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これが現実…:PSG戦完敗

今後に大きく響くであろう歴史的大敗。

FCバルセロナが王子たちの公園 パルケ・デ・ロス・プリンシペスにて、PSGに4-0の大敗を喫しました。激しさ、プレー内容、戦術、気迫などあらゆる点においてバルサはパリチームに敵わず、印象としてはスコア以上の大敗。3週間後にカンプノウでのブエルタが残っているとはいえ、アウェイゴールを奪えなかったことで奇跡的レモンターダへの望みは限りなく薄く、10年ぶりとなる1/8 final での敗退が濃厚な状況といえましょう。勝ったり負けたりを繰り返し、なんとなくここまできた今季のルーチョチームでしたが、どうもこれ以上は期待できそうになく。某ガンダムのスレッガー中尉の言葉を借りれば、「悲しいけどこれ、現実なのよね」。嗚呼!

ウナイ・エメリと彼の選手たちの完勝

聖バレンティンの日に愛の都パリにて行われましたチャンピオンズ1/8のPSG対FCバルセロナの第1戦は、どこからどうみてもパリチームの完勝で終わりました。 ルーチョチームのなにがどう悪かったのか、その分析はこれから各方面でたっぷり為されるでしょうが、素人目にもハッキリしているのはウナイ・エメリの準備した戦術が明らかにバルサのそれを上回っていたこと、あちらの選手の動きがすばらしかったこと、バルサにアイデンティティがさっぱり見られなかったことなど。バルサが上回っていたところは、効果的ではなかったパスの総数くらいでしょうか。

まず感じ入ったのは、ウナイ・エメリに送り出された選手たちのハードワークです。彼らは高い位置からのプレッシングによってバルサが窒息することをよく分かっており、ボールの出所を潰しました。球際の激しさでも、大人しいバルサ選手たちを圧倒。ボールを奪っては効果的なトランジションでテル・ステーゲンの守るエリアに迫り、次々に危険なシュートを放っています。4失点したドイツ人守護神ですが、彼はやれることはやっていた。責めることは出来ません。

セルヒオ・ブスケツアンドレス・イニエスタが先発に戻ってきた中盤でしたが、PSGに圧倒されてほぼフリーウェイ状態。ディ・マリアドラクスラーマトゥイディカバーニベラッティらがやりたい放題に攻め、ああバルサに好き放題にされたチームはこんな感じかと思ったりします。ドラクスラーは評判どおりに良い選手でした。やはり来季の右ラテラルは本職を獲得しましょう。ダニ・アルベス不在をこういう試合では特に強く感じます。

そしてなんといっても、アイデンティティの欠如。数年前に敗れたクラシコでも同じことが言われましたが、バルサはやはり彼らをバルサたらしめている己のスタイルがないと辛い。トリデンテ頼みのダイレクトフットボルはもうこのレベルでは通用しなくなってますし、哲学の再確認をしていく時期にきているように思います。そのカギは、、カンテラ育ちのインテリオール、セルジ・ロベルト

強くなるルーチョへの風当たり

気になるのはここからのルーチョバルサの行方ですが、正直なところあまり楽観的にはなれません。コパでは決勝へと勝ち進んだものの、チャンピオンズ1/4 final はこれでほぼ絶望的となり、リーガでもマドリーに差を付けられている(2試合少ないマドリーに1ポイント差)。この調子だと26日のアトレティコ戦(@カルデロン)でもやられてしまいそうで、そうなるとチーム周辺は騒がしくなってくるでしょう。もうすぐ春なのに。

PSGに完膚ないほどに打ちのめされた後、セルヒオ・ブスケツはテレビのマイクに対して「彼らの出来の方が僕らよりも良かったし、良いプレーをしていた。彼らの戦術プランの方が僕らよりも良かったよ。彼らが僕らを上回り、それが結果に表れた」「姿勢ではなく、彼らのほうが戦術的に良く、プランを実行して望んだところへ到達していたんだ」とコメントしています。メディアはこれをセルヒオルーチョの戦術を叱る、と報じているわけですが、監督が選手たちから采配に疑問を持たれるようになれば、一丸となって目標へ進むのは難しそうです。

で、そういう“隙”が生じてくれば、メディアもあれこれと真偽不明の話を報じてきます。ラジオ局COPEによりますと、バルサ選手たちはルイス・エンリケにはこの状況を改善する方法を見つける能力がないと見ており、今季限りでチームを去ると確信しているとか。このパリでの大敗で選手たちのミスターへの失望は大きく膨らみ、現チームの方向性にやる気を失っているという話にも、そんなことはないと力強く反論することは出来ません。

試合終了後のフラッシュインタビューでTV3の記者に食ってかかったりと、悪目立ちしてしまっているルイス・エンリケですが、今季末でクラブを去るにせよ、あと3ヶ月はどうにかバルサ号の指揮官として良い港へ到着するよう試みてもらわなければなりません。2年前のチャンピオンズ1/2では、カンプノウで3-0で敗れたペップ・バイエルンがアリアンツでは3-2で勝って意地と誇りを示したように、バルサらしいフットボルでPSGにお返ししてほしい。奇跡のレモンターダ実現はまずそこからです。

とりあえずは、久々の中4日なのでひと休みですかね。明日あたりまでは凹んでいるであろうバルセロニズモも、また反撃へ向け盛り上がってくると思います。

 

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