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2012年2月23日

ダニとセスク。

 

ダニの独特コメントと、怪我の減ったセスクと。


◇アルベス節

久しぶりに平日ゲームのない一週間ということで、あちらこちらのイベントに顔を出しているバルサ選手たち。そのなかでも特に異彩を放っているのが、公式ウェブページ発表会見に登場したダニ・アルベスでありました。元々コメントには独特の味があるダニは、この水曜日もアルベス節を炸裂。メディアとしてはどの言葉を見出しに使うか、迷ったに違いありません。例えば最近定番のペップについては、ダニーはこんなふうにコメントしています。

「グアルディオラがいると、僕らはずっとハッピーになれるんや。彼はこのクラブに笑顔を取り戻した人物。彼がいなければ、僕らなんかつまらんもんや。グアルディオラはきっと契約を延長するよ。まだ彼がそうしてないのは、僕らが今シーズンの大事な時期にあるからやと思う。グアルディオラがおらんかったら、このチームは土台を失って倒れるよ。僕らを安定させてるのは彼なんや。それに僕らは、グアルディオラに感謝する必要がある。もし明日彼がここからいなくなっても、僕らは彼に感謝をせなあかんのや。ペップとペップグアルディオラは以前はたくさん毛があったのに、僕らがそれをなくしてしまった」(それを受けてのSPORT紙の一面が、これになるわけです)

グアルディオラがいなくなればマドリーは幸せか?と問われ、「おそらくはそうやろう」と言うアルベスは、こうも言っています。「もし彼が契約を延長せんかったら、僕ら選手が責任を感じるやろうね。彼のおかげで僕はここにいれるし、チームは多くのものを勝ち取ってこれたんや。僕らは急いではないけど、彼の契約延長を望んでるよ」

ダニは最近プライベート絡み(最近離婚)でプレーが低調になっていると批判を受けています。バレンシア戦が出場停止だった週末には、チームを離れてグラナダへと行っていました。「グアルディオラが僕に、顔を見たくないから5日間出て行ってこいと言ったんや。リフレッシュしてこいということやったから、それで僕はグラナダへと行ったよ。もし監督が僕に6階から飛び降りろと言うのなら、僕はそうする」。ちなみにダニはこれを、冗談のトーンで言ってます。

そして。「批判も賞賛も、僕らに影響を及ぼすことはない。プライベートのウワサで僕が不愉快になることもないんや。クラブは僕に疑問を抱いてはいないし、僕はいつものように働いている。判断されるべき数字はあるわけやし、それが悪くなったなら、僕はここを去るよ。同僚や監督に批判をされたら気に病むやろうけれどね、彼らは僕のプロ魂に疑問を持ってない。彼らから批判をされる日がきたら、それがアディオスの時なんや」

先日のチャビと同じように、この日のダニもモウリーニョについて質問を受けているのですが、彼の回答は第2カピタンと変わりはありませんでした。「モウリーニョは僕の友達やないからね。彼のことは別にチェックはしてない。彼が続投するかどうかは気にしてない。僕が気にしてるのは、グアルディオラのほうや」


◇セスク強化プラン

23日付のSPORT紙に、マルティ・ペラルナウ記者によるセスク・ファブレガスのフィジカル改善に関する記事が掲載されています。とても長い記事なのでつまみ食い的に紹介しますと、次のような感じになっています。

10月1日の練習において、セスクは高すぎるボールを頑張って取ろうとした際に右脚の筋肉を傷め、全治3週間の肉離れを起こしてしまいました。アーセナル時代、怪我の多い選手だと言われていた彼。しかしながらバルセロナでの筋肉系の怪我は、現時点ではこれが唯一です。ここまでにセスクはすでに33試合に出場し(+代表で6試合)、1シーズンでの出場記録(06/07の54試合)を更新するのは確実とみられます。それは偶然か?いえいえ、そこにはちゃんとした理由があるのです。

大雑把にいえば、ペップチームとアーセナルのトレーニング&怪我予防メソッドはまったく違っているそうです。ガナーズでは選手みんなが同じトレーニングを行い、選手の状態を分析するためのツールもない。故に十分に休養が取れていない状態でセスクは練習に復帰し、怪我を繰り返していたというわけです。16歳でロンドンへ行ってから、周りの大人たちと同じメニューをこなしていたのも問題だったとペラルナウ記者は言います。アーセナル(や英国の多くのクラブ)の練習の特徴、それは個別メニューといったものがなく、年齢や身体の状態に関係なく、みなでいつも同じトレーニングを淡々とこなすというものだそうです。

ゆえにセスクとバン・ペルシーは2010年から個人トレーナーと契約し、コンディション向上に着手。それによって2010/11シーズンは筋肉の裂傷といった長期の怪我はなくなり、離脱期間の平均日数も減少していたらしいのですが、さらに負傷する回数自体も減少したのはバルサに入団し、個別メニューによる管理が徹底されるようになってからです。

el tirante musculadorバルサで行なわれている筋肉トレーニングについては、ペラルナウ記者の記事で詳しく説明してあるのですが、それはこちらでは省略します(専門的でワタクシには難しいので!)。シーズンを通し、トレーナーや物理療法士たちとともに、かなり個別化されたトレーニングを行っているということで理解ください。普段公式ニュースでは毎日特に詳しい説明はないですが、毎セッション、選手たちは最新式の鍛錬にいそしんでいるのです。その代表がこれ(el tirante musculador→)。筋肉を伸ばしながら強化もできる方法らしいです。選手たちは毎日これを、トレーニングの最初と最後にやっています。

いずれにせよ、こういった筋肉強化トレーニングや個別に組まれた予防プログラムは、セスク・ファブレガスのコンディション向上に役立っているとみていいでしょう。まだ疲労困憊といった様子で途中交代することの多いセスクですが、着実に彼のボディーは変身を遂げているはず。バルサ選手たちはこの3月から5月にかけて、ぐいぐいとパフォーマンスを上げていきます。その重要局面できっとセスクも、チームをたくさん助けてくれることでしょう。頼むぜ、フランセスク。