移籍と契約解除、その違いとクラブに得なのはどちらか

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税金が異なり、買い手クラブのコストが違ってくる

夏のオフシーズンを迎えると、ラ・リーガでは特によく目にするようになるのが契約解除条項(la cláusula de rescisión)という言葉です。

2018年夏のバルセロナなら、クレメン・レングレの獲得方法。
2017年はPSGがネイマールの引き抜きに利用。
この契約解除金を支払うことで、選手が一方的に契約を解除して他クラブへと移籍することが可能になります。

でも通常の移籍と比べて、解除金支払いだとどう違うのか。
自分でも詳しくは分かっていなかったので、改めて調べてみました。

通常移籍と契約解除の違い

まず通常の移籍金支払いについて。
これはクラブとクラブが交渉を行い、ある選手の登録権をやりとりします。
商業活動なので付加価値税の対象になり、税率は21%です。

契約解除条項は1985年からスペインフットボールに導入された方法で、定められた賠償金を支払うことによって、所属クラブとの労働契約を終わらせることが可能になります(選手が移籍を望まなければ、契約解除条項を利用した引き抜きはできない)。

商業活動ではないので付加価値税の対象にはならない。
その代わりに、選手が個人所得税(47%)を支払うことになるかもしれません。

契約解除金は相手クラブに直接支払われず、一度ラ・リーガにデポジットされます。

契約解除金の支払いに二つのケース

契約解除条項で所得税が発生するのは、選手が買い手クラブからお金を受け取り、ラ・リーガに入金する場合です。選手の口座に振り込まれるお金、これが労働への報酬、所得と見なされる。

この個人所得税分(47%)は通常、引き抜きを狙うクラブが負担するので、コストはおよそ1.5倍になります。

クラブが直接、ラ・リーガに全額を入金すれば、所得税は発生しません
ただしこの方法はFIFA規約とラ・リーガ規約の間に一致がないため、法的な後支えがないらしく、ややこしいことになる可能性もあるようです。ということは、国内の移籍の場合は問題ないか。

通常移籍に多くのメリットあり

したがって買い手クラブのコストが最も大きくなるのは、契約解除条項を用い、かつ選手がラ・リーガに入金する場合です。

契約解除条項を使っても、クラブ間合意があるなら、それはもう通常移籍なので付加価値税の支払いとなる。

そして付加価値税は間接税なので、控除できる仕入れ付加価値税額が売り上げ付加価値税額を超える場合はその還付を請求でき、チケットやグッズ、放映権料で消費者から預かった付加価値税とクラブが選手移籍のために支払った付加価値税で相殺(控除?)できる、クラブは付加価値税を取り戻せる云々・・・

つまり付加価値税は発生しないのと同じになります。

あとはクラブ間の話合いによって分割払いにもできるし、後払いも可能になる。
そりゃあ各クラブは契約解除条項ではなく、移籍金の支払いによる権利の譲渡を希望しますよね。

引き抜きたければ、契約解除でどうぞ

選手を引き抜かれそうで面白くないクラブが、獲りたければ契約解除条項を使え、と頑なに交渉に応じないケースも理解できます。

たとえば2017年夏のPSGは、バルサからネイマールを引き抜こうとする際、契約解除金の2億2,200万ユーロよりも支払いを増額するから移籍交渉にしてくれ、と求めていたと報じられました。

でもバルサはそれを断わった。

2018年は逆に、セビージャからクレメン・レングレを引き抜こうとしたバルサに対し、セビージャは交渉に応じようとはしませんでした。

無理から引っこ抜くので、オペレーション発動後に遺恨が残ることがあるのも問題。
売ったり買ったりが日常のクラブは衝突による関係悪化を避けるべく、交渉による移籍を模索するのが通常です。

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『移籍と契約解除、その違いとクラブに得なのはどちらか』へのコメント

  1. 名前:灰色のキツネ 投稿日:2018/07/13(金) 11:02:18 ID:a96061ebd

    いつも面白い記事をありがとうございます。
    この記事はいつも以上に勉強になりました。

    バルサファンの記憶に残ってることと言えば、マスチェの移籍の際に、契約解除金の一部をマスチェが負担をしたと言うことがありました。
    バルサからマスチェの口座に振り込まれて、マスチェがラ・リーガに支払ったと言うのが手続き上正しいことだったでしょうね。マスチェ側からだと(バルサへの請求額)=(ラ・リーガへの支払金)ー(約束した自己負担金)という形になるのでしょうか。

    税金関係を含めると凄い金額が動くから、バルサは値下げしたかったんですかね。
    この記事を見ると、契約解除金を払いたくないクラブの事情(これはバルサに限らずですが)がわかる気がしました。

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