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チームマルティーノ

 

日課を守る“慣習の人”

バルサトップチームの新監督に就任することが確実視されているヘラルド・マルティーノ、通称タタ。各方面による証言からすると、どうやらペップバルサに近い哲学を持った監督さんのようなので、その点ではひと安心です。あとは出来れば、気難しくて辛気臭い人物であるよりは明るい性格の人だったらいいな、と思うわけですが、彼の人となりを紹介した記事がSPORT紙にありましたので、ちょっと覗いてみましょう。

その記事が定義するところでは、タタ・マルティーノは“慣習の人”です。つまりは決まった行いを、毎日きちんと行うお人。なんでも彼は毎朝とあるカフェにて、ニューウェルスを愛する友人たちとお茶をするのがお決まりらしく、生まれ故郷であるロサリオにニューウェルス・オールドボーイズ(NOB)監督として戻ってきて以降、欠かすことなくその日課を守っているそうなのです。ちなみにそのカフェは、コルドバ通りとイタリア通りの交差する角にあるレストランバル、“PAN & MANTECA”。もしロサリオを訪れる機会があれば、所縁の店として行ってみたいものです。

タタさんはバルサ入団が現実のものになろうかという昨日も、いつものようにPAN & MANTECAへと出かけ、いつもの窓際席(常連なのでリザーブされている)に座り、コーヒーを飲みながら友人たちとおしゃべりを楽しんでいたそうです。ロサリオではそういうおじさんたちは珍しくないらしく、いつもはただの一般客として朝の会を行っている彼なのですが、さすがに昨日は時の人となっただけに注目を集めるのは避けられず。さらにはタタの日課を知る記者たちが店へと押しかけたりもしたそうで、それを察した彼は一足早く帰宅したとかなんとかかんとかです。

また、タタさんたちはもう1つ、水曜夜のフットボル試合というルーチンも持っているらしいのですが、こちらもまた、彼のバルセロナ暮らしが続く間はお預け。彼も友人たちも、ちょっぴり寂しくなりますね。

 

3人のスタッフたちとバルセロナ上陸へ

ヘラルド・マルティーノは今回、彼の“チーム”を引き連れてカンプノウへとやってきます。これが欧州初上陸となる彼はクラブへとスタッフを帯同させることを求め、その方が結果を出しやすくなると理解した理事会が、3人の入閣を認めたのです(本当は4人を希望したけれど、クラブの要望で3人になった模様)。

まずはマルティーノがNOBで選手だった時のチームメイトで、1998年に監督業を始めて以来、15年間行動を共にしてきた懐刀のホルヘ・パウタッソ。続いてメッシがNOBのカンテラ時代(11-13歳)のコーチで、この子は絶対にクラックになるからホルモン治療を援助すべきだと上層部に進言していたアドリアン・コリア。メッシはつまり、カデッテB時代のコーチだったティト・ビラノバに続き、ここでも少年時代の指導者との再会を果たすわけです。パウタッソとコリアはどちらも、マルティーノのアシスタントを務めます。

そして3人目がフィジカルトレーナーのエルビオ・パオロロッソ。彼とコリアはパラグアイ代表監督時代にタタチームに入った人たちで、つまりは代表選手たちのコンディションを管理してきたトレーナーということになります。2010年のムンディアル南ア大会にてパラグアイ史上初のベスト8進出を果たし、準々決勝のスペイン戦ではタフなプレスでチャビ、イニエスタ、ブスケツらの中盤を苦しめたチームを作ったスタッフたちですね。

 

今いるテクニコたちの去就は?

そういった優秀なスタッフが新たなるクレファミリーに入るのは良いとして、気になるのは今いるテクニコたちです。ジョルディ・ロウラ、アウレリ・アルティミラ、そしてルビたちはいずれもティト・ビラノバのスタッフであると共に友人でもあり、ただでさえ親友の病再発にショックを受けている。ティトがチームを去った時点で、自分たちも同じく辞任しようと考えたことでしょう。

しかし彼らは(とりあえず現時点では)去る道を選ばず、ティトに代わってチームのトレーニング指揮を執っている。そして水曜日のバイエルン・ミュンヘン戦でチームを率い、ノルウェーでの親善試合(対バレレンガ。土曜)をプレーした後、クラブと話し合い、去就を考えることになる見込みです。

ヘラルド・マルティーノとしましても、右も左も分からないバルサですので、クラブや選手たちのことをよく知っているスタッフを身近に置いておく必要があります。ペップがテルセラでバルサBを率いるようになった際、そのカテゴリーを熟知しているティトを呼んだようにです。もしテクニカルスタッフとして残らずとも、フロントやスカウトとしてクラブに残る道もある。あとはロウラやルビたちの決断次第となりましょう。

 

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