すでに思い出の街へと入ったペップバルサ一行。
さてさてやってきました。めちゃんこ楽しみでありつつも、心臓ドキドキの1週間!チャンピオンズ準決勝イダ → クラシコ→ 同ブエルタと続くこの7日間は文字どおり、バルサのタイトルへの望みが残るか潰えるかの懸かった、大勝負の1週間であります。心臓破りウィークのまず一発目は、水曜のチェルシーとのスタンフォード・ブリッジ決戦。バルセロナ一行は月曜夜にロンドン入りを終えており、思い出の大ブリテン首都にて、木曜日まで過ごすことになります。
ペップ・グアルディオラによって招集を受けた22選手(トップチームの18人+テージョ、モントーヤ、バルトラ、オイエル)は月曜夕方のカンプノウでのトレーニング終了後、18時30分にプラット空港へと向けてスタジアムを出発しました。一行を乗せたチャーター機がロンドンへと旅立ったのは、予定より30分遅れた20時。そして目的地ヒースロー空港到着は、およそ2時間の空の旅を経た、22時(現地時間21時)すぎのことでした。ちなみに春の陽気に包まれているバルセロナとは異なり、この時間でのロンドンの気温は9℃ほどだったそうです。
ヒースローへと降り立ったチームは、その足で宿泊先のホテルへと直行しています。今回彼らが利用するのは、ハイドパーク横に鎮座するザ・グロブナーハウス・ホテル。1929年のオープン以来、王室やら各方面のVIP、セレブたちが利用するという、由緒あるリッチな5つ星ホテルであります。
◇スタンフォード・ブリッジの芝
ロンドン二日目となるこの火曜日、ペップチームは決戦の地となるスタンフォード・ブリッジにて前日練習を行います。クレとして気になるのは、こちらのピッチコンディションがどういったものであるのかという点。かつてジョゼ・モウリーニョがチェルシーを率いていた際には最低最悪な状態に仕上げられ(砂を多量にまいた上で、9時間の水まき)、スタンフォード・ビーチであるとか、ジャガイモ畑だとか酷評されたあちらの芝生でありましたが、今回はどうやらまずまずの状態だそうでして。ゴール前付近は芝が剥がれているところも見られますが、全般的にはしっかりと刈り込まれ、フットボルをするに十分なコンディションとなっているみたいです。
芝生を実際にその目で確かめるため、バルサ系メディアはスタジアムツアーを利用し、戦場の”偵察”を行っています。よって遠目からの観察となるのですが、見た感じではその芝生はまずまず。両ゴールエリア内にはボコボコしているところが見受けられるけれども、チェルシーが少しでも良いコンディションを保とうとしているのは明らからしく、MUNDO DEPORTIVO紙のウェブページでは担当者が芝を刈っている動画を見ることができます。
そして天気予報によりますと、水曜日のロンドンはしとしとの雨。こちらもバルサが自分たちのフットボルを行なう上で、ポジティブな要素となりそうです。
◇イニエスタ 「2009年と今とは別の話」
ではこちら、3年前のスタンフォード・ブリッジでのヒーロー、アンドレス・イニエスタによる記者会見での言葉を幾つか紹介しておきましょう。この数日、カタルーニャのスポーツ紙はどこもあのイニエスタッソを大きな話題としています。「2009年の準決勝のことが思い出されて語られるのは、もう仕方がないよね。起こった事を思い出すのは、ステキなことやったりもするし。あれは僕だけやなくて、誰もにとってとても特別でとても激しい瞬間やったよ。でも世界はあれからも続いているし、時間も経過している。今はまた別の状況なんや。水曜日に僕らが経験するのは、前回とは関係ないことや」
ドン・アンドレスといえば、このイニエスタッソのほか、ムンディアル優勝弾でも有名です。それに関しては、「意味深くて重要なゴールを決められるのは幸運なことやし、恵まれていると思う。多くの人々を幸せにできて、とても嬉しい」としつつも、もっと特別な瞬間はあったのだと彼は言います。「僕にとってその2つよりもスペシャルやったのは、バルサでのデビュー戦なんや。何年もカンテラで過ごしてきて、常に願っていたのはトップデビューやからね」。そして再び決定的ゴールについて。「そういうのが起こるやなんて、想像なんてできへんよ。あれは喜びが爆発した瞬間やった。僕はね、あれらは運命やったと思うよ。物事は、起こるべくして起こる。それを経験できて本当に幸せや。あの時の感情はもう、実際に言葉では説明不能やからね」
そしてここからが、この会見における最も肝心となるところです。シーズンが大成功となるか、ほどほどの成功となるか、ちょっと残念となるか、その分かれ道となるこの1週間。イニエスタが強調したのは、チームが現時点でトリプレッテの可能性を残している点です。「僕らがまたこういう状況にあって、チームが好調であることが、僕を楽観的にさせてくれるんや。シーズンのこの時期にあって、全てのタイトルを狙えるとあれば、誰もがそれで良しとしたことやろう。チームはこの数ヶ月、とてもハードに戦ってきたよ。僕たちは今、全てのタイトルを狙えるという、望んでいた状況にいるんや」
ミュンヘン行きの切符を賭けて争うチェルシーについては、ドンはこう語りました。「彼らは経験豊富なチームやし、前回対戦から多くの経験を積んだ上で、トーレスやマタといった選手も加わっている。チェルシーは3年前もかなり強かったけれど、今年も同じように危険で激しいチームやろう。それに彼らのホームはものすごい雰囲気になるやろうしね。かなり大変な対決になると思うけど、僕らが決勝へと行けるよう、物事が上手く運ぶことを期待しているよ。マタの存在は、これまでのチェルシーにはなかったアクセントになっている。彼はラインの間をとても速く動くし、ほとんど完璧な左足を持ってる。フェルナンド(トーレス)は最高レベルのデランテロやね。ポテンシャルがあって、マークを外すのも上手い。でも僕は、チームが彼らのクオリティを無効化できることを期待してるよ」
ノックアウト戦のイダは、なんならばエンパテでも上等。しかしイニエスタ(バルサ)の辞書に、まずは引き分けでヨシという言葉はありません。「僕らは勝つこと、最高の試合をすることを目指しているんや。あとは高い代償を払わへんために、エラーを最小限にすることやね。僕らはいつだって、勝利を得るためにピッチに立っている。これがトーナメント対決で、ブエルタの試合があるのも知ってはいるけれど、僕らの狙いはただ勝利あるのみなんや」
そして。「僕らはこれからチャンピオンズの準決勝に臨むわけで、ファイナルまではあと180分のところに来ている。今はチェルシー戦に全神経を集中しなければならない。ここで土曜日のクラシコのことを考えるわけにはいかへんよ。もしそうしたなら、僕らは過ちを犯すことになるやろう」
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