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ルーチョは続投を決断か

選手たちとの関係もずっと良くなっている模様。

フットボル史上初となる2度目のトリプレーテ達成へと向け、一歩ずつ着実に歩を進めているFCバルセロナ。その指揮官であるルイス・エンリケが来季もチームを率いるのかどうか、は順調なチームの中における懸案事項の一つとなっていました。彼の去就に関するウワサは消えることなく、シーズン終了後に退団を表明するとの情報が真実味をもって語られることもしばしば。しかしながら、ビセンテ・カルデロンでのリーガ優勝決定後、ルーチョと選手たちの関係が良くなっているとの記事が出始め、今回は監督がすでに続投を決めたとのニュースが登場。前向きスパイラルにあるバルセロナです。

会長のサポート、諸問題解決

ルイス・エンリケは続投する!”との見出しをつけたSPORT紙によりますと、年始のアノエタでの敗北に端を発したぷちクライシス以降、ルーチョはバルセロナで監督を続けるべきか迷っていました。バルセロナは1月4日のレアル・ソシエダ戦に残念な形で敗れ、新年黒星スタート。その翌日には強化部長だったアンドニ・スビサレッタが解任され、その助手だったカルラス・プジョルもクラブを去ったほか、レオ・メッシとエンリケの仲が相当こじれているとの報道がクラブを揺るがせました。そしてバルトメウ会長が和解に動き、夏の会長選挙実施を発表、さらにメッシが「すべてウソ」だと断言し、アトレティコ・マドリーに快勝したことで騒動は鎮静化したのでしたが、監督の迷いが消えたわけではありませんでした。

ルーチョの心を煩わせていた原因はクラブからのサポート不足でした。最大の支援者だったスビサレッタと彼のスタッフたちがバルサを去り、味方といえば親友でアシスタントのファン・カルロス・ウンスエらコーチ陣くらい。チャビあたりも尽力していたとは想像できますが、元々選手たちとは距離を置く監督ゆえ、クラブからのサポートがルイス・エンリケには重要となります。近しい友人たちには自分がフロントからあまり支えられているとは感じない、信頼されていないように思えると打ち明けてもいたようです(真偽不明)。ルーチョは来季のチーム編成会議にも参加せず、退団は濃厚だと言われるようになっていました。

そういった状況で、問題解決に乗り出したのがジョゼップ・マリア・バルトメウ会長でした。会長はこの数ヶ月間、ルイス・エンリケと個人的な話し合いの場を何度も作り、ルーチョの不満を聴取。彼の悩みを消すとともに希望を叶えるように努めてきたらしく、手短に言えばそのバルトのサポートが功を奏し、ロッカールーム内での諸問題はあらかた解決、ルイス・エンリケは強権を発動することなく選手たちを管理できるようになり、今では不安もなくなったとのことです。

よって後はガッツ監督の口から続投宣言がなされるのを待つのみ、という状況のようですが、自分のことはシーズン終了後だと繰り返し強調している彼なので、発表があるとすればベルリンでのチャンピオンズ決勝終了後でしょうか。毎年監督を交代させても碌なことはないですし、ここまでチームを立て直したルーチョが契約(~20166月)を全うする気力に溢れているのなら、大いに信頼して任せるのが良いでしょう。なんにせよ、まずは残る2つの決勝戦に全力集中ですが。

チームの大半が続投を支持

ルイス・エンリケと選手たちとの関係が大いに良くなっている、とのニュースも各紙で見られます。シーズン途中にはチームの中心選手たちと摩擦があったとされる監督ですが、時間が経過するにしたがってそういった問題は解決。今ではチームの大半がルーチョの1年での退団を理解できないだろう(SPORT)ということらしいので、えらい変化っぷりです。

昨季タタ・マルティーノが挫折したバルサのロッカールームへの適応。長い時間を共に過ごし、苦楽を共有してきた選手たちの“ブロック”に“余所者”が途中から加わっていくことの難しさは、良い人間が揃っているとされるバルセロナでも大差はないようで、バルサ出身のルイス・エンリケといえども苦労しました。特に最初はローテーションの積極実施やらカウンターによるダイレクトな攻めへの変化などがあり、選手たちを納得させるのが難しかったらしく。ティキタカ+αへの変化はタタさんも目指したところでしたが、彼が失敗し、ルーチョが成功したのは、ルーチョの勝者のキャラクターに説得力があったのでしょうか(+バルサを知っていること、カリスマ性)。見えないところでたくさんの配慮や努力があったのだと思います。

SPORT紙によれば、あるベテラン選手は「今彼が去るのは恐ろしいエラーとなるだろう」と言っているらしく、また別の人物による「恐ろしいダメージになる。それはまたゼロから始めることを意味するので」との声も紹介されている。軋轢が伝えられたレオ・メッシもまた、クラブのためにはルイス・エンリケの続投がベストだと考えていると言わています。

選手との接し方にも変化か

選手たちがルイス・エンリケを支持するようになった理由としては、一番に挙げられるのはやはり彼のチームが結果を残している点でしょう。しかしそれだけではなく、監督の選手たちとの接し方に変化があったらしいことも、彼らの心を動かした一因のようです。

MUNDO DEPORTIVO紙が伝えるところによりますと、シーズン開幕当初、選手たちの不満の一つは新監督のチームとの距離でした。ルイス・エンリケは選手たちと必要以上に関わろうとせず、会話といえばトレーニング中の指示くらいだった。監督という職業は選手たちの好まない決断をしなければならないので、敢えて彼らと仲良くならないと考える、ルーチョはそういうタイプの監督だったわけです。

しかしそんなルイス・エンリケにも変化が出たんじゃないか、と思わせる場面がここ最近はちらほらと現れていると同紙は例を挙げます。たとえば先日のリーガ優勝を決めたビセンテ・カルデロンでは、ルーチョはピッチサイドで給水するレオ・メッシの背後へと近づき、なにやら冗談ぽいことを言って2人で楽しげにしている(後半27分頃)。さらにその後のロッカールームでのお祭りの際にはハビエル・マスチェラーノと熱い抱擁を交わし、ネイマールとも笑顔でなにやら喋っている、という具合です。その他、以前はあまり見られなかった選手たちとの抱擁が明らかに増えている。ルイス・エンリケが選手たちとの距離を縮めたと推測できる事柄です。

だから続投間違いなしと言うのは短絡的とはいえ、なにかと良くない話のあったロッカールーム内が、トリプレーテへの希望とともにがっちり団結しているのは間違いないでしょう。各メディアがルーチョと選手たちの関係が良くなってるぞーと伝える。とても好ましい状況です。

 

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