していた。それが今年はここまで延びているわけですから、本当にペップは迷っているのでしょう。クラブはミスターに回答期限を設けてはいませんが、もし退任する場合の次の人事のことも考えると、ペップはそうぎりぎりまで引っ張りもしないはず。よってあと1ヶ月くらいが目安ではないか、とSPORT紙は言っています。どうぞいいニュースが届きますように。
◇オスカル・ガルシア、退団へ
月曜にカタルーニャ・ラジオがすっぱ抜いた情報によりますと、現バルサフベニールA監督のオスカル・ガルシアが今季かぎり(6月30日)でクラブを去ることになるそうです。その理由は、バルサとはまた別のところで勉強がしたい、大きな挑戦をしたいからだとされています。オスカルとクラブには、あと1年の契約が残されています。
オスカルは現ローマ監督のルイス・エンリケと並び、いずれペップの後継者になるだろうとされてきた人物です。年齢は1973年4月生まれの38歳で、ドリームチーム時代にクライフによってトップデビュー。バレンシア、エスパニョールなどでプレーした後に引退し、今はフベニールAで指揮を執っています。昨シーズン、フベニールであらゆるタイトルを獲得したことで、その評価はうなぎ上り。ヨーロッパのメジャークラブから、次々オファーは舞い込んでいるようです。
カタルーニャ選抜ではクライフのアシスタントをしているように、御大の信任も厚く、いずれオスカルがカンプノウのベンチに座るのはまず間違いないでしょう。チャーリー・レシャックもまた、このオスカルをペップの後任候補として相応しい人物だ、とコメントしています。
◇スポンサー活動への参加緩和
ところで前述したように、この月曜にはピケとチャビが各々のスポンサーによる告知イベントに出席をしているのですが、この選手たちの個人的なイベント参加に対し、チーム内の決め事に変更があったそうです。
今シーズンのバルサは、例年にも増してスケジュールが立て込んでいました。ミッドウィークに試合があることは日常で、これらの仕事に選手たちを集中させるため、ペップ・グアルディオラは試合前のスポンサー(慈善)活動への参加を禁止していたのです。よって事実上、選手たちが個人的なイベントに顔を出すことはほとんどありませんでした。そういうのはほぼ、バケーションや代表戦ウィークなどに限られていました。
しかしここへきて、ペップはこの制約を緩和。20日の月曜からより自由度が与えられ、さっそくピケたちがMANGOやLa Caixaのプロモーションに登場したというわけです。今週はさらにチャビの別のスポンサーイベントや、イニエスタ、ダニ・アルベスらのイベント参加も控えています。
ただしこのイベント活動解禁も、一時的なものになるとの見方が主流です。3月上旬まではリーガに専念できる状況のバルサですが、7日にはレバークーゼンとのチャンピオンズ1/8ファイナル・ブエルタが控えており、また忙しい日々が戻ってきます。それ以降はこれまでと同じように、試合に集中せよ!の内部コードが復活することでありましょう。
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