先手を取るぞ!

目標は、可能なかぎりの好い結果を手土産とすること。

さて、チャンピオンズ準決勝です。ミュンヘンで行われたもうひとつのセミファイナル・イダは、地元のバイエルンが2-1で先勝。なんだかんだでモウチームは期待に応えてくれる人たちであり、試合最後のみっともないイメージも、その後に繰り出される言い訳も、いつもの白組のそれでありました。バルサはそれを反面教師として有効活用するでしょうし、やはりチャンピオンズはタフな戦いであると、気合を入れ直したことでありましょう。3年前の雪辱を果たそうとするチェルシーからは、なにやら不気味なものを感じます。同じくリベンジを期した昨年のマンチェスターに対してのように、バルサよ、持てる実力を存分に発揮したまえ!

 

◇ロンドン散策

火曜夕方、決戦の舞台となるスタンフォード・ブリッジで前日練習を行ったペップチームはこの日、ミスターの許可を得て午前中をフリータイムとしています。トップチームのクラックたちはその時間をホテルでのくつろぎタイムに充てたのですが、バルサBの若者たちはここぞとばかりにロンドン散策に出発。クエンカ(1軍所属ですが)、テージョ、バルトラ、モントーヤ、オイエルらはその無名さを存分に発揮し、大ブリテンの都をそぞろ歩きしています。このあたりの写真(バルサ公式)を見ると、彼らはまだまだあどけない。

ちなみにセスクもまたしばしどこぞへと出かけたそうなのですが、こちらはさすがにお忍び外出としています。セスクのじいちゃんやチャビの両親なども、ロンドン観光を楽しんだ模様です。

 

◇ファン・ペルシーの訪問

一方、その前夜となる月曜夜には、バルサ一行が宿泊するザ・グロブナー・ハウス・JWマリオットホテルに、とある訪問者がありました。ホテルへとチェックインしたばかりのペップチームを訪れたのは、そのちょっと前にウィガンとの試合(1-2で敗北)を終えたばかりのアーセナルのデランテロ、ロビン・ファン・ペルシーです。バルサには昨年末までの同僚であるセスクと、オランダ代表での戦友イブラヒム・アフェライがいる。来夏のバルサ入りもウワサされているペルシーだけに、これはなかなかに大胆な行動といえます。しっかりと写真誌にその様子を撮られては、尚更です。

ファン・ペルシーとアーセナルとの契約は2013年6月までとなっていて、現時点まではクラブとの契約延長交渉は不発に終わっている。故に夏の移籍が有力視されるわけですが、これによってまたその推測は加速しそうな感じです。

 

◇セスク 「かなりハードな戦いになる」

さてふわふわした情報はこの程度にしまして^^、よりシリアスなニュースをお伝えしたいと思います。そもそもバルサ選手たちはホテルとスタンフォード・ブリッジの往復だけなので、公式会見くらいしか目ぼしい情報はないのですが。昨日のUEFA前日会見にバルセロナ選手代表として登場したのは、やはりこの人、セスク・ファブレガスでした。8年間のプレミア生活で、チェルシー戦の経験は非常に豊富。なんでも彼はこれまでにブルーズと16回対戦し、勝ったのはわずか3回だそうです。

「彼らとの試合は、いつも同じストーリーになるんや。アーセナルがボールを支配してチャンスを作っても、チェルシーは最初のカウンターでドログバがゴールを決めてしまう。彼らは前線にキラーを備えているし、不用意にボールを失ってはならない。彼らのカウンターはものすごく速いんや。そして守備はものすごく堅い。かなりハードな戦いになるやろう」

バルサにとってはイヤなスタイルといえましょう。アンドレ・ビラス・ボアスの到来によって方向性を変えていたチェルシーでしたが、3月にロベルト・ディ・マッテオが監督となってからは、原点に回帰し結果も出てきている。これはあまり歓迎できる要素ではありません。「ビラス・ボアスはよりボールコントロールやポゼッションを志向していたけれど、今のチェルシーは以前のプレミアやコパで勝ち、チャンピオンズで上位に残っていた頃のスタイルに戻っている。今はよりエリアでの守備に専念し、ボールを奪うとバイクのように前に出てきてるね。前線でプレーするのはドログバかトーレスのどちらかやろう。ふたり同時はないと思う。どちらにしても、危険な選手や」

ブルーズのファンも選手も、どうやらかなりリベンジに燃えている。セスクは言います。「記憶はまだかなり鮮明やからね。あれは簡単には忘れられへんよ。彼らにとっては更なるモチベーションの材料になるやろうけれど、同時にそれは、マイナスの効果もあると思う。何故なら彼らは、バルセロナが最後の瞬間にでっかいゴールを決める力があることを知っているわけやからね。それもまた彼らの心に残っているんや」。バルセロナへの恐怖が彼らの足をすくませる瞬間は、果たして訪れるでしょうか。

アーセナルとバルサでの役割の違いについては、セスキーはこう認めています。「アーセナルでは僕は中心選手としての任務をこなしていた。でもバルセロナでは、チームが必要とする戦術をより従わなければならないからね。これまでに何度か、自分が道に迷ったように感じたこともあったよ」

ちなみに2009年5月9日のイニエスタッソの日のことを、セスクはこう明かしています。「僕ら(アーセナル)はその前日、マンチェスターとのチャンピオンズ準決勝に負けてたんや。あの時は家族がウチに来ていて、彼らは試合をスタジアムへ観に行ってたよ。僕は下のいとこと自宅に残って、テレビ観戦をしていた。それで僕らはバルサが負けたと思ったから、プレステで遊ぼうとしていたら、あのイニエスタのゴールが全てを変えたわけなんや。家族はものすごく満足した様子で、バルセロナの家に戻っていったよ」

「このチェルシー戦やマドリー戦のような試合でプレーすることを、バルサに入団した時に自分は期待していた」というセスク。彼はこう付け加えています。「僕はプレミアを今もチェックしてるし、チェルシーの試合もたくさん観てるよ。彼らは今、シーズンでベストの瞬間にあると思う。でも僕らはこれまでに多くの困難を乗り越えてきたし、今重要なのはただ勝利し、ファイナルへと勝ち進むことなんや。そのために全力を尽くす必要があるし、僕らがもう一度チャンピオンズ決勝へたどり着けると、僕は確信している」

 

◇アルベス 「チェルシーは恐怖に負けた」

あとはいつものようにペップ・グアルディオラのコメントで締めたいところなのですが、ミスターのメッセージは「今回の対決は2009年のそれよりも難しくなるやろう」という一言に凝縮させていただくとして、英国ザ・ガーディアン紙に掲載されたダニ・アルベスのインタビューから、彼らしいコメントの数々を紹介することにします。

機会があるたびにペップによるフットボル観を絶賛しているダニですが、今回もまた彼は何故ペップチームのコンセプトがすばらしいのかをこう説明しました。「僕らはフットボルを、その原点へと戻してるんや。今日では勝つことこそが重要で、勝利至上主義になってる。勝てなければ、それは敗者になってしまう。僕からすれば、それはフットボルやないよ。僕が小さな頃は、勝ちはしたかったけれども、フットボルは楽しむためにやってた。僕らはそういうアプローチの仕方をしてるよ。フットボルへの愛や、楽しみ。僕らはファンに対し、なにかお返しをせなあかんのや」

「バルサに入団した時から、僕はバルセロナとよく似たフットボル観を持っていたよ。それがバルサが僕と契約した理由でもある。ボールタッチ、テクニック、コンビネーション、そして攻撃。バルサは選手を名前やとか、流行やとかで獲得したりせえへん。例えばアレクシスはすごい選手やけれど、他ほどメディア的やなかった。クラブが彼に大金を投じたのは、彼が何をもたらせるかを知っていたからなんや」

「バルセロナで一番難しいことは、プレーの方法やなくて、彼らのゲームの理解の仕方なんや。戦術面では、僕はペップの下で進歩したよ。行うには困難なことを、シンプルに行うんやと学ぶことでね。ポイントはプレッシングの仕方にあるんや。まずプレスを仕掛けるのは、僕らのベストプレーヤーであるレオ。僕は以前は、僕らがしてるような、相手陣内でキックオフから95分までのプレスができるチームがあるとは思わんかった。ペップの大きな功績は、選手、それも偉大な選手たちにそれをやれると確信させていることやね」

近年のバルサの成功を妬ましく思い、矮小化する輩もあちらこちらで現れます。特に、アノ人とか。そういった意見に対し、アルベスはこう言いました。「(去年のマンチェスターとの決勝で)ミスターが僕らに求めたのは、ただ攻撃することだけやったよ。それがカウンターアタックの強力なチームに勝利する、唯一の方法やってね。相手にボールを持たせたらあかんし、もしそうなったら、速やかにボールを回収しなければならない。試合後、ビディッチが僕らを”スペクタクルなチーム”やと祝ってくれたよ。ゲームというもの、フットボル選手であることの難しさを本当に知る人物からそう言われるのは、なかなかのものやね。ソファに座っているときには、僕は世界最高の選手なんや。でも実際にピッチに立って、プレーをしてなんぼ。ビディッチの言葉には、大きな意味があるよ」

では最後に、2009年のチェルシーが何故バルサに敗れたのかについて。ダニーの見解は至ってストレートでした。「あれは間違いなく、僕らがプレーしたなかで最高にハードなゲームやったよ。試合はチェルシーが勝っていたのに、審判の力で僕らが勝ったと言う人がいるけれど、それに関して僕らになにが出来るやろう?僕が思うに、あの試合でチェルシーがファイナルへ行けんかったのは、恐怖のせいなんや。数的優位なチームが1-0で勝っているなら、彼らは僕らを攻めるべきやったよ。でもチェルシーには一歩前に出る勇気が不足していた。代わりに彼らは後ろへと引いて、その代償を支払ったんや。彼らが攻めてこんと分かった時、僕らはチェルシーがゲームを放棄したんやと理解したよ。1-1になれば僕らが勝ち抜けるのを忘れて、彼らは1-0で満足していた。彼らが行ったのはボールを放棄することやった。彼らは僕らにポゼッションを譲った。バルセロナに対して一番やったらあかんこと、それはポゼッションを与えることや。後ろにいるのが敗者、前に出るのが勝者なんや」

今回チェルシーは、そういった教訓をふまえてバルサとの試合に臨みます。2009年のチェルシー戦、2010年のインテル戦で苦しんだ守備戦術の打破を目指して、ペップチームは前進を続けてきました。セスクやアレクシスが加わり、メッシやチャビ、イニエスタも進化し、バルサは当時よりも進歩をしている。チェルシーは確かに経験を積んだけれども、それはバルサとて同じこと。どちらの上積みがどれだけ多いのか。楽しみな決戦であります。ペップチームに慢心や油断はない。あとはどれだけ自分たちのフットボルを展開し、チャンスをものにしていけるかどうかです。2~3発の土産を持って、バルセロナへと帰れますよう。最高の仕事、期待してます!

 

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